5-1-(2)　ものづくり産業の高度化・複合化

• 経済のグローバル化が進展する中で、製造業の生産拠点の海外移転、業種転換、廃止などが見られ、工業統計調査によると、市内製造業の事業所数、従業者数、製造品出荷額などは、いずれも減少傾向で推移しています。
• 2002年の大都市比較では、本市の製造品出荷額等は、東京都区部、大阪市、横浜市に次いで13大都市中第4位となっており、従業者1人当たり製造品出荷額等は5,768万円で第1位となるなど、市内企業の非常に高い生産性と技術開発力を示す結果と なっています。さらに、大規模事業所では従業員1人当たり製造品出荷額等が9,300万円で、一層高い生産性を示すなど、高度なものづくり産業は本市経済の一翼を担っています。
• また、近年は高度な加工技術や研究開発力を持つ製造業事業所が、研究開発部門と基幹的生産部門を集約して研究開発拠点を形成する例も多く、市内には、多数の民間研究機関、大学、高次な情報サービス機能や高度加工技術を有するものづくり企業等が厚く集積しています。
• 関連産業の集積、交通利便性、産業インフラ、豊富な人材など、本市の立地優位性を活かしながら、技術の高度化や新技術開発を一層促進することが、生産性の向上や国際競争力の強化を図っていく上で必要となっています。

現状と課題を踏まえ、以下の施策課題に取り組みます。

• 技術や経験を有する地域の人材と技術的な支援を必要とする企業とのネットワークを構築して、基盤技術の高度化を支援することにより、新技術開発や新製品開発等を促進し、国際競争、地域間競争で優位性を持つ企業の育成を進めます。
• 優位な競争力を持ち発展性の高い企業群を育成するために、技術の高度化支援研修等を実施し、ものづくり基盤技術の高度化をリードする企業や人材を輩出し、ものづくり産業全体の底上げを図ります。

• 国際間競争の激化の中で、独自性や特殊性に富む製品を創出するため、ものづくり機能の高度化やデザインによる製品の高付加価値化を図っていきます。
• 先端的な技術開発を側面から支えている地域の中小企業のものづくり技術の高度化や情報技術との複合化を促進し、新技術・新製品の開発等を支援します。
• ものづくり機能の高度化に必要な生産工程の高度化・効率化、設計工程の効率化、受注・生産・流通システムの効率化などを促進するため、情報技術の有効活用に向けた情報提供や専門家の派遣を進めます。
• 市内で開発・製造された工業製品やソフトウエア等の先端技術見本市を開催し、新たな販路の開拓や取引の拡大を促進します。

• ものづくり企業等の新製品開発や新分野への進出を支援するために、市内及び周辺大学の有する技術シーズ等を調査し、積極的に市内の企業等に紹介するなど、大学と企業とが連携しやすい環境を整えます。
• 企業の製品開発ニーズを把握し、大学との共同研究等のコーディネートを行います。
• ものづくり企業等の技術開発力、製品開発力強化目的として、大学と連携して行う共同研究について助成を行います。