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第5章 公共公益施設・都市基盤整備の見直し

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2004年11月11日

 ここで取り上げる「公共公益施設・都市基盤」は,道路や鉄道,拠点開発,防災施設,公園,学校,福祉施設など,まちづくりの骨格を形成しています。「公共公益施設・都市基盤」整備とは,いわゆる「ハード」と呼ばれる事業のことで,この中にはいわゆる公共事業が含まれます。公共公益施設や都市基盤は,私たちのさまざまな日常生活を支え,安全・安心で快適な生活を送るために,それを利用する人だけではなく市民全体の負担によって整備される公共性の高いものです。現在,多くの自治体で公共事業のあり方が見直されていますが,川崎市も決してその例外ではありません。

1 基本的な考え方~活力ある暮らしやすいまちづくりの実現に向けて

(1)現況と課題

 戦前から京浜工業地帯の中核として日本経済を支えてきた川崎市は,首都東京と横浜市に挟まれた南北に細長い地形であることから,東西を横断する道路と鉄路には早くから恵まれ,また,臨海部は民間投資を中心に整備が進められてきました。しかし,南北に縦貫する交通網の整備と均衡的な施設配置は,今日に至るまでの課題となっています。昭和30年代以降は,東京のベッドタウンとして宅地開発も急激に進み,市内北部において急速に都市化が進行しました。市内南部の都市施設は戦災復興事業によってその骨格が形づくられましたが,急激に開発が進んだ市内北部の都市施設は,主に民間事業者の開発行為や区画整理事業などによって整備されました。
 加えて,昭和46年の革新市政誕生以来,急激な社会構造の変動に対応しきれず,ともすれば公共公益施設・都市基盤整備に十分な財源が確保できない状況が生じ,このときに先行して整備を進められなかった結果が,今日に至るまで取り戻せないでいる基盤整備の遅れとなって現れています。厳しい財政状況の下,既に都市化が進み整備単価が高く,また地域住民の合意形成も難しい既成市街地において,単純に積極投資を進めることで公共公益施設・都市基盤整備の遅れを挽回できる状況にはありません。
 こうした中で近年においては,臨海部や内陸部においても川崎経済を支えてきた事業所の廃止や移転が目立ち,産業の空洞化が着実に進行しています。特に臨海部においては,産業構造の変化や景気の低迷などに加えて土地利用に係る法規制があることから,約220ヘクタールの低未利用地が発生している状況です。国際競争力のある産業の再生や,魅力ある都市景観・快適空間の創造,基幹的広域防災拠点の整備など,総合的な見地から京浜臨海部の再編整備を促進することが,喫緊の課題となっています。
 これに対して川崎市の内陸部においては,溝口駅北口再開発や新百合丘地区整備は完成し,川崎駅西口地区や鹿島田駅東部地区も次第にまちの形が整いつつあるなど,川崎市の拠点整備がそれなりに進捗してきました。しかし,戦後開発された川崎市の大半を占める既成市街地は,都市機能を更新していかなければならない局面を迎えつつあります。
 さらに,高度成長期に急速に整備を進めた義務教育施設や公立保育所,市営住宅等の公立施設も軒並み更新時期を迎え,着実に建替えを図っていくことが不可避となっています。このほか,少子高齢社会に対応した福祉施設の一層の整備や,バリアフリー化の推進,環境問題に対応した施設配置なども,重要な課題です。

(2)今後の方向性

 <1>大規模投資による開発事業が事業的に成り立たないケースが増えていること,<2>大規模公共事業の見直しが相次いでいること,<3>今後も厳しい財政状況が続くことなどを考慮すれば,とりわけ川崎市においては,公共公益施設・都市基盤整備に大規模集中投資して,まちづくりを進めることは現実的ではありません。逆にこのような状況を逆手にとって,まちづくりの原点である「市民の視点」に回帰して,市民の生活感覚から出される課題や要請,身近な地域問題などをさまざまな機会を捉えて,これらを総合的に政策化して,身近な環境改善から着実に歩を進める「暮らしやすい」「きめこまやかな」まちづくりこそが,現在,求められているのです。
 単なる財源投入によるまちづくりでは,時代に先んじた「個性と選別」に応え得るまちを実現することはできず,常に先進地区の後塵を拝することとなってしまいます。これまで川崎市が推進してきたまちづくりは,都市基盤整備の遅れを背景に,東京・横浜両都市に挟まれた地理的条件や指定都市であるということから,「他都市が事業を実施している」,「大規模商業施設やホテルが市内に存在しない」と,都市間競争を生き抜くことを意識しすぎたきらいがないわけではありません。そこには,本来まちづくりにあるべき,「こんなまちに暮らしてみたい」という市民の願いに応えて,地域特性を活かしたまちづくりが展開されてこなかったこともあるかもしれません。こうした観点に立って「活力ある暮らしやすいまちづくり」を基本コンセプトに,次の方針に従って公共公益施設・都市基盤整備を進めることとします。

