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第1回 行財政改革委員会 議事録

  • 公開日:
  • 更新日:

日時

平成14年9月10日(火) 午後1時~午後3時

場所

第2庁舎5階502会議室

出席者

委員

飯田委員,大森委員,川崎委員,佐藤委員,中島委員,藤原委員,松本委員,三好委員,八木委員

市側

市長,東山助役,奥川総務局長,瀧田総合企画局長,楜澤財政局長,河野教育長

砂田行財政改革推進室長,木場田行財政改革推進室参事,中山行財政改革推進室参事,曽禰企画部長,伊藤財政部長

議題

行財政改革プランについて

公開及び非公開の別

公開

傍聴者

9名

議事

砂田行財政改革推進室長
 ただいまから,川崎市行財政改革委員会を開催させていただきます。
 はじめにお断り申し上げますが,本日の委員会は公開とさせていただきます。マスコミの方々の取材を許可しておりますので,ご了承いただきたいと存じます。
 それではまず,阿部市長から委員の方々に委嘱状を交付させていただきます。

委嘱状交付

砂田行財政改革推進室長
 それでは,お手元の次第にしたがいまして,委員会を進めさせていただきます。まず,阿部市長から皆様にご挨拶を申し上げます。

市長
 川崎市長の阿部孝夫でございます。
 大変お忙しい中,市の行財政改革委員会委員をお引き受けいただき,ありがとうございます。また,本日はお忙しい中をお集まりいただき大変恐縮でございます。
 ちょうど1週間前に,私の目指す川崎市再生の方向と行財政改革に取り組む考え方をまとめました「行財政改革プラン」を公表し,市議会の本会議で説明をさせていただいた次第でございます。川崎市の財政は大変厳しい状況でございまして,特に今後何年間かを見通しますと,これまでの財政運営をそのまま続けていくとすれば,平成18年度には赤字団体,財政再建団体に転落してしまうのではないかという試算結果がでました。だいぶ前から厳しいというのは分かっていましたが,実際に改革プランを策定する前提として財政状況をつぶさに検討しました結果,その年その年の収支をつぐなわせるやり方が限界にきていることが明らかになりました。税収も横ばい状態であったのですが,このところ安定していた固定資産税まで下がってきているという状況でございます。ご存知のとおり土地の値段も下がっている,それから株価も下がってきているという状況でございまして,税収については伸びがあまり期待できない,そういう状況になっております。
 本市は政令指定都市移行以来約30年間恵まれた税収を財源といたしまして,いろいろな政策を実行してまいりましたが,この経済の停滞でございます。事業を伸ばしてきた結果,特に直営事業を多くして事業を実施してきた結果,ただ単にその負担が重くなったというだけではありません。ご存知のとおり公務員の給料というのは,生活保障のために毎年上がるという仕組みになっております。今回初めて,国の人事院勧告,市の人事委員会勧告でマイナスを勧告しまして,給料がダウンするという状況になりましたが,年齢が高くなるとそれに伴って人件費が高くなるという制度でございまして,民間におけるリストラ等大変厳しい状況とはかけ離れた感があるというのが実態でございます。人事委員会勧告も実際に働いている人同士の比較でございまして,失業者は入っておりませんので,その辺が社会の実感と人事委員会勧告での水準とに認識のズレがあるのではなかろうかと思います。また,不景気になっても建設工事事業を続けてまいりましたが,その借金の返済,地方債の償還がかなり重い負担となってきておりまして,全体構造としてこれから安定した財政運営をできないという事態に立ち至ってまいりました。
 このままの行政を進めていきますと,近い将来には現在の市民負担のままでは,今のままの市民サービスを維持できないという事態になっているわけでございます。そういったことから,川崎市の行財政を再生させて,そして民間の活力を引き出していくためには,ここで思い切った改革が必要であるとの認識のもとに,今回の行財政改革プランを策定いたしました。当初の予定では5月か6月位に案を発表し,各方面からご意見をお伺いして最終的な案にまとめたいという考えでござまいました。しかし,実際にはもっと厳しい状態であることが分かりましたので,とにかく事務当局においてしっかりした案を作りまして,そして単にご意見を伺うというよりも,市議会に報告をして,政策決定の責任をもって議会の方々にご判断をしていただきながら進めていくという方策に変更し,9月3日の本会議において説明させていただいたところです。
 当初の予定では,この委員会ももっと早く立ち上げてご意見をお伺いする予定でございましたが,このような理由で行財政改革委員会の発足も今日になったわけでございます。したがいまして,この委員会は皆様方のご意見をお伺いしながら,片方では市議会ともフィードバックしまして,そしてまだ煮詰まっていない部分について十分に煮詰めながら先に改革を進めていくという考え方に基づいているものでございます。そして発表しました行財政改革プランは,それ自体を文章面で変更するという考えはございませんで,変更が必要なもの,あるいはご意見をお伺いする必要のあるものについては,もう既にプランの中に書いてございます。したがいまして,プランの内容をお読みいただいて,そして皆様方のご意見をお伺いしながら,具体的に改革を進めていくという形になろうかと思います。
 行財政改革プランは,行政体制の整備と事務事業の見直し,市民サービスの再構築の3本柱で構成しております。そして3つの項目につきまして,それぞれ対応の仕方が若干違っております。内部改革につきましては,責任のある市長の立場でもう既に実施計画的なものを詰めております。これは市長の責任で改革を進めていくという形になろうかと思います。もちろん,その間に皆様方のご意見もお伺いするということでございます。それから事務事業の見直し等につきましては,最終的には予算等議会で決定していただかなければならない事項がございますので,プランの内容そのものが,実施計画的なものと今後の指針を書いたもの,問題提起にとどまっているというものが混在しておりますので,そのへんのところをご理解いただいて,ご審議を賜りたいと思っております。
 この改革は,お示ししているプランをご覧いただければお分かりになると思いますが,大変厳しい内容となっておりますし,財政もお尻に火がついている状況で進めておりますので,どうぞ忌憚のない意見をお願いしたいと思います。口当たりの良い意見だけでは,改革を実行していくことは不可能でございますので,本音でご議論いただければと思っております。改革の期間は当面3年間,そして7年後には収支が均衡になるという計画でございまして,ここで出されたご意見を参考にして,また議会の最終決定に持ちこみながら着実に改革を実行していくということでございますので,どうぞよろしくお願いいたします。大役を皆様方にお願いするわけでございますが,どうかご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げまして,冒頭のご挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

