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第6章 市民サービスの再構築

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 ここでとりあげる「市民サービス」とは,前章の「公共公益施設・都市基盤整備」で説明したハード・ハコモノ整備を除く,川崎市が実施している「ソフト系事業」を対象としています。小・中・高等学校教育,生涯学習事業,住民窓口サービス,ごみの収集・処理,住民健康診査,国民健康保険,介護保険事業,保育事業,各種医療費助成制度等,川崎市が実施している市民サービスは,極めて広範な領域に及んでいます。
 市民サービスの多くは,既に述べました「行政体制の再整備」(内部改革)や「公共公益施設・都市基盤整備の見直し」(大規模事業等の見直し)とも密接に関連しており,市役所の仕事すべてが何らかの形で市民サービスの提供につながっています。そこで,これら相互関係に配慮しつつ,市民生活に大きな影響を与える保健福祉,生涯学習,ごみ収集,区役所サービス等について,具体的に言及して市民サービスの再構築についての考え方を示すこととします。

1 基本的な考え方~共創的市民福祉社会の実現に向けて

(1)現況と課題

 過密問題,都市問題,公害問題等さまざまな社会問題に直面してきたこと,豊かな財政構造に恵まれてきたこと,また,東京都と横浜市に挟まれて都市間競争をしてきたことなどを背景に,川崎市は,高度成長期を中心に,全国屈指の「質・量・速さ」をもって市民サービス施策を展開してきました。主な市民サービスを列挙すると,次のとおりとなります。

  1. 小学校の二部授業の解消に苦慮していた昭和20年代前半から整備を進めた公民館を拠点に実施した社会教育(昭和34年には既に100を優に超える成人学校の講座数で展開)
  2. 昭和36年からモデル実施し,44年に実現したごみの毎日収集
  3. 昭和45年からわずか10年間に42カ所(最大整備は年8カ所)整備を図った公立保育所
  4. 昭和47年から国に先駆けて実施した70歳以上の高齢者の医療費助成制度(国が一定所得未満の70歳以上の医療費助成を実施した後,昭和53年からは67歳以上に対象年齢を引き下げて実施)
  5. 昭和48年から本格的にスタートした「老人いこいの家」(現在46カ所)と「こども文化センター」(旧青少年会館としては昭和36年から。現在59カ所整備完了。付帯事業として,留守家庭児事業を無料(おやつ代等の実費を除く)で実施)の整備
  6. 昭和49年から実施した高齢者を対象とする敬老特別乗車証交付事業の実施等

 これらの市民サービスは,まさに全国に誇るべき川崎市の単独・上乗せ型の施策展開でした。ところが,各施策が集中的に実施されてから30年あまりの時間を経た今日,これら諸施策にも多くの課題がみられるようになりました。
 それは,これらの施策をとりまく川崎市のサービス提供システムの特徴とわが国の社会構造の変化に密接に関連しています。

 既に何度か述べてきましたが,川崎市のサービス供給体制の特徴は,サービス提供の多くを市職員が直接担ってきたところにあります。公共部門にとって代わる民間部門が少なかったことや,川崎市職員の平均年齢が若く,給与水準も相対的に低かったことを考えれば,高度成長の時代においては,市職員がサービス提供を直接担うことにも,一定の経済合理性がありました。しかしながら,時代の変遷とともに,成熟した民間部門が存在するようになり,他方で職員の高年齢化が進み,そのなかでも年功序列型の賃金体系を基本的に維持していかなければならないといった現行の公務員制度下においては,むしろ,市職員によるサービスの直接提供は,画一的・硬直的でかつ非効率になりがちな傾向にあります。

 保健福祉分野から保育サービスについて考えてみると,公立・民間にかかわらず,ほぼ同一なサービスが求められる認可保育所の運営に関し,平成12年度決算における川崎市の保育所運営経費は,国が定める運営経費に対して,公立保育所のそれは2.3倍に及んでいるものの,民間保育所では1.4倍にとどまっています。ちなみに,延長保育・乳児保育・障害児保育等の実施状況については,基本的に公立・民間で大きな格差は存在しません。さらに言えば,延長保育については昭和57年度に10ヵ所の民間保育所が午後7時までの延長保育に取り組みはじめたのに対して,公立保育所が延長保育を本格実施したのは平成10年度以降という状況でした。
 普通ごみの収集に関しては,川崎市では週4日の収集体制となっていますが,他の指定都市では,週3日収集が3市,週2日収集が8市となっています。しかも,こうした市民サービスを市職員が直接担ってきたことによって,川崎市の職員配置は他都市に比べて格段に多くなっています。また,使用するごみ収集車両にもよりますが,市職員が3名乗車して普通ごみを収集している現在の体制は,一般的には2名乗車で普通ごみを収集している民間事業者と比べれば,その給与水準の高さとあいまって,かなり割高になっていると考えられます。
 また,事業系ごみについては,廃棄物処理法や市廃棄物条例により法的にも事業者の処理責任が明確となっているにも関わらず,許可業者収集の事業者と市が手数料を徴収して収集している事業者は合わせても13%にも達しません。残りの87%以上の事業者については川崎市が実質的に無料収集していることにより,最終的な市民負担が大きくなっています。

