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第4章 行政体制の再整備

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2004年11月11日

 この「第4章 行政体制の再整備」,「第5章 公共公益施設・都市基盤整備の見直し」及び「第6章 市民サービスの再構築」という3つの章において,先に述べました「行財政改革の基本的な考え方」に基づいた具体的な改革の方向と内容を説明することとします。このうち,第4章でとりあげる「行政体制の再整備」では,職員配置,組織機構,給与制度,人事制度,公営企業,出資法人等,いわゆる市役所の内部改革に関連する事項を取り上げます。今回の行財政改革においては率先して大胆にこの内部改革をなしとげることがもっとも重要な課題であると認識しています。  

1 基本的な考え方~民間活用型公共サービス提供システムの実現に向けて

(1)現況と課題

 第2章で述べましたとおり,川崎市における行政体制の最大の特徴は,直営方式で多くの事業を実施してきたことと,市民サービス提供部門を中心に,手厚い職員配置を実施してきたことにあります。
 「工都川崎」と称された高度成長期において,臨海部に京浜工業地帯を擁し,急速に都市成長を遂げていた川崎市は,急激な若年労働者の流入対策や公害問題を含めた都市環境対策等を喫緊に講じる必要がありました。中・高卒業生が金の卵と称され,人手不足が慢性化していた当時において,急増する市民に対して必要な行政サービスを確保し続けることは容易なことではなく,川崎市は自ら職員を採用し,そのサービス供給に努めたのです。とりわけ,昭和47年の指定都市への移行に合わせて,年間1,000人前後の職員が採用され続け,指定都市移行に伴う移管事務,新設された区役所業務や,保育所の緊急整備,ごみ収集・処理,道路維持補修業務,その他施設管理業務等を実施してきました。

 平成14年4月1日現在,川崎市には合計15,995人の職員(人口千人あたり職員数は12.84人で指定都市中第4位)がおり,その職種別内訳は,保健・福祉系事務職446人(同0.36人で第1位),その他事務職4,190人,建築・土木系技術職754人,病院を除く医療系技術職431人(同 0.35人で第2位),その他技術職730人,清掃関係技能・労務職1,369人(同1.10人で第2位),その他技能・労務職2,044人,保育士・寮母等1,345人(同1.08人で第1位),消防職1,417人及び企業職1,736人等となっており,川崎市においては,他の指定都市と比べて,保健,福祉,医療,生活環境といった分野の職員数が多いことがわかります。

 指定都市移行前後の短期間のうちに職員が大量採用された結果,いわゆる団塊の世代が突出して多くなっており,職員の年齢別構成のアンバランスと平均年齢の上昇は,その後の人事給与制度に大きな影響を与えてきました。そして, 昭和57年11月の主任制の導入,昭和62年4月の副主幹制の導入と,困難係長・困難課長の職務級設定,更に平成3年度の一般事務職等5職種に係る係長昇任選考の導入等と,さまざまな団塊の世代対策や処遇改善策を講じてきました。
 しかし,人事管理そのものは抜本的に改められることはありませんでした。係長昇任選考は行われているものの,旧来の横並び意識の強い年功序列的な管理手法が残り続け,能力・実績評価の結果等に基づく人材登用の仕組みは不十分となっています。その結果,係長昇任選考に合格しても責任あるポストになかなか就けないという状況が若手職員の能力発揮の機会を失わせ,意欲を削いだり, また,適材適所の職員配置を困難にしています。さらに, その職責を十分果たしているか疑問を抱かせる管理職も存在しています。

 職員給与についても同様で,横並び意識の強い年功序列的な処遇が行われてきました。職務内容が異なるにも関わらず,技能労務職,医療技術職及び消防職の給料表は,一般事務・技術職の給料表に沿った構造になっており,給料水準はほぼ同一となっています。指定都市移行後,昭和53年のオイルショックを経験したものの,おしなべてバブル崩壊まで右肩上がりの財政に支えられ,民間の給与水準の向上とともに,職員の給与水準も引き上げられてきました。川崎市の一般行政職のラスパイレス指数は平成13年4月現在105.1となっており,指定都市の中では大阪市に次いで2番目に高い水準となっています。旧来の右肩上がりの高度成長時代に築かれたものが低成長期に入っても未だに維持されており,諸手当のうち,特に,特殊勤務手当は7割以上の職員に対して支給されて,年間 28億円という多額な支出となっています。