砂田行財政改革推進室長
 改めて各委員の方々のご紹介をさせていただきます。

委員紹介
市側出席者紹介

砂田行財政改革推進室長
 それでは,議事に入りたいと存じます。
 まず,委員会の議事を行う座長を委員の方々の互選により選出いただきたいと存じます。いかがでしょうか。特にご意見が無いようでしたら,事務局に案がございますが,いかがでしょうか。

異議なし

 事務局といたしましては,千葉大学の大森先生に座長をお願いしたいと存じますが,いかがでしょうか。

異議なし 拍手

 大森先生よろしくお願いいたします。
 議事に入ります前に,大森先生に座長就任のご挨拶をいただきたいと存じます。

大森座長
 先ほどの阿部市長のご挨拶を伺い,川崎市の再生に並々ならぬご決意だと拝聴いたしましたが,改革はいろいろな方々,市民の皆様方の痛みを伴いますので,従来のやり方を変えることはいろいろな意味で大変なことであると思います。私自身は微力でございますが,先生方のお知恵,ご協力をいただきまして,相当程度時間との勝負になりますが,忌憚なく意見を述べて欲しいとのことですので,私どもなりに知恵をしぼって,なんとしても川崎市の再生目指してお役に立てればと思います。
 私自身は,川崎に暮らしている人間ではございませんので,人様の所にきて意見を述べることは,本当は異例なことでございますが,市長の今回の一連の改革につきましては,私も若干千葉県等でお手伝いしていることもございまして,ご縁かと思われます。そして,何よりも川崎に暮らしている方々がご自分たちの将来に向かって何を直せばよいのかということについて,私自身は積極的にサポートしてまいりたいと存じます。

砂田行財政改革推進室長
 ありがとうございました。それでは,これからの議事進行は座長の大森先生にお願いしたいと思います。

大森座長
 それでは,次第に従いまして,すでに一度目を通されているかも知れませんが,初回でございますので,今回の改革プランにつきまして簡単にご説明いただきまして,市長さんがおいでいただく間に,できれば若干の質疑をさせていただきたいと存じます。それでは,プランの説明をお願いします。

木場田行財政改革推進室参事
 
資料1 行財政改革プランについて 説明

大森座長
 
ありがとうございました。後ほど,この委員会の運営についてお諮りいたしますが,今プランについて説明がありましたが,今後このプランに則して市政が展開されると思いますので,市長さんのおられる間に,何かご質問等があればお願いします。だいたい2時10分くらいまで大丈夫だと伺っておりますので,どなたでも結構です。では松本さん。

松本委員
 プランをざっと拝見させていただいたのですが,やはり資金の収支についてだけしかご説明が無いのですね。どこの自治体でも一般的にそうですが,財政状態すなわちバランスの状態がどうなのか,というところのご説明が何もないのでよく分からないのです。市債や退職債務についても,その債務がどの程度あるのか,そして川崎市がどの程度の財産を持っているのか,そのバランスの状況がどうあるのかという点について,データはお持ちだと思うので,ぜひご説明いただきたいと思います。東京都の石原知事もバランスシートが大切だと常々おしゃっておりますので,ぜひそこをお願いしたいと思います。