  1. 限られた財源を効果的に投資し,川崎の顔づくりとなるターミナル駅周辺地区の事業や臨海部の再編整備等を中心に展開します。併せて民間都市開発の誘導や事業化を積極的に進め,効率的かつ効果的なまちづくりを推進します。とりわけ,臨海部をはじめとする川崎市の産業は,環境対応型産業集積のモデル地域を目指した「国際環境特別区」構想や,「サイエンスシティ川崎」構想の推進を柱に据えながら,積極的に再生を図っていくこととします。
  2. 地域特性や市民要請,事業計画や財政状況に即した都市計画マスタープランの策定,地域の自然や歴史的資源を活用したまちづくり,さらには,まちづくりを地域から支える市民活動の支援や組織育成などを重点化し,地域における人づくりを推進します。また,まちづくりに関する総合調整等の条例化を進めて,市民参画と意見聴取,事業者対応などを制度化して,市民要請に応えられるまちづくりを推進します。
  3. 住宅政策に関しては,市街地住宅の大半を占める民間住宅の質的向上やその誘導などを主体とし,地域の面的整備,区画整理や再開発事業との連携を強め,総合的な居住環境改善施策へと転換します。また,既存公営住宅のストックを十分活用し,建替えや改善にその主体を移すとともに,マンションの建替え,管理・リフォームなどへの総合的な支援,高齢者向け優良賃貸住宅の供給や高齢者,障害者等の住宅需要に対する民間ベースでの対応策などを実施します。
  4. 駅を中心としたバリアフリー化の推進や生活道路の改良,身近な公園の整備など,身近な環境改善をとおして,暮らしやすいまちづくりを進めます。公共公益施設の更新を一つの契機に,コミュニティ重視の住環境を充実したコンパクトなまちづくりを目指します。行政と住民との協働作業を通じて,子育て世帯,高齢者世帯,独身世帯など幅広い世代のコミュニティの再生を図り,永続性のあるまちづくりを行い,また,市民参加による維持管理手法の積極的導入,生垣や屋上緑化の推進などさまざまな手法を取り入れて,市民が身近に緑を感じることのできる豊かな住環境の創出に努めます。

(3)見直しの基準

 こうした公共公益施設・都市基盤整備の大きな転換点に際して,新規着工等の事業については,原則として今後3ヵ年は着手せずに,現在,計画されている各種事業については,改めてその費用対効果を厳しく吟味します。時代状況の変化からその必要性について問い直さなければならないばかりではなく,その必要性が認められる事業についても,解決すべき課題に照らしてより効果的・効率的に達成できる手法の再検討が不可欠です。必要以上に立案されがちな計画事業を見直し,たとえば,道路拡幅事業においては,ボトルネックとなっている交差点から先に事業化するなど,解決すべき課題と成果に優先順位を付け,効果的・効率的な整備計画を立てなければなりません。単に事業費が巨額となるから事業をとりやめるのではなく,その費用対効果に基づいて事業に優先順位をつけて選択していくことが重要なのです。こうした観点に基づく事業の優先順位の考え方については,次のとおりとしました。