 生涯学習(社会教育)に関して言えば,平成13年度における各市民館講座関連経費約2.7億円のうち,約80%の2.2億円を講座の企画・運営に携わる市職員の人件費(講師謝礼は含まない)が占める状況となっています。
 市民の生涯学習意欲の向上や成熟にともなって,生涯学習事業の企画運営は,既に市民自らが担うことも十分に可能であり,また,講座を受講している市民のなかには講師として十分な力量を発揮できる方々がおります。加えて,生涯学習関連講座のなかには,個人収益や便益に供し,民間事業者がかなり以前から事業展開してきている資格取得型の講座も見受けられます。

 一方,少子高齢社会の到来というわが国の大きな社会構造の変化が,これまでの市民サービスのあり方に根本的な見直しを求めているのも事実です。既に述べましたとおり,少子高齢社会においては,過去のような経済成長に伴う自然増収や税財源の充実が期待できない一方で,サービスの需要者としての高齢者が急速に増加していきます。このために,それに要する財源を着実に増やしていくとしても,現行の市民負担では,これまでのサービス水準すら維持できないという厳しい事実があります。
 しかしながら,むしろ,それよりも大切な点は,社会における高齢者の役割や高齢者に対する期待の変化にあります。かつては,社会の少数者として,現役から引退したことにより,社会から感謝の念を持って,慰労されるような立場であった高齢者は,今の時代においては,その豊富な知識・経験や,現役世代に比べて恵まれていると言われる資産や生涯所得,市民全体に占める高齢者割合の高さといった各点から,社会を支える主人公そのものとしての活躍が期待されています。
 高齢者の特徴は何よりもそれまでの人生経験を反映した多様性に求められます。生涯現役を貫いて現場で働き続けたい高齢者の方がおられる一方で,社会生活をリタイアし悠々自適の生活を送りたい方,健康に恵まれず,地域社会全体での包括的なケアが必要な方もいます。
 また,これまでに築きあげた資産と所得で豊かな生活を送ることができる高齢者がおられる一方で,さまざまな理由で年金等,極めて限られた所得のなかから,家賃を払いながら,身よりなく生活を送らなければならない方もおります。現在は,これら高齢者の多様なあり方と意向に応じて,的確に市民サービスを供給することが必要となっています。
 単に加齢を要件として提供されてきた保健福祉サービスや現金給付に類する事業,国の制度自体が改正されたものなどに対しては,これまでの単独・上乗せ型の施策を見直す必要があります。

(2)今後の方向性

 少子高齢社会における市民サービス再構築の理念として,川崎市は「共創的市民福祉社会の実現」を掲げます。すなわち,「市民が共に創る福祉社会」という市民サービスの原点に立ち返って,市民サービスが

  1. 真に必要としている人に届くこと
  2. 必要とされるサービスが届くこと
  3. 必要な時に迅速に届くこと
  4. 必要な範囲で届くこと
  5. 適正なコストと負担で届くこと
  6. 気持ち良く届くこと
  7. 多様な提供主体から選択できる形で届くこと
  8. 安定的かつ持続可能に届くこと
  9. 必要によっては市民自らが提供主体となって届くこと

をサービス供給の理念と考えます。

 この理念に基づいて厳しい財政状況においても,川崎市は市民サービスの充実・強化をはかります。とりわけ,市民生活の重要なセーフティネットとして市民に直接届く必要のある扶助費等の費用に関しては,少子高齢社会の進展にあわせて,今後も着実に支出総額を増していきます。
 しかしながら,とりわけ,これまで以上に質の高いサービスを多様に供給することが求められていることや,サービス供給に際しては,今まで以上に効率性と迅速さが求められていること,また少子高齢社会において高齢者が主役として活躍できること等を重視し,具体的には次の4つを市民サービス再構築の柱に設定します。