 また,こうした人事給与制度や組織運営に, これまでの労使協議のあり方も少なからず影響を与えて来ています。 とりわけ,『合意なきもの実施せず』の原則の下,管理運営事項と思われる内容に至るまで労使間で事前協議してきたことは労使双方にとって大きな課題を残しています。

 高度成長の真っ只中にあった当時としては市民サービスを提供するためにやむをえなかった直営方式は,30年あまりを経てサービス供給を担える多様な民間部門が存在している今日,その抜本的な見直しを必要としています。多くの職員を抱えることは,給与水準の問題と相まって,川崎市における人件費比率を高め,平成12年度普通会計決算においては,指定都市平均17.2%を約6ポイントも上回る23.1%にまで達しています。この人件費比率の高さが,伸び悩む市税収入の中で,財政硬直化の要因のひとつとなっており,このままで推移すると,今後の市民サービスを充実強化させていく上での大きな制約要因になると懸念されます。

(2)今後の方向性と見直し基準

 「第3章 行財政改革の基本的な考え方」で示したとおり,今後は,市場原理の活用を大原則に考えます。すなわち,より少ない職員で効率的に遂行し,市民サービスを充実強化させていくために,市場原理が的確に働く領域においては,必要性の低い公共サービスや関与を廃止し,市場原理が的確に働かない領域においては,公共部門が民間部門によって提供されるサービスの価格と品質が妥当であるかどうか,監視・指導し,必要な支援をすることとします。ただし,市場原理が的確に働かない領域において,なおかつ,<1>法律等によって公共部門による実施が義務づけられている場合,<2>民間部門よりも効率的にサービス供給できる場合,<3>サービスの価格や品質を的確に契約管理できない場合,<4>サービス供給の一部を公共部門が担うことによって,市場をより競争的にできる場合,<5>サービス供給の一部を公共部門が担うことによって,提供されるべきサービスのモニタリングに資する場合,のいずれかに相当する場合においては,公共部門が直接サービスを供給することとします。
 また,公共部門がサービスを供給したり,監視・指導する場合には,現行業務における事務処理の効率化や職員配置基準の適正化を進めていくこととし,合わせて責任の所在を明確にして,迅速な対応を可能とする組織体制を編成することとします。
 人事給与制度については,年功序列的な横並び主義から能力・実績主義に基づくインセンティブに富むものに抜本的に改め,民間賃金・財政状況等を踏まえた給与水準の適正化を図ります。特殊勤務手当,退職手当や勤勉手当等の手当,高齢職員の昇給停止年齢,特別昇給は,国や他都市の動向等に合わせて,その内容を見直します。
 さらに労使双方とも意識改革に努め,従来,労使協議事項の範囲が拡大解釈され,職員定数及びその配置に関する事項などいわゆる「管理運営事項」も事前協議の対象となっていた実態については改めます。
また,これらの一連の見直しを行うため,法令等を踏まえて,職員の勤務条件の変更に係わる事項については,組合とも誠意をもって協議を進めます。

2 主な再整備事項

(1)職員配置

 現在,川崎市が直接行っているサービスのうち,「行財政改革の基本的考え方」に従って可能性のあるものすべてが民間部門に移行した場合には,該当する部門の職員数は4,500~5,000人とも見込まれます。しかし,この数は,今後10年間における市役所全体の定年退職予定者数に匹敵し,短期的に実現できるものではありません。また,あくまでも現在の事務事業・人事給与・職員配置等を前提とした試算であって,今後,サービス供給の効率化を進める自己改革努力のなかで,民間に優るとも劣らない公共直営サービスが確立されるケースも考えられます。そこで,今後3年間の当面の目標は,次のとおりとします。

平成14年度から平成16年度までの実施目標

  • 職員数の削減
    本計画の計画期間である3カ年においては,下記の見直しを行うことにより,職員数を約1,000人削減します。
  • 技能・業務系職員の平成14年度実施の新規採用選考の中止
    こうした職員配置の見直しを実施することにより,今後の見通しとして,一部の職種を除き技能・業務系職員については当面補充の必要が見込めないため,平成14年度の新規採用選考は実施しないこととします。
  • 毎年の新規採用
    一般事務職や土木職等の技術職については,将来的な職員構成の歪みを避けるため,毎年一定数の新規採用は確保します。