ア 熟度が高く,実施条件に変化のない事業

 事業計画の見直しや内容変更の必要がなく,事業内容が妥当であると判断される事業や,事業着手済みの事業は,優先度が高い。

イ 緊急性

 喫緊の行政課題に対応する必要から,緊急性の高い事業は,優先度が高い。

ウ 問題・課題設定の適切さ

 解決すべき問題・課題の明確なもの,適切と判断される事業は優先度が高い。

エ 事業内容の適切さ

 解決すべき問題・課題に対して,「対象」「方法」を含めた事業内容が適切と判断される事業は優先度が高い。

オ 公共関与の必要性

 公共関与の必要性を欠く事業については,事業そのものの見直しを行う。

 以上の優先順位の考え方に基づいて,当面予定されている大規模事業等57事業に係る3年間の改革期間を中心として今後のあり方を含め,次の4つに分類しました

優先順位の区分

A:実施条件に変化がなく,事業の進捗状況等から判断して,計画通りに実施するのが妥当と判断される事業。
B:事業の必要性,妥当性等から実施を前提とするが,事業の内容・手法・実施時期等について検討を要すると考えられる事業。
C:事業内容の妥当性,効率性等から現行計画の抜本的見直しを要すると考えられる事業。もしくは,事業熟度の点等から,今後の推移を注視する必要がある事業。ただし,一部限定的な着手は,これまでの経緯等から認めることができる。
D:改革期間の3年間は着手を見送るべき事業。この間,中止,休止,廃止を含めて見直しを図る。

*なお,( )の標記は,川崎市以外が事業主体となる事業(可能性も含む)であり,計画の再検討,見直しについては関係機関との調整等を要するもの。

2 主な見直し施策

(1)交通体系

 東京に隣接し,東西に細長い地形上の特性から,市の交通体系であるラダー(梯子)型のネットワークのうち,従来から横軸道路の整備と比べ縦軸道路整備量が過少でした。国の道路整備補助も東京都市圏を形成する道路網の整備(広幅員の横軸道路)を優先していました。川崎市の自動車交通量調査によると,内々交通量31%,内外交通量34%,通過交通量35%となっており,市域に目的を持たない通過交通量が多い結果となっています。こうした中で,市域を縦貫する交通網の整備が久しく課題とされてきました。
 しかし,市域の大半を占める市街化区域において,用地取得等が困難(高い用地費と難しい関係地権者交渉)であるために,都市計画道路等の事業は必ずしも順調には進捗しませんでした。平成10年度に実施されたパーソントリップ調査の結果によれば,市内の人の動きは,10年前と比較すると0.7%の減少である一方,市外へ出る人の動きは,10年前と比較すると10.3%と大きく増加しています。なお,こうした状況は単に交通網が東西(横)方向に強く,南北(縦)方向に弱いからという理由によるものでなく,市内各地域が有機的な関係を有していない結果であると推量されます。縦方向の交通網を整備するだけでは,市域の一体性を確保することはできません。
 以上の考え方に基づいて,今後予定される大規模な交通関連事業の考え方と優先順位を一覧表にまとめました。
 なお,このほかに,現在,検討されている交通体系整備事業のなかでとりわけ大きな事業に,川崎縦貫高速鉄道線整備事業があります。これは,初期整備区間(新百合ケ丘~元住吉15.4km),2期整備区間(元住吉~川崎約6.2km)合わせて,全線約21.6kmに地下鉄を整備しようというもので,本体事業に係る概算事業費だけで全線約7,156億円に達する巨額の事業です。この事業には,通勤時間の短縮をはじめ,懸案であった南北交通軸の形成や,さまざまなまちづくりの誘発効果など,多くの便益が期待されています。
 しかし,同時に,<1>市債償還だけで40年以上に及ぶこと,<2>資金総額1兆1,258億円のうち一般会計負担額が5,566億円に達すること,<3>このため,交付税措置後の一般会計実質的負担額が,ピーク時の約20年間にわたって毎年70億円~80億円程度となることなど,将来の川崎市民にとても大きな市民負担となることが見込まれているのも事実です。「第7章市政運営のガイドライン」で述べておりますが,財政再建団体への転落すら危惧される現在の財政状況が続く限りにおいては,川崎縦貫高速鉄道線整備事業に要する一般財源相当分を,他の公共公益施設・都市基盤整備事業や市民サービスに係る事業を削減して捻出するか,もしくは,超過課税などの形で住民負担の増加をお願いしなければ,財源の調達は極めて難しいというのが実態です。
 現在,平成14年1月に設置した川崎縦貫高速鉄道線研究会において,効率的で採算のとれる事業として推進していくことをめざした検討がなされ,需要予測と収支計画についての検証及び事業費縮減手法,利用者増加策等の検討が行なわれています。研究会の最終報告がなされた後,これを踏まえて川崎市として改めて,次の5点に留意して川崎縦貫高速鉄道線整備事業に係る費用と効果を整理します。