伊藤財政部長
 本市では,平成10年度の決算からバランスシートを作っておりまして,政令指定都市の中でも非常に早く資産ストックも含めて公表しておりますので,今手元にございませんが,次の機会に提供したいと思います。

大森座長
 各委員の方にお送りしていただけますか。

伊藤財政部長
 分かりました。

大森座長
 これだけの大作業ですが,改革を推進する庁内体制はどのようになっているのか,市長さんにお聞きしたいのですが。

市長
 とりあえず,行財政改革推進室のスタッフで案をつくりまして,各部局とはフィードバックしながらやっております。いよいよ実施段階に入ってきますので,この行財政改革推進室が核になりまして,当面は平成15年度の予算編成に向けて,具体化できるものは具体化する,人事関係ですと組合との交渉なり,そういうことを着実に進めていくということになると思います。

大森座長
 行財政改革推進室が核となって全体を進めるということですね。

市長
 行財政改革推進室が核となって各事業担当部局と調整しながら,ここで出た意見を議会に報告して,それらを総合して方針を決めていくという形になります。

大森座長
 普通に考えますと,このように大きな組織を持っていると,局単位で見るとそう簡単に改革の方に目を向けてもらえないところも他の都市では多いのですが,川崎市は局を持っていますので局単位の自立性が強いでしょう。相当の求心力を作らないと改革は簡単ではありませんよね。

市長
 行財政改革に関する庁内の会議もつくっておりますし,そこで考え方を浸透させながら,局長を中心にそれぞれの担当者の所に浸透させていくと,そのようになると思います。

佐藤委員
 
今の関連の話で,今それぞれの部署で進めているというお話がございましたが,その進行状況がどういった形でここにフィードバックされてくるのか。もちろんある区切りのタイミングで,この委員会にも今このような状況で進行しているという報告があると思うのですが,それをどうご予定されているのかお聞きしたい。また,それぞれ検討されているセクションで有識者も含めた専門委員会を持っておられるはずなんですね。つまり,有識者とフィードバックしながら意見を展開されておられる,専門意見をとっておられることになります。そうすると,その専門家のご意見とこの委員会のいろいろな検討のプロセスあるいは方向性との整合性をどうするかという問題がでてくると思います。これは,後ほどの委員会の進め方の話になるのかもしれませんが,その点を市長としてどのようにお考えかお伺いしたい。

市長
 第1点目の進行状況については,一定期間ごとの区切りの段階で,まとめてご報告するような形になろうかと思います。まず,12月議会の段階で,ある程度補正予算なりの検討をするので,その段階である一定の形がでてくると思うんですね。その次は,来年度の当初予算の編成の時期になると思います。各事業部門で検討した結果についても,その段階で明らかになってくると思いますので,それをご報告しながら進めていく形になると思います。
 それから,特に福祉関係で今2つの検討会が進んでおります。地域保健計画と老人福祉の分野でございますが,その検討会とここでの検討結果をフィードバックさせていく必要があります。もちろん事務局を通じて意見が入っていきますが,やはり委員との間に意見の調整が必要になることもありうると思うんですね。その前にこの委員会とその専門委員会との関係をどうするかというのは,これからの進め方で,まだ確定的なものではありませんが,こちらの意見を入れて,それぞれの専門委員会できちんと対応していただくような方式になろうかと思います。
 議会との関係では今月の12,13日に代表質問があるのですが,今,質問通告に応じて答弁内容の調整を各局としております。今回は行財政改革に質問が集中しており,それに対する答弁作成の形で各局・部の考え方との調整をしておりまして,それを通じて考え方を浸透させている状況です。

大森座長
 佐藤委員がおっしゃった2番目の件は,非常に重要なことでございます。今までの経緯もあり,議会の議決を受けない前に行政計画としてあるものが相当個別にあると思います。それはそれなりのお考えで進められておいでですし,その諮問機関の委員としていろいろな方がお入りになっておりますし,従前の考え方を取ろうとされている部分もあると思います。しかし,今回市長さんがお出しになった改革プランに反する,あるいは相当矛盾するようなものをお考えになる場合は,やはり担当者がここにきてきちんと説明していただくことになるのではないでしょうか。そうしないと,市長さんの方でおやりになることもあるのですが,私どもは改革の哲学と具体的なプランに則して動いているものと考えているのに,他では全く違う方向で動いているということになりはなはだ不都合なことになります。やはりそういう場合は,しかるべき担当者がここに来て,どうして自分たちはそう考えるのか,考え方をきちんと説明していただく。あるいはもうひとつ言えば,市民に向かってきちんと説明していただかなければいけないと思います。そちらはそちらでどうぞなどという関係になっては,改革が全部めちゃくちゃになりますので,これにそぐわないものについては特段に説明がいるというぐらいにお考えくださると,私どもとしては非常に心強いなと思うのですが。

