1 計画策定の趣旨

　川崎市では、1992（平成4）年に21世紀の第1四半世紀を見据えた長期構想として、「川崎市基本構想」を定めるとともに、1993（平成5）年には、この構想に基づく基本計画である、「川崎新時代2010プラン」を策定しました。この計画は、新しい時代状況の変化に対応しながら、21世紀における川崎市の都市像と、そこに至る道筋を明らかにしたものであり、計画策定以降、この計画に則って施策を推進してきました。
　しかし、計画策定の時期を境に、いわゆるバブル経済が崩壊、それ以降景気低迷が長期化したことによって、本市の財政状況の逼迫を招くとともに、計画事業の実行性を確保することが困難になってきました。また、低成長経済への移行や少子高齢化の急速な進行、さらに、将来的に予測される人口減少過程への移行など、たいへん大きな社会の転換期を迎える中、今までの「成長」を前提とする社会・経済のしくみを、「持続」型のしくみへと根本的に見直していくことが必要になっています。
　こうしたことから、行財政改革の断行によって、一刻も早く確かな財政基盤を確立し、市民生活の維持・向上を図ることを目的に、2002（平成14）年に「川崎市行財政改革プラン」を策定して、川崎再生に向けた取組に着手することによって、「川崎新時代2010プラン」に掲げる計画事業については、執行計画の根本的な見直しを行ってきました。
　今後予測される社会経済環境の変化に適切に対応するためには、引き続き、行財政改革を着実に進めていくことが求められますが、このような状況の中で、新総合計画は、改革によってめざす川崎再生の姿を具体的に示すとともに、それに向けた新たな市政運営の基本方針として策定するものです。