  1. 事業費縮減など現計画について必要な見直しを行い,適正な収支計画に基づく採算性を検証
  2. 利用者の増加等に向けた小田急多摩線との相互直通運転の検討
  3. 駅周辺整備等の関連事業に係る具体的計画内容及び事業費の精査,民間活用による事業推進手法の検討
  4. 用地取得や関連事業等の遅れに伴う事業の遅滞や限定開通が,全体事業費や利用者数・経済効果等に与える影響
  5. 建設費の財源となる一般会計出資金及び補助金が市財政に及ぼす影響

 以上の整理を経て,他の事業と比較した上での同事業がもたらす便益と,予想される財政負担がもたらす他事業への影響や住民負担の増加額を明らかにした上で,広く市民の皆さんのご意見をお伺いし,同事業のあり方を最終的に決着させたいと考えております。

交通関連事業の考え方と優先順位一覧
事業名
考え方
摘要
川崎縦貫道路整備(1期)事業・現在,首都高速道路公団において大師ジャンクションまで工事中であり,広域ネットワークを形成するなど整備効果が見込まれる。
・大師ジャンクション以西の1期区間は,密接な関係にある2期計画のルート,事業主体等に不確定な部分があることから,今後,国の動向に注視しながら対応する。
(A)
大師橋整備事業現在,下り線の完成により,3車線の暫定供用中。産業道路のボトルネック対策,橋の老朽化対策及び耐震対策として重要な事業である。計画どおり事業は進捗し,平成17年度完成予定。
A
東急東横線元住吉1号踏切等関連施設改良推進事業渋滞の解消,交通安全,一体化したまちづくりを目的とした事業である。東急電鉄が事業主体として事業着手しており,市はその費用の一部を負担している。渋滞緩和や地域の活性化を図るため事業を支援し,今後も優先的に実施する。
(A)
水江町臨港道路の整備臨海部再生と東扇島の物流機能の今後の展開において,重要な位置づけとなるため,新たな事業手法,財源の確保を含め効果的,効率的な整備手法を検討する。
(B)
小田急小田原線関連都市計画道路登戸野川線整備関連事業登戸土地区画整理事業の駅前広場整備と併せ重点的に実施する。
A
京急大師線連続立体交差事業・これまで現線区間(大師駅~小島新田駅)を中心に用地買収が進捗しているが,事業着手後10年間継続中の事業であり,全線整備までは今後も事業の長期化が予想される。
・早期に事業効果を発揮させるため,全区間において最も費用対効果の大きい産業道路(大師駅~小島新田駅)を優先的に立体交差とする段階的整備を行い,別線区間については,沿線周辺の再開発事業等まちづくりの計画熟度に整合した対応をしていくことを条件として継続する。
C
都市計画道路大師駅前線整備事業川崎縦貫道路1期,国道409号線整備事業に伴う大師駅前広場の計画道路であり,一体的な整備を図る必要があることから,関連事業が実施されるまでの間,事業を見合わせる。
C
川崎アプローチ線の整備臨海部再生の事業効果は期待されるものの,事業熟度が低いと判断される。今後関係自治体や鉄道事業者とともに,財源を含めた整備手法等について検討を要する。
(C)
横須賀線新駅(新川崎)の設置新川崎地区の土地区画整理事業と縦貫道路,縦貫高速鉄道と密接に関連しているが,駅間の距離が短いため,抜本的に見直す。
D