佐藤委員
 そぐわないというよりもむしろレベルの差というか程度の差ですね。意見の食い違いがでる可能性があるのではないかと思うんですね。

大森座長
 そこはある種の調整を行っていかなければならないと思います。

市長
 結局,予算措置が改革プランに基づいて行われることになりますので,仮にそれぞれのところで水脹れするような案を作って出したとしても,実際に実行出来ないということが出てくるという可能性があるんですね。その整合性はきちんと取るようにしていきたいと思っております。

佐藤委員
 市長さんから議会との関係についてお話がありましたが,今,市議会で行財政改革,当面の問題についていろいろなご質問が出ているということです。それに対して市長さんが,かなり具体的,確定的な答弁をされた場合に,いろいろと今後この委員会の方向と食い違いが出てくる可能性があるのではないかという感じもいたします。おそらく議会に対して答えをしないということはないはずでございまして,行政の首長としてはきちんと方向性を出される,確定的なものでなくても方向を出される,それが現段階でだされる市長の答弁と我々が今後検討する事項については時間的なギャップがございますので,その点のご説明をお願いします。

市長
 
議会に対する答弁でも,最終的にどのように具体的に判断するか決めてないものについては,まだ決まっておりませんという説明になります。したがいまして,ここで議論していて,まだはっきりとこういう方向で良いではないかという形で出てきてないものについては,議会でも,今検討中ですという答弁になると思います。

飯田委員
 このたび市民の立場として,生活者の立場としてお話をするということで,委員になったことを大変重く受け止めております。このプランは改革しなければならないという事実は本当によく分かる内容だと思います。私は前回の懇談会から出させていただいておりますが,前回は,それが市民にどれだけ伝わっていたかというところではまだ十分ではなかったと思うんです。今回のプランは,改革の方向性が示されており,そのことについて,もう決められている部分とこれから検討する部分とに分かれていますが,その決められた部分について,長野県の例ではありませんが,議会の意見と根本的なところで食い違ってしまうと議会ともうまくいかないと思いますし,この委員会自身も難しいと思うので,根本的な部分での合意というのが議会にとっても市民にとっても大事なことだと思うんですね。それでこの改革というのは,川崎のあるべき姿,これからどういう川崎をつくっていくのか,そういうこととすごく関係していると私は認識しております。
 地球温暖化とか循環型社会というようなことが,今世紀になって非常に声高に言われております。そういうこととの対応ですね。必ずしも市場ベースで動いたりしないし,非常に難しいところがあると思うのですが,その辺をどのようにやっていくのか。環境保全あるいは緑の保存をするということになれば,市の方が市場ベースではなくて良いということもあるわけで,それが公共の役割であったということもあったと思うんです。そこのところをこれだけしか財源がないのだから,これだけのことしかできないということについて,何と何をやって何をやらないのかということの市民同意ということが一番大事だと私は感じているのですね。そうするとみんなは大きな理念を共通に持てば,そのためにはこういこうよと,あるところですっといくと思うんですね。その辺をどのように考えておられるのかお伺いしたい。

市長
 
それはそのとおりなんですね。ただ,市民の意見はタウンミーティング,ある意味ではこの人たちが代表者ですからね。この委員会でお伺いして,決定というわけにはいかないと思うんですね。そしてタウンミーティングも開きまして,大勢の市民の方のご意見をお伺いして,またインターネットなどにも意見が入ってくると思うんですね。そして,議会に対する質問の答え,あるいは再質問等々の議会とのやり取りの中で,多数の判断はどういうものかというのは確定的ではないにせよ,ある程度察知できる状態になっていくと思うんです。それを踏まえて予算なりなんなりではっきりと市長案と言うのを出して,最終的に総括的に議会として承認していただけるかどうかということになると思いますので,承認されないという状況はないようにしていきたいと思います。やり方としては対立が残った状態では提案はできないと思いますので,かなりの点で賛成していただける,あるいは賛成とはっきり決まっていなくても市長の判断に任せるという形になったものについては,提案をしてはっきりと決着をつけていくという方式になると思います。長野県みたいな形にはならないと思います。