職員数の削減に向けた具体的な見直し

ア 主な職員配置基準の見直し(実施年度は一部着手の場合を含む。)

  • ごみ焼却業務の職員配置基準の見直し 平成15年度実施予定
  • 保育所保育士配置基準の見直し 平成15年度実施予定
  • 庁内用務業務,保育所用務業務,病院看護補助業務,病院営繕業務,下水道使用料徴収調査業務,道路ポンプ施設等維持管理業務及び排水設備検査業務の専任職員配置の廃止 平成15年度実施予定
  • 市営バス運転業務の配置基準の見直し 平成16年度実施予定
  • 福祉事務所の職員配置基準の見直し 平成16年度実施予定
  • 岸壁給水業務の専任職員配置の廃止 平成16年度実施予定

イ 公共サービス提供手法の転換(実施年度は一部着手の場合を含む。)

【平成15年度実施予定】

  • 庁中取締り業務,電話交換業務,庁舎設備管理業務 廃止又は委託化
  • 庁用自動車運転業務,整備業務 廃止,委託化又は非常勤化
  • 庁内印刷業務 非常勤化 広報車,公害パトロール車,地域療育センター通園バス,防疫車,船舶給水車運転業務 廃止,委託化又は非常勤化
  • こども文化センター運営業務 委託化
  • し尿収集運搬・中継輸送業務,浄化槽清掃業務,道路ごみ清掃業務,廃棄物計量業務,作業服洗濯業務,廃棄物鉄道コンテナ輸送業務 非常勤化
  • 施設(しいのき学園,保育所,井田病院を除く)における調理業務 委託化
  • 下水道管きょ維持補修業務 非常勤化
  • 港湾荷さばき地等の監視業務,自動車台ばかり計量業務 委託化
  • 教育文化会館・市民館設備維持管理,ホール運営業務 委託化
  • 学校用務業務 一部非常勤化
  • 浄水場排水処理業務 委託化

【平成16年度実施予定】

  • 緑化センター維持管理業務 委託化
  • 事業系一般廃棄物収集運搬業務 許可事業者の拡大
  • 浮島埋立地管理業務,廃棄物圧縮中継輸送業務 委託化
  • 保育所調理業務 委託化
  • 葬祭場の運営業務 委託化
  • 道路維持補修業務 委託化

【平成17年度実施予定】

  • フルーツパーク,霊園の維持管理業務 委託化
  • し尿圧送,汚泥運搬業務 委託化
  • 恵楽園,わーくす,ヒルズすえながの運営業務 委託化
  • 動物保護業務 非常勤化
  • 井田病院調理業務 委託化

上記のほか,定型的な事務処理業務や企画・立案を含まない設計・工事等の技術的業務等について可能なものから委託化等の執行手法への転換を図ります。

ウ 情報化・システム化による執行体制の見直し

【平成14年度から平成16年度に稼動予定の主な情報システム】

  • 総合財務会計システム
  • 文書管理システム
  • 市税システム

(2)組織機構

 以下の3つの原則に基づいて,川崎市の組織機構に関しては,次の各点について随時見直しを実施していくこととします。すなわち,

  1. 専門化が進み,複雑性・不確実性が高まった外部環境に対応できること
  2. 責任の所在が明確で,市民にわかりやすく簡素で効率的であること
  3. 多様化している市民ニーズに,迅速に対応でき,市民にわかりやすく利用しやすいことを原則として
    ・行財政改革を効果的に実施できる組織体制の拡充・強化を図ります。
    ・意思決定の迅速化,事務効率の向上,責任所在の明確化のために,局・部・課の統廃合や事業所の類別区分の見直しを実施すると同時に,主幹・主査などの動態組織を見直します。
    ・また,組織実態に応じて,中間層を圧縮したフラットな組織を段階的に導入します。
    ・地域コミュニティを重視したまちづくりを推進するために,本庁機構と区役所の役割分担を見直し,市民の利便性の向上を図ります。
    ・都市再生の具体化を図るために,また,その他市民の多様なニーズに的確に対応するために,局の統廃合,組織の再編移管等を実施します。