ア 市民参画による地域主体のまちづくりを最優先の原則とします。

 川崎市の最優先の原則として,「地域のことは地域で決めて実行する」こととします。川崎市においては,市民が主役の行政運営に徹し,市民・家族,NPO,ボランティア団体,町内会・自治会,まちづくりクラブ等,多様な主体が自ら生き生きと活動する地域ネットワークをもっとも重視します。

イ 社会環境の変化に合わせて施策を再構築します。

 高度成長期に形成された施策に関しては,30年あまりの長い月日を経て本来の政策目的を果たしたものについては,新しい市民ニーズに対応するために廃止します。また,国等の制度改正があったものについては川崎市の施策との整合性やその影響等を考慮しながら,見直しを行います。

ウ 効率的・効果的な市民サービス供給システムを構築します。

 既に述べた行財政改革の基本的な考え方に基づいて,民間事業者,NPO等の創意工夫と供給能力を最大限に発揮できる体制づくりを行い,市場原理が的確に働かないものに関しては,市民にサービスが適正に届けられているかどうか,監視・指導することとします。

エ 公平性の観点に立って受益と負担の関係を適正化させます。

 市民サービスにおけるコスト意識を重視し,個々人の受益の大きさに相違がある場合には,それぞれの所得の状況に配慮しながら,受益の大きさに比例した費用負担を行うことが,公平性と適正な財源配分の観点から必要であるとの考えのもとに,受益と負担の適正化を図ります。

2 主な再構築施策

 具体的な市民サービスの再構築の実施については,現行のサービスを受けている市民の立場,サービスのコストを納税という形で最終負担している市民の立場などを考え合わせて,十二分に意見交換や審議検討することが,極めて重要です。合意が形成されるものから可及的すみやかに実施し,おおむね今後1年以内を目途に所要の結論を得て,市民サービスの再構築を進めていく予定です。

(1)市民参画による地域主体のまちづくり

 今まで以上のより積極的な地域主体のまちづくりを進めるために,市民が活動しやすい環境づくりに努め,市民の自主的活動と責任ある自己決定を支援する仕組みを再構築してまいります。
 また,そうした点を踏まえて,「地域における行政サービスの提供拠点」及び「区民と行政の協働の拠点」としての区役所の機能を強化してまいります。

市民参画による地域主体のまちづくりを目指すための諸方策

  • 市民利用施設のネットワーク化
    市民館を中核に,図書館やスポーツセンター,こども文化センター,老人いこいの家等の施設を,市民の生涯活動と地域コミュニティの拠点として位置づけ,市民に身近な施設を地域の実情に応じて,より有効に利用できるよう区役所を中心に運営を行い,関連施設のネットワーク化により多機能化し,有機的連携を図ります。
  • 市立学校施設の複合化・有効活用
    地域コミュニティの中心的な場的環境を持つ市立学校施設の物理的空間と時間的空間の有効活用を図るため,改築等に際しては福祉施設等の異なった機能の施設を合築することや,市民の自主的な生涯学習・生涯活動・地域コミュニティの場としての活用が図られるよう積極的・多面的な複合化を進めるとともに,既存の市立学校施設においても,余裕教室の活用や利用されない休日や放課後における市民活用を積極的に進めます。
  • 地域人材の積極的な活用
    これまで専ら行政が担ってきたサービス提供については,成熟した市民(ボランティアやNPOなど)の自己実現と社会還元を促すため,社会福祉や学校教育,生涯学習等に関して,新しいタイプの住民参加とコミュニティ活動の支援とネットワーク化を進めるとともに,市立学校においても地域の有意な人材の積極活用や,市立学校の教育環境を地域で有意義に活用することを進めます。
  • 地域子育て支援体制の確立
    地域における自主的な子育て機能の充実強化に向けて,子育て家庭への相談指導や情報提供,子育てサークル及び子育てボランティアの育成など地域特性に応じた支援システムを確立するため,教育委員会所管の「子育て広場」と健康福祉局所管の「地域子育て支援センター」等の地域子育て支援に関する施策の機能・体制を一元化するとともに,こども文化センターなどの地域拠点施設も活用した,専門的な立場からの子育てアドバイスが可能なような,きめの細かい子育て支援策の展開を図ります。
  • ITを活用した情報サービスの充実
    各施設に設置されている専用端末で行っていた手続きを,市のホームページを介して全国どこからでも可能となるよう,公共施設利用予約システム(ふれあいネット)の再構築や,行政情報等を一方的に提供することにとどまらない双方向伝達(電子会議室等)を構築するなど,市民と行政のコミュニケーションシステムを充実して,情報社会における新しい地域経営の視点からの市民と行政の関係づくりをめざします。
  • 区の機能強化
    ・区役所窓口の改善を進めるとともに,保健福祉やまちづくりの総合的対応が図れるよう,市民の視点に立ったサービス提供機能を強化します。
    ・道路や公園,市民利用施設などについて区民に身近な区役所で対応が可能になるよう,身近な業務に対応する機能を強化します。
    ・地域のニーズを反映した行政を推進するため,区役所の調整機能や企画機能の強化を図るなど,区民と行政を結び地域特性を反映させる機能を強化します。