川崎委員
 このプランを拝見させていただいて,私は行財政に関しては全くの素人なのですが,分かりやすく出来ているなと感じております。それでひとつ気になる点は,こうして借金を減らして赤字を少なくする,あるいはなくすということは非常に大事でやらなくてはいけないことで,市全体で考えたときにこれはマイナスをなくすということです。一方,プラス側を考えれば,都市の力を付けると言いますか,そういったプランというかビジョンのようなものも全体のフレームとしては必要だと思うのですが,それがどういう場で出てくるのかということです。もうひとつは意見というか今後この場でやっていくことかと思うのですが,市民の生活において,具体的に何がどう変わっていくのかについて,さらに分かりやすい形で示していかなくてはならないのではないかという気がしています。

市長
 川崎がどういった町になっていくのかということなんですが,ひとつは例えば人件費を減らす,職員の数を減らしますね。民間に委託することによって減らせるものが相当多くあるんです。ですから直営をやめて委託方式に切り替えることによって将来の財政負担を軽くしていくと,民間の知恵を働かせること,民間の雇用が増えていくということになっていきます。民間の力で全体のバランスがとれた運営をするということになる。そして,役所が何でも抱えてやると言うのではなく,民間の知恵が生きたような町になっていくというのがひとつ。それからもうひとつは,全体として収支バランスを取るために削減していく金額というのは,全体の一割くらいなのですが,残りの9割の選択で重要なもの,例えば高齢者対策とか保育所とかあるいは民間の活力が引き出せるものについては,金額はそんなに動かなくても重点的に対応していくという形で,全体として民間の力でもって川崎が再生していくような方向付けを基本ベースとして考えております。それと政策判断としては,学校の改築とかやるべきものについては,どんどんやっていかなくてはいけませんしね。それから緑を増やしていくとか,今まで失ってきたものについて回復したり,メリハリをつけていきたいと考えております。

大森座長
 ここは行財政改革がテーマですが,市長さんとしては,総合計画,基本構想の策定も同時に始められるご予定でしょうか。今の川崎さんのお話はそこに関係していくと思うのですが。全体としての政策を打ち出すということで。

市長
 
改革期間に将来にわたってやっていくという政策まで全部切って行くというわけではございませんで,改革期間は我慢していただくということになりますが,その先いろいろな政策は,総合計画の中に長期的なビジョンとして書き込んでいくという形になります。ただ,今同時にやりますと,それと改革がどういう関係にあるのかということが分かりにくく,当面は改革に力を入れるということですので,総合計画の方が見えにくくなっております。

大森座長
 
川崎さんが2番目におしゃっている,実際に改革をやったときに具体的に市民の生活にどう影響があり,どう変化していくかという点で一番大きいのは,市民サービスの再構築のところです。個別事業を見直していったときに,例えば,今までいろいろな意味で現金給付風なものを貰ってきた人が,変化が起きたときにどうなるかというような,多分具体的な話が出てくると思います。ある方々の生活環境がどう変わるのか,ということについて出来れば分かりやすく示すことが大事ですよね。変わらなければならないことは変えていただくのですが,変わった時にこうなるんだということを分かりやすい形でお示しいただきたいと思います。多分ご担当の方もお考えになると思いますので,何かの機会にお忘れにならないで,どうなるのかとまた聞いていただければと思います。

市長
 
今,議論になっているもので,学童保育いわゆる留守家庭児事業ですが,それをわくわくプラザとして学校単位で子どもの面倒を見ますと,切り替えようとしているのですが,実際に今子どもを預けている人は非常に恩恵を受けている。別な方に切り替えるというと,今まで恩恵を受けてきた人は猛反対なわけですね。既得権が奪われる形になりますので。それをもう少し広い形で大勢の方の利益になるように切り替えようとすると,利益を受ける人と今までの既得権を奪われる人は別な人になると思うんです。全員に良いものというのはできませんので,その辺の判断が非常に難しいことになっていくと思います。ですからどういう影響が及ぶかというときに,特定の一定の方に影響が及びますという説明がなかなか・・・・。全員に対して公平にどうするかということですので,従来のでこぼこをならす作業をしなくてはいけないということです。

大森座長
 それではここで10分ほど休憩を取りたいと思います。

休憩

大森座長
 
今後の委員会の運営につきまして,いくつかお諮りしてご了解をいただければと思っております。まず,資料2の設置要綱についてご説明をお願いします。

中山行財政改革推進室参事
 
資料2及び資料4について説明

大森座長
 まず,要綱につきまして何かご質問があればお願いいたします。最初に事務局から説明のありましたとおり,この委員会は公開でございます。議事録をとっておりますので,議事録も公開ということになると思っております。それは,川崎市の基本方針でございますので,私どももそれに従うということです。この件はよろしゅうございましょうか。

佐藤委員
 これを見ますと委員会の開催は4回くらいと考えてよいのでしょうか。それとも,この間に何回か入ると考えて良いのでしょうか。と申しますのは,プランの各条ごとにやるのではなくても,これだけの量をこなすためには,かなりの頻度でやらなくてはいけないと考えていたのですが,回数がこれだけで本当に消化できるのでしょうか。座長さんのご意見を伺いたい。