(3)給与制度

 民間賃金や財政状況等の動向を踏まえて,市民の理解が得られる適切な給与とするために,次の考え方に基づいて,給与制度を見直します。

  1. 年齢や在職年数等による処遇のあり方を抜本的に見直し,公務特性を踏まえた適正な評価に基づく勤務実績を反映した給与とします。すなわち,年齢や経験年数等による昇格基準を見直し, 職務内容に合った給与水準のあり方を早急に検討します。また, 技能・業務職員の給料表をはじめとした給料表を見直します。
  2. 制度が導入されてから時間の経った手当,市民感覚に合わない諸手当は,次のとおり見直します。

ア 特殊勤務手当の見直し

  • 特殊勤務手当の支給対象となる勤務が,著しく危険,不快,不健康又は困難な勤務その他特殊な勤務と認められないものについては廃止します。
  • 勤務形態の変化等により勤務の特殊性が薄れたものについては,支給対象者,対象業務,金額の見直しを行います。
  • 資格又は職種を根拠に設定しているものについては見直しを行います。
  • 支給基準が定率又は月額になっているものについては,日額又は勤務回数に応じた支給規準の見直しを行います。
  • 給料表上又は他の給与制度で既に考慮されていると思われるもの若しくは考慮すべきであると思われるものは見直しを行います。

【平成15年4月実施予定】

イ 給料の調整額の見直し

制定当時の額の算定方法や国家公務員と比較して高い水準にある行政職給料表(2)適用職員の給与を考慮すると現行の支給額は高額であるため,行政職給料表(2)適用職員の給与水準,特殊勤務手当の支給状況を考慮のうえ,見直しを実施します。
【平成15年4月実施予定】

ウ 退職手当の見直し

支給割合の最高限度は,国並みとなっていますが,一部に国の基準を上回るものが存在しているため,その部分について支給割合の見直しを行います。同時に退職時特別昇給の引下げも行います。
【平成15年4月実施予定】

エ 高齢職員の昇給停止年齢の見直し

現行の昇給停止年齢は58歳となっており,55歳である国の基準を上回っています。そのため,昇給停止年齢を58歳から55歳に引き下げます。
【平成15年4月実施予定】

オ 期末・勤勉手当制度の見直し

勤務実績を反映させるべき勤勉手当に懲戒処分以外の勤務成績が反映されておらず,また,管理職について国や他都市は勤務実績をより反映するよう勤勉手当の支給割合を多くしているにも係わらず,川崎市においては支給割合を多くしていないため,次のように改めます。

  • 勤勉手当に成績率を導入します。(管理職の先行実施)
  • 管理職の期末手当と勤勉手当の支給割合の見直しを行います。

【平成16年度実施予定】

カ 管理職手当制度の見直し

管理職の職務について,その職務の困難性,責任の度合,勤務の態様等を考慮し,より職務実態に見合った手当額の設定等を行います。
【平成16年度実施予定】

キ 特別昇給制度の見直し

勤務実績を適切に反映した特別昇給制度を確立します。
【平成16年度実施予定】

(4)人事制度

 「職員一人ひとりの能力や実績を適正に評価して昇任や給与等の処遇に結びつけ,職員のやる気や働きがいを引き出す」ことのできるシステムの導入を図ります。
 また,職員の有する能力・適性は一律でなく,就労意識も多様化していることから,専門職や専任職といったスタッフ職の育成を考慮した複線型の人事コースを設定し,職員が自らの能力開発や働き方を主体的に選択できるシステムを構築します。また,新たな人事給与制度を機能させるためには,管理職の意識改革,管理職としての適性を厳しく審査する管理職登用審査制度の導入や若手職員を能力評価の結果に基づいて登用する仕組みづくりをします。
 現在,国家公務員の人事制度改革が進められており,平成18年度から能力等級制に基づく新人事制度の実施を予定しています。この場合,地方公共団体も国と同様な人事制度に移行することとされており,能力等級制や基本給の部分については,国の動向を見据えて見直しを進める必要があります。そこで,能力等級制以外の新制度の基盤となる人事評価制度の構築などを当面は重点的に行っていくこととします。
       

ア 能力基準の策定

優れた能力の発揮や高い業績をあげた職員を適正に評価し処遇するシステムに活用するため,職務の遂行に求められる能力の内容・程度に応じた基準を定めます。
【平成14年度策定予定】