(2)拠点整備と住宅の整備

 川崎市の宅地開発は,東京から至近距離にあるという格好な地理的条件から市域全体にわたって開発がなされてきました。昭和30年代から40年代にかけて北部農地は,無秩序にスプロール開発されてしまいました。その後,昭和45年の改正都市計画法施行を前後して,北西部の丘陵地帯においては,各鉄道沿線で主要駅を中心として,組合施行等による大規模な土地区画整理事業が実施されてきました。現在,市街化区域の約20%は区画整理事業の手法によって整備されています。
 昭和50年代からは土地区画整理事業のほかに市街地再開発事業にも本格的に取り組み始めました。しかし,<1>既成市街地のなかで権利関係が輻輳していること,<2>事業が長期化していること,<3>バブル崩壊後の地価の下落により事業の採算がとれないことなどから,事業そのものの見直しを余儀なくされているのが現状です。今後,予定されている拠点開発事業のあり方が大きな課題となっており,民間主体の事業を中心に,事業熟度の高いものから実施していくことが必要となっています。
 一方,公営住宅の整備に関して言えば,人口急増に対処するため,昭和37年から47年の約10年間に,現在の供給管理戸数16,960戸の約45%に相当する7,699戸が大量供給されました。現在は,この時期に建設された公営住宅の老朽化対策が課題となっています。全てを建替えすることは不可能であるため,当面は改修による住戸改善を推進し,居住者の安全性や居住性を確保する必要があります。また,高齢化の進行に伴い,高齢者に対応した住宅供給が必要となっています。
 以下に,拠点整備と住宅事業の考え方と優先順位を一覧表にまとめます。

拠点整備と住宅事業の考え方と優先順位一覧
事業名
考え方
摘要
川崎駅西口地区市街地再開発事業既に事業着手した事業であり,川崎市の都心地区にふさわしい魅力的な都市空間,高次な都市機能の集積を図るために必要とされる事業である。
(A)
川崎駅西口地区大宮中幸町線整備事業西口地区再開発事業と一体となった幹線道路整備事業であり,整備効果は高いと判断される。
A
川崎駅西口地区ペデストリアンデッキ整備事業再開発事業による再開発ビルとJR川崎駅東西自由通路を結ぶペデストリアンデッキ整備について,施行者である都市基盤整備公団に対し,事業費の一部を助成する。事業効果が高く必要とされる事業である。
A
川崎駅西口地区公園整備事業住宅市街地整備総合支援事業内における,地区の幹線道路に隣接する公園・緑地等であり,その整備を行う必要がある。
A
川崎駅北口第3西街区市街地再開発事業中核業務機能,広域的な商業・生活・文化等の諸機能の集積を図り,都市機能の更新を図る。事業に着手しており平成15年度完成予定。
(A)
登戸駅駅舎改良及び南北自由通路整備事業JR登戸駅に直結した自由通路を整備し,駅周辺の南北市街地の連携を強化し,交通結節点としての機能強化を図る事業であり,実施する。登戸駅周辺に与えるポテンシャルは高いと判断される。
(A)
鹿島田駅東部地区市街地再開発事業「東芝タンガロイ」跡地に住宅を整備するなど,土地の高度利用を図り,あわせて,道路・公園・広場等の公共施設を整備し,アメニティ・防災性の向上を図る。また,鹿島田駅周辺の混雑緩和,歩行者の安全確保のため,ペデストリアンデッキを整備する。事業は計画通り進める。
(A)
鹿島田駅東部地区住宅市街地整備事業「東芝タンガロイ」跡地に,超高層棟(41階)の建設とその周辺に中高層棟(7階~13階)6棟を建設。事業は計画通り進める。
(A)
組合土地区画整理事業神木本町地区については,事業採算性等が確保されるよう指導・支援し,進める。
(A)
下平間周辺地区公共施設等整備事業良質な住宅の供給にあわせ,居住環境創出のため,道路,歩道,街区公園を整備する。(県公社下平間団地の建替に関連)事業熟度は高い。
A
小杉駅周辺地区再開発事業民間の主導により,第3都心の形成をめざして事業・業務機能の導入を推進してきたが,商業・業務床需要の低迷から,事業を見直し,都市型住宅の導入や中央図書館の見直しなどを視野に入れ,採算性の向上を図り事業を推進する。
(B)
登戸土地区画整理事業市施行の土地区画整理事業により,道路・公園等公共施設を整備することにより,副都心機能の強化を図るものであるが,地権者との合意形成に時間が必要であり,事業の長期化が予想される。このため,特に事業効果の高い部分から順次事業化を図る。
B
公営住宅整備事業・ストック総合活用計画に基づき,市営住宅の老朽化に伴う建替及び改善(平成14年度~19年度)に事業対象を移す。
・これまでのように行政が供給主体となるのではなく,民間住宅の質的向上の誘導,地域の面的整備との連携を図るなど,総合的な居住環境改善施策へ政策転換を図る。
B
鹿島田駅西地区市街地再開発事業商業・業務施設の床需要低迷などにより,処分先が不透明であり,現在の都市計画決定内容の用途での早期事業着工は困難である。民間参画による事業手法を検討するなど,大幅な見直しが必要である。
C
新川崎地区土地区画整理事業・当該区画整理事業は,平成10年に国の再評価制度において,事業主体である都市基盤整備公団が「継続」とした。また,平成12年,政府与党による公共事業再評価について,東部地区は「中止」となり,操車場内は継続すべき事業となっている。
・学識経験者,産業界,市民代表による委員会を設置し,拠点整備の土地活用方策を策定する予定であるが,現下の財政状況を勘案した全体計画の大幅な見直しを図る必要がある。
(C)
川崎駅北口第2街区市街地再開発事業商業・業務の中心地区のひとつである川崎駅北口の老朽化したビル群を市街地再開発事業により,都心地区にふさわしい土地の高度利用と中心商業地区の機能充実を図る計画だが,経済情勢の悪化などから今後の市街地再開発事業の推移を注視する。
(C)
柿生駅周辺地区再開発等事業老朽化した木造建物を共同不燃化し,あわせて駅前の都市基盤を整備,交通混雑の解消,地区生活拠点にふさわしい市街地形成を推進するものだが,区域内の地権者の合意形成が難しい状況にあるため,事業の推移を注視する。
(C)