大森座長
 この回数になっている理由について,私の理解で申しますと,基本的に市長さんが改革プランをお示しになっていますので,私どもは必要に応じて,各局が改革プランの内容に則してどういうふうに動き始めているかというポイントについてお聞きする形になると思います。この改革プランそのものを1章からすべて検討することを前提にしていませんので,それで当面はこの回数で動いてみたらどうかという事務局の判断だと推測するのですが,事務局の方はいかがでしょうか。

砂田行財政改革推進室長
 大きく節目ごとということで,4回を予定しておりますが,その間各局の動向,またいろいろな大きな計画,先ほども議論に出ましたが他の委員会である方向が出てきたというケースがありましたら,場合によってはこの間で委員の方全員が無理だとしても,部会的な開き方,あるいは資料を配布しまして皆様に持ち回りでご意見を伺って次回に集めるとか,手法については座長にご相談したいと思いますが,この4回に必ずしもこだわらないで,この中間的なケースというのも場合によってはあり得ると考えております。

佐藤委員
 基本的には,例えば行政が議会に説明した内容とか,それをそれだけで見ても相当のボリュームになるだろうと思います。そうするとその報告の説明を受けながらそれに対してコメント,皆さんのご意見をまとめていくということになると,これでは相当足りないのではないかと。もっと包括的に,総論としてのコメントしかこの委員会ではしないというのなら良いのですが,各問題についてはかなり立ち入って,各条の構成まで見ていくとなると,おそらくこれでは全然足りないという感触がするのですが。

砂田行財政改革推進室長
 先ほど,座長からまた市長とのやり取りの中でもありましたが,市の我々の立場としてはいろいろな行革に関する資料,議会のやり取り,あるいは市民説明会でのやり取り,あるいはその他のいろいろな審議会などでの動きなどそういう資料についてはまとまりしだい委員の皆様のお手元にお届けするようにしたいと思います。集まっていただいてご議論いただくのか,もう少し部会的に行うのが良いのか,若しくは書面でご意見をいただいて集約するのか,そのやり方については,すべて12人の方全員がご出席という前提ではないやり方も含めてやりたいと考えております。いずれにしても,資料はこまめに皆さんにお届けし,ご意見を伺うということはやりたいと考えておりますのでよろしくお願いいたします。

大森座長
 いまのことは非常に大事なことで,運用に係わることですが,これだけのたくさんのメンバーですので,ご都合の悪い委員さんもでてくると思います。できるだけ委員会にかけるための資料を事前にご用意いただいて,場合によっては大変でしょうがご説明に伺ったうえで,欠席される場合はもしご意見があれば事務局に伝えていただき,委員会にはメモでも,必ず委員会の席上で委員の方全員が見ることができる。という運営になると思いますので,そんなことを含めましてとりあえず1,2回させていただき,ご意見があれば運用についてご相談申しあげていきたいと思います。

飯田委員
 資料について委員会の前に送っていただければ,例えば議会でこの議会は行財政改革について質問が集中していると聞いているのですが,そういう対応とかを出来れば送っていただければ委員会に反映できる。委員会が効率的に運営できると思います。

大森座長
 設置要綱について何かお気づきの点はよろしいですか。

松本委員
 佐藤委員と同じ質問になるかと思いますが,この委員会は任期1年ということですが,9月に始まって2月で終わりと,予算を出したら終わりですよと,そういう委員会のように見えてしまうんですね。これだけのプランがあって,15年度予算を出したらおしまいですよというのでは,この委員会の設置目的はいったいなんなのかなというのがよく分からなくなってしまうんですね。その点は先ほどの市長のご挨拶ですと,3年以内に目途をつけて7年で完成するのだと,そのためにこの委員会を作ったんだというお話がありましたが,15年度の予算で終わりですよというのでは話が違うと思うのですが,その辺はいかがなのでしょうか。

大森座長
 委嘱の形式が1年だということだと思いますが。

砂田行財政改革推進室長
 実は要綱にもありますように,再任を妨げないということを前提にしております。委嘱という形式をとっており,あまり長期間というのもいかがなものかと考えまして,最初のスタートの段階で半年くらいで相当の方向性が見えてくるのではないか。あるいはこのプランの中でも市民サービスという一番重要な部分も,この1年の間に方向を決めたいと事務局としては考えております。ただ,今おっしゃったように全体では3年の計画でございますので,当然再任ということも考慮にいれております。