イ 新任用制度の確立

  • 全ての職種を対象とする人事異動方針を策定するとともに,庁内公募制度を実施するなど適材適所の人事配置を促進します。
  • 昇格・降格・免職等の基準を策定し係長昇任選考の見直しや管理職登用制度の検討を行うなど能力本位の昇任・降任システムを構築します。

【平成16年4月実施予定】

ウ 新評価制度の導入

能力基準に基づく能力評価及び目標管理に基づく業績評価のシステムを整備するとともに,苦情対応や評価者訓練等の仕組みを整備します。
【平成15年10月策定予定】

*管理職について平成15年4月に試行します。

エ 人材育成・能力開発の推進

人事管理と研修との連携による計画的な人材育成や職員の自主的な能力開発の推進に向け,人材の育成に関する基本方針を策定します。
【平成15年度策定予定】

(5)公営企業の経営の健全化

 地方公営企業は,常に企業の経済性を発揮しながら,公共の福祉を増進するよう運営されなければならないため,その経営は独立採算制を原則とし,例外的に総務省通知による繰出し基準により,当該企業の一部の経費に限って一般会計等が負担することとしています。
 したがって,繰出し基準に基づく一般会計等が負担すべき経費を除いて,独立採算により経営を行うことになりますが,実際には,各地方公営企業へ基準外の繰出しを行っているのが現状(平成13年度の状況参照)ですので,次の方針に基づき,具体的な見直しに取り組んでまいります。

地方公営企業は,繰出し基準に係る経費を除いた経費において,市場原理に基づき経営を行う独立採算制を基本とします。
したがって,基準外繰出金の段階的な削減を図ります。

平成13年度の状況

  • 病院事業会計
     平成12年度に完成した川崎病院の改築に伴う減価償却費の影響等により,平成13年度決算では,16億48百万円の赤字となり,累積赤字は,144億27百万円となるなど,経営状況は大変厳しい状況となっています。
     今後は,北部病院の建設も着工され,井田病院機能のあり方の検討が必要となります。
     基準外繰出しとして,会計の収支不足を補うための「収支改善補助」など,6億1百万円を繰出しています。
  • 下水道事業会計
     一般会計の繰出金により,収支均衡となっていますが,料金算定にあたっては,「雨水公費・汚水私費」の原則から,本来であれば下水道使用料で負担しなければならない一般排水に係る資本費の35%相当額を一般会計からの繰出金で賄っています。
    また,昭和62年度には57%であった人口普及率を,平成13年度末には97.9%にするなど,短期間に下水道を整備してきたことにより,それに要した企業債残高が4,700億円を超え,後年度負担が懸念されています。
     基準外繰出しとして,本来の下水道使用料の一部を政策的配慮として市で負担することによって使用料を低く抑えている公費負担分など79億19百万円と,建設改良費及び企業債償還金に51億円,合計130億19百万円を繰出しています。
  • 水道事業会計
     行財政改革推進計画に基づき,経営の効率化に努めていますが,平成13年度の宮ケ瀬ダムの本格稼動に伴い,企業団に支払う受水費が増加するとともに,水需要が低迷し,料金収入が伸び悩むなど経営環境が厳しくなってきています。
     なお,平成13年度決算では,15億11百万円の赤字決算となっています。
     基準外繰出しとして,生活保護世帯等への水道料金減免措置を行っていますが,その負担金などとして2億66百万円を繰出しています。
  • 工業用水道事業会計
     これまで先行投資により,安定的な経営状況でしたが,工場移転等による水需要の低迷と契約水量方式による料金体系のあり方について,産業界から見直しが求められていることなどから経営環境が厳しくなってきています。
     なお,平成13年度決算では2億61百万円の赤字決算となっています。
     基準外繰出しとして,施設整備の一部に対する補助金として52百万円を繰出しています。
  • 自動車運送事業会計
     平成14年2月から実施された乗合バス事業の規制緩和に伴う公営バスの取組みが問われています。また,平成13年度の包括外部監査の指摘等により,乗務時間,繰出金の見直し,民間委託の検討など,企業体質の抜本的な見直しが求められています。
     こうしたことから,平成13年度から17年度までの5カ年を対象期間とする「第3次経営健全化計画」を策定し,経営健全化に努めています。
     なお,平成13年度決算では,4百万円の黒字となっています。
     基準外繰出しとして,お年寄りへの福祉施策として,敬老特別乗車証を交付していますが,その費用相当額17億44百万円と,交通不便地域へのバス運行を行う行政路線等に対する補助金17億67百万円,その他3億59百万円,合計38億70百万円を繰出しています。
  • 高速鉄道事業会計
     新百合ヶ丘から川崎を結ぶ地下鉄事業のため,平成13年度に新たに設置した会計ですが,建設期間中では経常収益は原則として発生せず,収支均衡となります。
     しかしながら,一般会計から事業費の約44%を市債発行により出資・補助するため,市債償還として多額の後年度負担となります。
     基準外繰出しとして,調査費等の経費に対して,3百万円を繰出しています。