(2)社会環境の変化に合わせた施策の再構築

 介護や支援等を必要とする方々のために,介護保険制度及び関連事業,障害児者対策,社会的子育て対策等を着実に充実させる一方で,元気な高齢者については,単に加齢のみを要件として保健福祉サービスの対象とすることについては見直します。主な再構築の検討対象事業例は次のとおりです。

社会環境の変化に合わせた施策の再構築例

  • 老人医療費助成事業
    少子高齢化の進展に伴い,受益者と負担者の構成が相対的に大きく変化しており,国の抜本的な医療制度改革が実行段階になっている状況の中で,市独自で対応してきた本事業については,本来医療制度は国により全国一律に保障される必要があるという考え方から見直します。
    他制度(被保護者は医療扶助,障害者は更生医療)により,真に必要な高齢者に対しては保障されている。
    横浜市には制度なし。
  • 長寿高齢者に対する敬老祝事業
    制度が創設された昭和30年代半ばと比較して,平均寿命は12~14歳延びており,また高齢化率も5.7%から17.5%と3倍を超える状況下にあって,祝金品の贈呈は,もはや本来の政策目標を果たした事業となっています。今後,緊急性・重要性の高い施策に財源を移転する必要があるという考え方から見直します。
  • 寝たきり老人等に対する介護援助手当
    在宅の65歳以上の寝たきり老人等に対する月額10,000円の手当の支給ですが,「家族介護から社会介護へ」という基本的な考え方から介護保険制度が発足したことに鑑み,基礎的自治体の金銭給付的事業のあり方という観点から見直します。
  • 生活保護受給者に対する夏期年末慰問金
    扶助費そのものや,他の公的制度(社会保険料,保育料,住民税等の減免など)の充実により,ナショナルミニマムは達成されているとの認識に立ち,経済的自立を促す「自助」の観点からも見直します。
    北九州,福岡廃止済
    (支給例)1人世帯夏7,300円,冬9,300円
  • 介護保険制度を補完するような経過措置的ホームヘルパー派遣事業
    介護保険制度の円滑な導入を図るために実施してきた過渡的な事業であるという認識に立ち,事業の時限性の観点から見直します。
  • 低所得者に対する生活資金貸付事業
    低所得世帯を対象に,病気や失業の際の生活資金として貸付を行ってきましたが,他の制度充実等に伴い市が本来的に実施すべき事業かどうかという観点から見直します。
    1世帯3万円(市長特認5万円)
    無利子,償還期間最大25ヶ月
  • 交通災害共済事業
    同種の民間保険・共済事業の充実と加入者減(加入率26.2%)により,制度を維持する必要性が薄れてきたことから,市が行うべき事業かどうかという観点から見直します。
    死亡130万円
    障害1.5~33万円
  • 市民保養所事業
    時代状況の変化とともに当初の設置目的も失われており,また旅行・保養については民間事業者が適切な価格で広範なサービスを展開していることから,市が本来的に実施すべき事業かどうかという観点から見直します。
    「民間と競合する公的施設改革」(平成12年閣議決定)の対象
  • 生涯学習事業(各種講座等)
    学習の成果が個人の資格取得や利益に帰着する講習等については,税負担の公平性とともに民間での受け皿が十二分に整備されてきたことなどから,市が本来的に実施すべき事業かどうかという観点から見直します。
  • 基本健康診査事業
    自らの健康は自らの責任において保持することを基本的な考え方として,行政の役割は主に広報・啓発に重点を置くよう転換し,本事業に係る選択検査等については市民自らの責任という観点から見直します。
  • 三田・向丘診療所
    北部医療施設の整備に合わせ,施設の必要性について抜本的に見直します。
  • がん検診センター
    医療機関の充実・所期の目的を達成したこと等から事業の時限性という観点から見直します。
  • 民間福祉施設等の運営
    運営に要する経費負担について,公立施設とともに,国基準との関係から見直します。