大森座長
 任期1年というのは今日から始まって9月までということですよね。

木場田行財政改革推進室参事
 今,誤解を受けたのは,当面2月中旬までのスケジュールを書いておりますが,任期についてはこれから1年間という点だと思われます。やはり議論していく中で,このメンバーで御議論いただいたほうが内容の深い議論ができるということであれば,もちろん再任は妨げないという項目もございますので,そこは審議状況を見ながら決定をしていきたいと考えておりますので,そのようにご理解いただきたいと存じます。

大森座長
 1年ですので,私どもは今日お受けして来年の9月までですね。今日のスケジュールは当面のスケジュールですので,もし仮にこれだけですと,2月以降は委員でありながら何も会議を行わないということになり,それはあまりにも不自然なので,松本さんにおかれましては,ご心配ないと思います。ただ,どの程度の頻度で行うか,先ほど佐藤さんのご意見にもありましたが,1・2回議論させていただき,場合によっては部会を作る等の手法をいろいろ考えさせていただけますか。その時にまたご相談申し上げさせていただきます。ただ若干どういうことをスケジュールに組んでいるかを皆さんにお示ししませんと皆さん方も何をいつの段階でやるのかわかりませんので,たぶんそのことをご心配いただいているのだと思います。私ども少なくても1年は任期がありますが,設置要綱の趣旨を先程の説明のように理解してよいのではないかと考えております。
 川崎市民にとっては,これだけの話ですので,やはり腰をすえて議論したいというご意向であるのは自然だと思います。

飯田委員
 委員会の役割として,要綱の第2条に明記されていますが,ただその前に,市長さんのお話のなかで,推進室が核となって,また議会との関係をうまくやりながらという話がありましたが,私たちは意見を述べるだけで,聞き入れてもらえないのかという疑問があります。そういうことはないと思いますが,審議会ですと,諮問を受けてそれに答申を出して,その答申を市長が受けるという形であるのに対し,委員会の役割というのは意見を述べることだと明快に書かれていますね。

砂田行財政改革推進室長
 大切なことで,先ほどの市長とのやり取りの中でも,それに関連する部分が出たと思うのですが,この委員会のひとつの特徴は市長がある部分について諮問して,それについて意見を述べるだけではなく,かなり広範囲に意見を述べることができる,逆に言えば行革という相当広い範囲について意見を述べるというかたちになっております。ですから,今後何らかの問題が出て,個別の諮問をするケースもあるかもしれませんが,市長からの個別の諮問に拘らずに,独自の意見がこの委員会を通して出されることも想定しております。それから,今の地方自治制度の中で,市長も先ほど申しましたとおり,予算案とか条例案という形で実現せざるを得ないという問題が相当多いということがございまして,最終的にはやはり市長が提案をし,議会が決定するという手順を踏むということになりますと,やはりこの委員会は市長に意見を言い,市長はこの委員会での意見を慎重に取り入れて案を作っていくという関係になるのではないかと思います。

大森座長
 私が気になるのは,座長を置くとありますが,座長に事故があるときはどうしたらよいのでしょうか。多分この要綱の構成ですと,その時は委員会の皆さんの中から臨時の座長を置いていただくということになるのでしょう。

砂田行財政改革推進室長
 座長がおっしゃったように,座長に事故があったこ時,または所用があるときは委員の方互選で暫定座長を選んでいただくということを想定しております。

大森座長
 関係者の出席を求め,意見を聞くことができるとあり,普通に読むと各局の職員の方が思い浮かぶのですが,この場合の関係者の範囲は広く考えていて良いのですか。必要と認めるとは,委員会が必要と認めた場合には,こういう人をお呼びして意見を聴くと考えて良いのですね。

砂田行財政改革推進室長
 おっしゃるとおりです。市の関係者,実際に行革プランを具体化する市の関係者が主になるだろうと思いますが,場合によっては委託等による民間部門の受け皿になるような方々や団体の意見を聴くということもあるのではないかと考えております。

大森座長
 本日第1回目の内容は,テープに収録されており,議事録が起こされると思いますが,議事録を確定して公表する段取りがいりますよね。傍聴に来られる方はどのような方がどのような発言をされたか分かりますが,望ましいのはこういう大事な会議をやっている模様をできるだけ議事録として公にしていくということであれば,なるべく早く起こしていただいて,ある段階で確定する必要がありますよね。それぞれ大事なご意見を述べていただくわけですので,御意見を述べた人にこの文章でよろしいと確認を得る必要がありますよね。テープを起こしたままの文章でもよろしいのですが,雰囲気による話し言葉と書いて伝わるのとは若干違いますので,内容を変えるというのは前提にしませんけど,若干言葉の端々に手を入れるというのはあり得ると思うんですね。私はしばしば失言するものですから,そこは書き言葉では伝えないほうが良いという場合もございますので,そういう手順についても第1回目をやったうえで,次回にどうするかということをご相談申し上げますので,できるだけ早めに作業を進めていただきたいと思いますが,それでよろしいでしょうか。