ア 各企業における経営健全化への取組み

 職員数の削減,施設管理方法の変更,民間委託,内部管理経費の削減等を行い,経費の削減を図ります。

イ 経費負担区分の見直し

 水洗便所等設備資金貸付助成事業(下水道事業),敬老特別乗車証の交付,行政路線等に対する補助(自動車運送事業)など市の行政施策として実施している事業の見直し及び明確化を行い,基準外繰出金の要綱化を図ります。

ウ 受益者負担の見直し

 地方公営企業の経営は,企業の収入をもって行うことを原則としていますが,病院事業の診療報酬や民間事業と競合する自動車運送事業のバス料金のように,必ずしも企業だけで決定できないものもあるので,それぞれの状況を踏まえた見直しの検討を行います。
 下水道事業は,本来下水道使用料で賄うべき経費のすべてを賄いきれず,政策的配慮により,市税等で負担しています。このため,下水道事業では段階的に使用料の経費の算入率を上げていることから,引き続き,取組みを進めるほか,その他の事業の見直しも検討します。

エ 基金等からの長期貸付金の実施

 下水道事業では,減価償却費の償却年数と市債の償還年数が相違するため,一時的な資金不足が生じており,このギャップを埋めるために,この元金償還金不足相当額を繰出しています。
 しかしながら,この場合にも長期的にはキャッシュフローの改善が図られるため,この繰出しを基金等から長期貸付を行う方法に移行し,企業管理者の経営意識を喚起するとともに,資金的な余裕ができてきた段階で,返済を受ける手法など,新たな取組についても検討します。

(6)出資法人の見直し

 社会経済の成長,住民ニーズの多様化・高度化とともに,地方行政がかかわる分野は拡大し,川崎市が実施する事業も,これとともに拡大してきました。平成14年4月1日現在で出資率25%以上の法人は39法人,うち平成に入って15法人が設立されました。しかし,これら川崎市の出資法人を取り巻く環境は厳しい方向で変化してきています。
 従来の出資法人に対する補助金や委託料等の財政支出のあり方について見直しが求められていることや,情報公開制度が進展してきたこと,金融機関による貸し出し引締め強化等があり,そのため,出資法人は従来よりも効率的な事業運営や市民に対して事業の運営状況を明らかにしていくことが求められています。また,時代状況の変化に伴い,法人の中には存在意義が問われているものがあります。
 このような状況を踏まえて,平成14年4月の「公益法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律」の施行に伴い,時代の変化に即応できる組織と財務等を備えた出資法人への変革を図るとともに,平成13年度に実施した「出資法人への経営状況等の点検評価」を勘案して,指摘事項の改善,統廃合や経営の見直しについて取り組みます。

ア 出資法人の統廃合

 出資率25%以上の39法人(平成14年4月1日現在)のうち,5法人を削減します。

  • 川崎市場信用株式会社の民間経営への移行(出資金の無償譲渡)【平成14年7月実施】
  • (財)中小企業・婦人会館を廃止し,その業務を(財)指定都市記念事業公社に移管【平成15年3月実施予定】
  • (財)博物館振興財団と(財)生涯学習振興事業団との統合【平成17年3月実施予定】
  • (財)在宅福祉公社と(財)保健衛生事業団との統合【平成17年3月実施予定】
  • (財)下水道公社の廃止【平成17年3月実施予定】

イ 出資法人の経営改善

  • 土地開発公社の経営健全化計画の推進【平成12年度から平成17年度までの6年間で実施】
  • 出資法人(出資率25%以上の法人を対象)の経営状況等の点検評価の実施及び点検評価に基づく経営改善【平成15年度以降順次実施予定】