(3)効率的・効果的な市民サービス供給システムの構築

 市民サービスの提供のために活用してきた直営方式を,行財政改革の基本的な考え方に照らして,次に掲げる事業等を例として見直します。特に,生涯学習の各種講座については,職員が中心となって企画運営を行うという手法から,成熟した市民が中心となって自ら講座の企画運営を行うように改めます。

効率的・効果的な市民サービス提供システムの構築の例

  • 明望園(身体障害者授産施設:直営)
    施設改築時に合わせ社会福祉法人に委託する方向で見直します。
  • 陽光園(知的障害者授産施設:直営)
    施設改築時に合わせ社会福祉法人に委託する方向で見直します。
  • しいのき学園(知的障害児施設:直営)
    施設改築時に合わせ社会福祉法人に委託する方向で見直します。
  • 恵楽園(養護老人ホーム:直営)
    社会福祉法人等に委託する方向で見直します。
  • ヒルズすえなが(母子生活支援施設:直営)
    社会福祉法人等に委託する方向で見直します。
  • 三田あすみの丘(介護老人保健施設:直営)
    社会福祉法人等に委託する方向で見直します。
  • わーくす(授産施設:直営,一部民間委託済)
    市直営の6ヵ所の施設については順次社会福祉法人に委託する方向で見直します。
  • 市立葬祭場(直営)
    南部葬祭場の整備に合わせ委託化する方向で見直します。
  • 公立保育所(直営)
    保育基本計画に従い,改築時等に民営化を推進します。
  • こども文化センター(児童厚生施設:直営)
    財団法人に運営を委託化するとともに,児童館機能に加え,地域の市民活動支援の拠点機能を付加するなど,市民ニーズに対応した柔軟なサービス提供をめざします。
  • 生涯学習事業における各種講座等(直営中心)
    引き続き行政が関与すべき事業についても,可能な限りNPOや市民の自主的な参画等による効率的な運営と活性化をめざすとともに,既存公共施設の有効活用や通年開館による市民サービスの向上を図る方向で見直します。
  • 事業系ごみの収集
    民間許可業者による収集の方向で見直します。

(4)公平性の観点に立った受益と負担の適正化

 コスト意識を重視するとともに,受益に係る社会的な公正・公平の観点から,真の必要性を考慮しない一律的なサービス提供を見直します。個々人の受益の大きさに相違がある場合には,それぞれの所得の状況に配慮しながら,受益の大きさに比例した費用負担を行うことが,公平性と公正・適正な財源配分の観点からも必要であることから,次に掲げる事業を例として見直します。

公平性の観点に立った受益と負担の適正化の例

  • 高齢者に対する敬老特別乗車証交付事業
    高齢者の社会参加促進策の一環として実施してきた事業ですが,現行のように70歳以上の方々に,その状況と無関係に一律無料で配付する方式を,本人の選択制や応能負担制などの方式を含めて見直します。
  • 福祉措置による特別乗車証交付事業
    交付対象者である生活保護受給世帯や児童扶養手当受給世帯,心身障害者等については各々の福祉目的ごとに制度が充実してきており,バス乗車証無料交付の意義・必要性を検証する必要があります。必要性の高い対象者(障害者等)に対しても応能負担を求めることを含めて見直します。
  • 障害者に対する民間バス乗車券交付事業
    民間バスの利便性の高い地域に居住する障害者を対象にした事業であることから,上記事業の対応と連動し,応能負担を求めることを含めて見直します。
  • 粗大ごみ処理手数料
    これまで無料であったもの(100kg以下)を,適切な受益者負担に改める方向で見直します。
  • 事業系ごみ処理手数料
    小規模事業者(1日10kg以下)に対しても,事業者処理責任の観点から見直します。
  • 仮設トイレし尿処理手数料
    これまで無料であったものを,適切な受益者負担に改める方向で見直します。
  • 上下水道使用料
    企業会計の健全化・効率化の取組みと並行して,適切な利用者負担に改める方向で見直します。
  • 市立葬祭場使用料
    南部葬祭場の整備に合わせて,適切な利用者負担に改める方向で見直します。
  • 入院時食事療養費の標準負担額に対する助成
    重度障害者等に対する医療費助成の一環として実施していますが,「入院と在宅等における負担の公平化を図る観点から,家庭でも要している程度の額を自己負担していただく」という医療保険制度の趣旨を勘案し見直します。