(3)施設の建設

 市民ニーズの多様化と高度化に対応したさまざまな施設建設計画は,厳しい財政状況の中で見直しが迫られています。このため,行政サービスの供給主体も的確で質の高いサービスが効率的に提供されるのであれば,公共が主体である必要はなく,民間に委ねるケース,公民の協働により行うケースなどさまざまな形態が考えられます。今後,行政の役割は,適正な事業手法の選択と,サービス内容のモニタリングへとシフトすることが考えられます。
 こうした考え方に基づいて,既存の事業やこれから整備を予定している事業について,施設のイニシャルコストやランニングコスト,PFIの導入可能性や運営委託等あらゆる角度からの検討を加え,厳しくその経費の節減を行なう必要があります
 例えば,市民保養所については,各地に整備されたさまざまな民間レジャー施設や,ニーズの多様化により目的も時代とともに大きく変化し,その必要性そのものが問われています。また,中央図書館についてもIT化時代を迎え,大量な蔵書を中心とした図書館機能を見直す時期に来ています。つまり,目的や役割が異なるさまざまな施設について,その施設機能を吟味しながら,公共主体が整備すべきか否か,行財政改革の基本に立ち返った議論が必要なのです。
 しかし,こうした状況においても,更新時期が迫っている義務教育施設の改築や保育所の整備,特別養護老人ホームの整備等は,所要の検討を経て着実に進めていきます。
 以下に,今後予定されている施設整備の考え方と優先順位を一覧表にまとめました。