ウ 出資法人の積極活用

  • こども文化センターの管理運営業務を(財)川崎ボランティアセンターに委託【平成15年4月実施予定】
  • 男女共同参画センターの管理運営業務を(財)指定都市記念事業公社に委託【平成15年4月実施予定】

エ 出資法人にかかる情報公開の推進

 情報公開の対象法人を出資率50%以上から25%以上に改め,株式会社などを含めた法人への拡大を図ります。【平成14年12月実施予定】

オ 商法法人の経営健全化

 地方自治法の規定などにより川崎市が関与可能な商法法人については,柔軟なサービスの提供,経営戦略,資金運用など民間のノウハウを十分活用した経営の健全化・効率化を進めるとともに,民間企業としての経営責任を一層明確化し自律的な経営をめざすよう,指導・監督します。

出資率25%以上の商法法人
法人名
設立年月日
資本金
(百万円)
市出資
(百万円)
出資率
かわさき市民放送(株)
平成8年3月8日
140
77
55.0%
川崎地下街(株) 
昭和33年4月18日
5,000
2,143
42.8%
川崎冷蔵(株)
昭和56年4月1日
50
40
80.0%
(株)川崎球場
昭和26年4月24日
250
116
46.3%
みぞのくち新都市(株)
平成7年8月29日
300
105
35.0%
川崎臨港倉庫(株)
昭和35年8月16日
100
50
50.0%
かわさき港コンテナターミナル(株)
平成6年5月10日
610
310
50.8%
かわさきファズ(株)
平成7年3月29日
5,327
1,700
31.9%

 また,法人への支援については,法人の経営努力や,業務の公益性について逐次点検しながら,他の出資者との関係を踏まえたうえで,必要な支援について検討を進めます。

(7)補助・助成金の見直し

ア 現状と課題

(ア)平成14年度予算における補助・助成金の交付額は約251億円に至り,過去10年間で約2.14倍の伸びを示しています。これは,同一期間における一般会計予算の伸び約1.14倍を大幅に上回るものです。
(イ)制度開始から長期にわたり存続する補助金は,時間の経過とともに既得権益化する場合があります。また,社会経済環境の変化に伴い目的や必要性が不明確になるなど,行政の公正さを損なう恐れがあります。
(ウ)補助・助成金は各種の行政目的や公益性の程度に応じて支出するものですが,時代状況の変化等から団体運営の自立促進や個人領域まで及んだりする場合があります。
(エ)一方,市民・各種団体とのパートナーシップを強化し,新たな公民の役割分担を構築する有効な行政手段のひとつとして,補助金の積極的な活用も望まれています。

イ 見直し方針

(ア)個々の補助・助成金を取り巻く社会経済環境の変化及び極めて危機的な状況にある本市財政状況を踏まえ,客観的な公益性と透明性の視点から,補助・助成金の目的と必要性を総点検し,適正化に向けた取組みを進めます。
(イ)市民やさまざまな団体の活動支援を通して,地域の公益目的を達成するための補助・助成金は,市民と行政のパートナーシップ関係を築く観点から,NPO等を含め,必要性の高いところには重点的な活用を図ります。

ウ 交付状況の情報公開

 補助・助成金の透明性の向上を図り,制度を有効に活用していくために,市のホームページ等により交付状況を公開します。

(8)債権確保策の強化

 市税,市営住宅使用料等の債権確保については,長引く景気低迷など社会経済環境の変化から収納(入)率が低下し,滞納額が増加傾向にあります。
 市税の収入率については,平成13年度には,0.1ポイント改善されましたが,昭和40年代の後半から50年代の後半までは98%を超える状況にありました。
 市営住宅使用料の収納率は,平成9年度までは97%台を維持してきましたが,平成10年度以降は下降傾向となっています。
 国民健康保険料の収納率は,70%台と極めて低い状況にあります。
 保育料の収納率は,平成2年度の95.5%をピークに下がりつづけています。

