1−3 計画策定の意義
1 情報化の必要性
情報化が,急速に,そして確実に進展する中で,市民生活,産業,行政などあらゆる分野において新たな可能性が生まれてきています。しかし,情報化の進展は地域によって格差が生じてきており,地域の対応次第で,情報化がもたらす多様な可能性を十分に得られないおそれがあります。また,情報化は課題の解決や,ある目的を達成するための手段であり,地域が抱える課題や地域がめざす目標に応じて,取り組むべき情報化の内容も違ってきます。したがって,情報化がもたらす多様な可能性を十分に享受していくために,地域の特性を的確に捉え,市民や地域企業,行政のあらゆる関係者が参加,連携して,地域が主体的に情報化に取り組む「地域情報化」を進めることが,たいへん重要な課題になっています。
また,行政自身の情報化を図ることは,地域への行政サービスの向上につながり,地域の情報化を推進する基盤となるという観点から「地域情報化」と密接な関係にあります。したがって,行政内部事務の情報化や行政情報の電子化など行政内部の情報化を積極的に進める「行政情報化」に取り組んでいくことがあわせて急務になっています。
なお,地域情報化,行政情報化については,自治省の指針によっても,その推進の必要性が示されています。
●「地方公共団体における地域の情報化に関する指針」の考え方

出所:「地方公共団体における地域の情報化に関する指針」(自治省,1990年1月)より
●「地方公共団体における行政の情報化に関する指針」の考え方

出所:「地方公共団体における行政の情報化に関する指針」(自治省,1995年5月)より
2 情報化基本計画のねらい
川崎市では,従来より「川崎新時代2010プラン」,「情報化施策基本計画」,「かわさきテレトピア計画」,「かわさきハイビジョン都市基本計画」,「川崎インテリジェント・シティ整備基本計画」等を策定・実施して,さまざまな分野で情報化施策を進めてきました。しかし,それぞれの分野において情報化が浸透して,その影響力が高まってくるに従い,川崎市の全体的な情報化の推進方向を明らかにすることが必要となっています。
一方,昨今,情報通信環境は,予想を超えてめまぐるしく変化している中で,市民や地域企業から,情報化に対する新たな要請が高まってきています。
これらの背景から,情報通信環境の動向やこれまでの情報化への取り組みを踏まえつつ,地域,行政両面の現状や課題に対応した情報化を計画性をもって総合的に進めるための「川崎市情報化基本計画」を策定するものです。
川崎市情報化基本計画のねらいは次の2点にあります。
・川崎市の情報化の基本的な考え方を示して,情報化施策を目的に合わせて体系化します。
・情報環境の変化や多様な情報化ニーズへのバランスのとれた対応を図ります。
●情報化計画策定のねらい

3 情報化の視点
川崎市では,地域情報化,行政情報化2つの視点について,次のような認識を持って情報化を進めていきます。
(1) 地域情報化の視点
@生活者としての市民の視点
技術やハード面が先行するような情報化ではなく,情報化の主体である生活者のきめ細かな目線から捉えた,人間性を大切にした情報化を進めます。
A地域の視点
それぞれの地域の個性や特性を活かした情報化を進めます。
(2) 行政情報化の視点
行政内部の視点に加えて,市民をはじめとする外部の視点に立った効率性,透明性の高い行政の実現に向けた情報化を進めます。
4 川崎市の特性
川崎市の情報化を進めるにあたっては,市の特性を踏まえる必要があります。川崎市の特性として,そこに住む市民も地域の産業もさまざまな面で高いポテンシャルを持っていることが挙げられます。
(1) 市民
・市民共同のまちづくりをめざした活発な活動が行われています。
・市民の自由で自主的な文化活動が多彩に展開されています。
(2) 産業
・産業の振興と環境保全を両立する市民生活と共存した産業活動が進められています。
・ハイテク産業が多数立地した国内有数の情報産業集積地域となっています。
・研究開発型企業や研究機関が集積した研究開発都市へと変貌しつつあります。
(3) まち
・商・工業的に栄える南部,ベッドタウンとして発達している北部などそれぞれの地域で個性を持ったまちが形成されています。
・業務核都市として首都機能における重要な位置を占めています。
川崎市では,このような市の持つ可能性を大きく開花させ,また新たな可能性を発掘していくことを念頭に情報化を進めます。