施設整備の考え方と優先順位一覧
事業名
考え方
摘要
北部医療施設の整備北部医療体制の整備は,市民ニーズが高いことなどから早急な対応が必要となっており,計画通り推進する。
A
義務教育施設改築事業(直接施工)・柿生小学校建設工事2年目:平成14年度完成予定
・大戸小学校14年度実施計画
・橘小学校14年度実施計画
・犬蔵中学校,14年度造成工事着工
教育環境の整備は,計画的に推進する。
A
特別養護老人ホーム整備事業平成14年度建設3ヶ所(宮内,第2宮内,小倉)。高齢化の急速な進行に的確に対応するため,計画的な整備を進める。
A
義務教育施設先行改築校舎等買取事業計画通り実施する。
平成14年度:高津小学校,今井中学校
平成15年度:中野島小学校
平成16年度:稲田小学校
平成17年度:富士見中学校
平成17~19年度:橘高校
平成18年度:西生田小学校
平成20年度:宮崎中学校
平成21年度:古市場小学校
A
南部葬祭場整備事業既に事業着手した事業であるが,供用開始までに市立葬祭場とあわせ民間委託を実施する方向で検討する。
A
日吉出張所・市民館図書館分館建設事業既に事業着手した事業であり,計画どおり進捗している。14年度完成予定
A
高津消防署改築事業防災の地域拠点として整備が必要であり,計画どおり推進する。
A
ダイオキシン対策施設整備(ごみ焼却3施設)ダイオキシン対策は喫緊の課題となっており,事業は計画どおり進める。
A
リサイクル施設整備費補助事業ペットボトル再生工場建設補助である。リサイクルの推進は環境保護の観点からも優先順位は高い。
A
保育所整備少子化対策の観点からも重要な施策であるため,運営方法を含めたトータルな検討を進め整備を図る。
A
川崎駅西口市民文化施設整備事業川崎都心の魅力ある世界的な文化の創造,発信,交流のための,川崎駅周辺の核施設として整備を進める。
なお,財源,運営方法等についての検討を十分に行う。
B
宮前スポーツセンター建設事業地域におけるスポーツ振興の拠点としての整備を目指す。平成14年度造成工事完了予定であるが,本体工事の着手については検討を要する。
B
リサイクルパークあさお建設事業新事業手法導入の可能性と合わせて,今後の資源物処理体制のあり方について検討する。
B
中原消防署改築事業PFI等の新事業手法導入を視野に入れ計画の具体化に向けた検討を行う。
C
環境科学総合研究所の整備臨海部の拠点整備に合わせて,現行計画の抜本的見直しを図る。
C
多摩スポーツセンターの整備未着手の事業であり,機能,規模,整備手法等の検討を要する。
D
中央図書館の整備IT化時代を迎え,大量な蔵書を中心とした図書館機能そのものも既に見直す時期に来ており,抜本的に見直しを図る。
D
青少年科学館の改築未着手の事業であり,整備手法や財源の確保について検討を要する。
D
井田病院の改築より効率的かつ効果的に病院機能を運用していくために,事業手法など総合的な検討を要する。
D
総合物流ターミナルの整備(ファズ2期,3期)ファズ1期計画については,一定の成果も認められるが,この間,経済環境が変化し,新たな物流拠点としての役割が課題となっている。
このようなことから,輸入促進機能としてのファズ整備については,一旦休止とし,総合的な物流機能のあり方について検討する。
D
コンテナ耐震バースの整備(第2バース)コンテナ貨物の今後の取扱量の動向を見極め,整備時期等の検討を行う。
D
消防訓練所の整備既存の消防総合訓練場や消防・防災に関する学習施設との関連が明確でなく,現段階での事業化は困難である。
D
剪定枝・廃食用油資源化施設の整備リサイクル事業は積極的に推進すべきだが,街路樹等から発生する剪定枝や廃食用油の事業化には解決すべき課題があり,時間を要する。
D
市民保養所の整備
(南伊豆,東和町,東伊豆)
市民ニーズの多様化,良質なサービスの提供,公私の役割分担,高コストへの対応等の観点から,新たな施設については建設の中止,既存の施設については撤退を検討する。
D

(4)その他の事業

 以上述べてきました大規模事業の他にも,さまざまな分野で都市基盤等の整備が計画されています。これらの事業についても先に述べたように,事業の目的を精査し,効果的で効率的な事業執行をしていく必要があります。
 分野は一様ではありませんが,優先順位は次のとおりです。

その他の事業の考え方と優先順位一覧
事業名
考え方
摘要
供用済用地の土地開発公社からの買戻し供用済み道路用地,公園等の公社からの買戻しであるが,計画的に執行する必要がある。平成15年度完了予定。
A
浮島2期廃棄物埋立護岸整備事業平成12年度から第1ブロックの受け入れを開始しており,市内唯一の最終処分場であることから,計画どおり進める。
A
新消防指令システム設置事業新庁舎との関連事業である。消防対応能力の向上が期待できる。平成14年度完成。
A
義務教育施設耐震補強事業児童・生徒の安全確保を図るため,計画的な執行を進める。
A
向ヶ丘遊園跡地(生田緑地整備)生田緑地全体計画との整合を図りながら,今後の土地利用計画などを検討する。
C
五反田川放水路整備事業トンネル部の区分地上権設定で交渉が難航しているため,用地問題が解決するまでの間,トンネル工事の着手は凍結する。
トンネル工事に着手すると財政負担が急増することから,財政負担の平準化が必要である。
D

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