収入率・収納率の一覧

平成11年度平成12年度平成13年度
市税収入率94.0%93.9%94.0%
 現年分98.4%98.4%98.4%
 滞納分17.7%17.5%19.4%
市営住宅使用料の収納率95.4%94.3%93.2%
 現年分97.6%97.3%97.0%
 滞納分37.0%29.6%26.9%
国民健康保険料の収納率76.0%73.4%72.9%
 現年分89.7%89.0%88.7%
 滞納分9.7%7.9%11.1%
保育料の収納率89.0%88.9%89.2%
 現年分97.8%98.0%97.8%
 滞納分5.2%5.6%4.4%

 今後,滞納の状況把握と迅速・適切な対応を図るとともに,収納にあたっての口座振替制度の奨励等,債権確保に努め,市民負担の公平性を確保します。さらに,低下傾向にある市税や国民健康保険料などの収納(入)率の向上に向けた取組みを強化し,平成13年度の収納(入)率を上回るよう努めていきます。

(9)総合的土地対策の推進

 川崎市の土地問題については,先行取得用地に関する問題が,その中心的課題となっています。
 川崎市は,公共事業の円滑な推進を図るうえで,用地確保が重要な課題であったことから,「土地開発公社」,「公共用地先行取得等事業特別会計」及び「土地開発基金」の3つの仕組みによって公共用地の先行取得を行ってきました。
 こうした用地の大半は,現在既に道路,公園等として有効に活用されておりますが,バブル経済の崩壊に伴う景気後退による税収の落ち込み等から,先行取得用地の事業化が遅滞して進まず,保有期間の長期化と保有総量の増加を招いています。
 また,他方,地価高騰期に取得した土地などでは,地価の下落により多額の差損を生じることにもなっています。

先行取得用地の保有状況と土地利用再検討用地(平成14年3月末現在)
件数面積保有高
土地開発公社
保有用地
218件354千平方メートル1,046億円
土地開発公社
土地利用再検討用地(内数)
7件7千平方メートル35億円
公共用地先行取得等事業特別会計
保有用地
52件222千平方メートル613億円
公共用地先行取得等事業特別会計
土地利用再検討用地(内数)
7件4千平方メートル39億円
土地開発基金
保有用地
51件55千平方メートル76億円
土地開発基金
土地利用再検討用地(内数)
15件10千平方メートル39億円
合計
保有用地
321件631千平方メートル1,735億円
合計
土地利用再検討用地(内数)
29件21千平方メートル113億円

 一方,麻生区栗木地区においては,先端的な研究開発型の企業等に対して用地の分譲を行う,マイコンシティ事業を平成7年度から展開していますが,平成13年度末において,全体32区画(90,592)の約半分,15区画(49,686)の分譲が完了したにとどまっています。
 今後の土地問題に関する基本的な対応としては,「低・未利用地対策基本方針(平成11年2月策定)」に基づき,新規取得を抑制するとともに,買戻しを計画的に推進します。また,「再検討用地」等については,市民のニーズや社会経済情勢などを十分に考慮しながら有効活用のために用途の見直し等を行います。また,有効な利用目的が見出せなかった場合は,売却を含めた対策を講じていきます。
 土地開発公社の保有地については,公社経営健全化計画(平成12年9月策定)に基づき保有期間・保有総量の適正化などの対策を講じており,現在の状況は計画数値を超えた達成状況となっています。
 しかしながら,計画上の民間売却分の一部が売れ残るなど,必ずしも順調に推移していない部分もあります。
 また,同計画は平成17年度までの計画であることから,今後,内部検討委員会を設置し,新たな土地開発公社経営健全化計画の策定のために,現行計画のローリングを行うこととします。
 その他,マイコンシティ事業用地については,民間活力の活用を図るなど従来以上に多角的・積極的な分譲活動を進めます。

(10)その他の見直し

  • 自動車事故調査業務の委託【平成15年4月実施予定】
  • 消防署長公舎の廃止【平成15年4月実施予定】
  • 職員健康管理業務の見直し【平成15年4月実施予定】

(各任命権者及び健康保険組合で独自に行っている職員の健康管理事業の一本化)

  • 権限の下部委譲と事務処理の迅速化(事務決裁規程の改正)【平成15年度以降順次実施予定】
  • 健康保険料の職員負担率の見直し【平成15年度以降順次実施予定】
  • 職員寮(戸手・溝口)の廃止【平成16年度実施予定】
  • 八ヶ岳少年自然の家職員宿舎の廃止【平成16年度実施予定】
  • 教職員住宅の廃止【平成17年度実施予定】

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