飯田委員
 先ほどの委員会の役割のところで,市長さんに意見を述べるとありましたが,この委員会は必ず市長が出席なさるという前提ですか。

砂田行財政改革推進室長
 今日,第1回の委員会で委嘱状の交付ということで市長が出席いたしました。行政サイドでは行財政改革推進本部というのが出来ておりまして,副本部長に東山助役が就任しております。実際には日程的な関係もありまして,市長が毎回というのは非常に難しいと考えておりまして,東山助役が市側の代表として出席するという予定になっております。委員会を進めていく段階で市長の出席が望ましいというケースがあれば,それはまたご相談したいと思っています。

飯田委員
 できれば市長さんに来ていただきたいと。希望です。

大森座長
 少し微妙な点がありまして,市長さんが必ずおいでくださって,場合によっては質疑に加わって下さった方が,明白になる内容もあると思います。しかし,やはり市長さんのお立場で,ある具体的な問題について発言されますと,それが市の責任者としての意見として伝わりますし,ここの意見を聞いた上で,熟慮して意思決定されるほうが良い場合もあると思います。私どもから見て,ある問題について一度市長さんから直々にどういうふうに考えているか伺いたいという場合もいずれ出てくると思いますので,市長さんが必ずしも毎回出席されないほうが,むしろ市長さんにとりましても,私どもにとっても,議論がしやすい場合がございますので,適宜判断させていただきたいと思います。しかし,必要が生じたら,事務局と相談させていただいて,次回30分で良いから市長さんの出席をお願いしたいと,私どものほうから要請することもあり得ると,そういうような運び方でいかがでしょうか。

飯田委員
 お忙しい方ですので,皆さんがそれで良いとおっしゃるのでしたらそれで結構です。

佐藤委員
 おっしゃるとおりだと思います。むしろ市長に出席いただかないほうがよいのではないでしょうか。市長さんには,この委員会の意見を参考にして,最終決定していただいたほうが,良いのではないかと思われる点が多いと思います。

大森座長
 もうひとつ,市長が先ほども1・2回発言されておりましたが,やはり議会の方々が最終的にいろいろなことをお決めになりますので,この委員会で市長さんが具体的にやり取りをすると,この委員会が事実上の意思決定機関に近いという印象を与えてしまうことも,市政全体の運営にとっては本当に望ましいことかという点も疑問でございますので,適宜判断させていただくということで他の委員の皆様よろしいでしょうか。

異議なし

大森座長
 この行革プランは,すでに情報公開されているものなのですか。

砂田行財政改革推進室長
 公開されています。プランについてはホームページでもすでに公開しております。

大森座長
 市長さんの考え方を,以前にちょっとお手伝いしたときにも,できるだけ市民にはいろいろな情報を出していきたい,そしていろいろな意見を貰っていきたいんだ。ということですので,基本は,全部公開していくというお立場なのではないかと理解しています。ですから,少なくてもここに出された資料は全部公開していただく。会議も議事録も全部公開していただいて,幅広くいろいろな方に議論を巻き起こしていただきたい。そういうことだと思います。
 運用につきましては,何か出てきましたらご相談申し上げながら,できるだけ自由闊達なご意見が出せるような運営にさせていただきたいと思います。

中島委員
 行革プランの一番最後の72ページの3番に市民の皆さんのご意見を直接伺いますとありますが,日程は分かるのでしょうか。

中山行財政改革推進室参事
 本日お配りした資料の一番最後に,タウンミーティングのチラシを置かせていただいていると思いますが。

中島委員
 わかりました。

大森座長
 それでは,本日の委員会は以上とさせていただきます。ありがとうございました。今後よろしくお願いいたします。

砂田行財政改革推進室長
 ありがとうございました。それでは最後に東山助役からご挨拶を申し上げます。

東山助役
 本日は,委員の皆様には何かとお忙しいなか,第1回の行財政改革委員会にご出席いただきましたことを改めて厚く御礼申し上げます。市長も申しておりましたが,危機的な財政状況下において,真の川崎市再生を目指していくためには,今回の改革プランの実施が不可欠であると考えております。先程,委員の皆様の真摯なご討議を拝聴し,身の引き締まる思いでございます。これからは,市長をリーダーとして,職員と共に汗をかき全職員の英知を結集して,改革を確実に推進していかなければと決意しているところでございます。皆様には,限られた日程ではございますが,幅広い御意見をいただきながら,市民が主役の「活力と潤いのある市民都市,川崎」の実現に向けて改革を推進してまいりたいと存じます。大役をお願いすることとなりましたが,どうかよろしくお願い申し上げます。
 本日は,大変ありがとうございました。

散会

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