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政策課題14年度海外B

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都市における子どもを取り巻く諸問題について考える

研究目的

報告書

 近年、核家族化や生活様式の変化などに伴い、都市における子育て環境は複雑化し、児童虐待・不登校・引きこもりなど、子どもを取り巻く問題は深刻さを増している。本研究では、子どもが安心して自分らしく暮らせる社会を築くため、都市が抱える子どもやその家族を取り巻く諸問題に対してどのように取り組むべきか、海外調査を行って検討した。

調査先・調査内容

 調査対象国としてカナダとアメリカを選択した。カナダは子どもの権利を社会的に尊重し、諸機関の連携の下に保障する法律やシステムが整備されている。多文化多民族で構成された国際都市トロントを訪問し、子どもの権利代弁機関、子どもと家族にさまざまな保護・予防サービスを行う日本の児童相談所に相当する機関、現在またはかつてインケアにいた青少年の自立支援組織の3か所で調査を行った。
 アメリカは「子どもの権利条約」は未批准であるが、子どもの最大の利益という観点から諸機関の連携の下に積極的に取り組まれている。学術研究の中心地ボストンにおいて、福祉NPOの提供するHIV/AIDSプログラム、子どもの健全育成や虐待予防・里親調整等を行う民間団体、そして体験型ミュージアムの先駆けである子ども博物館を調査した。最後に世界経済・文化の中心地ニューヨークにおいて、重度身体障害児に対する里親及び養子縁組を支援する民間団体、及び、ニューヨーク市の児童福祉行政機関で調査を行った。

提言・今後の課題

  1. 青少年の育成と活用
     施設等では利用者・参加者として受身の存在であった青少年を取り込み、やがては後輩達の良き支援者として積極的に活動することができるよう育成していくことが重要である。
  2. ケア体制と予防プログラムの充実
     現在の児童相談所の体制は対症療法的な動きに終始しがちであり、子どもと親のケア体制の充実が急務である。一方、予防プログラムの充実も重要である。児童虐待の問題は子育て不安等の延長線上に起こり、特別な家族だけに起こる問題ではないからである。
  3. 職員の専門性の養成と確保
     職員には広い視野が不可欠である。研修を体系的に実施し、職員のメンタルヘルスにも配慮した専門性の養成と確保に努める必要がある。職員の燃えつきを防ぎ、よりよい子ども施策が展開されるよう経験に応じたバランスよい職員構成と人事管理も重要である。
  4. 子どもの権利保障(人権オンブズパーソンの権限強化)
     人権オンブズパーソンは子どもや女性の人権侵害についての権利救済の役割を果たしているが、現状では決定権がなく、勧告や要請しかできない。解決が困難なケースについてその場で強制力を持った決定をすることができれば、より効果的な対応が可能になる。
  5. 民間団体・NPOとの連携
     市内では多様な取り組みが行政・民間団体・NPOにより行われているが、各主体が充分に連携をとり機能するには至らない。今後は行政・民間のより一層の連携が必要である。
  6. 関係部局の担当者レベルでの連携(子ども家庭局の新設)
     子ども施策に関する行政体制は縦割り状態で総合的・統合的な体制がとれているとは言いがたい。「子ども家庭局」などを新設し、総合的・統合的な子ども施策の展開を図るよう抜本的な対策作りが必要である。

お問い合わせ先

川崎市 総務企画局都市政策部広域行政・地方分権担当
〒210-8577 川崎市川崎区宮本町1番地
電話:044-200-0386
ファックス:044-200-3798
メールアドレス:17tihobu@city.kawasaki.jp

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