4-1-(3)　環境配慮型社会の形成に向けた取組

• 日常の行動や事業活動から生じる環境への負荷は、温室効果ガスの排出量の増加などさまざまな環境問題となって顕在化しています。こうした問題を解決するためには、市民・事業者・行政が日常の行動や事業活動において、各々の役割と責任のもと適切な環境配慮を実施することが大変重要です。
• このため、環境に関する正しい知識や環境に配慮したライフスタイルの確立、地域特性等にあわせた環境配慮、地域における環境保全活動が不可欠となっています。
• 環境・保健行政の総合的な推進を図ることを目的として、環境科学総合研究所の整備に向けた検討を行ってきましたが、近年の社会状況等の変化を踏まえ、既存の公害研究所・公害監視センター・衛生研究所の再編計画について、再検討する必要が生じています。
• 川崎臨海部の立地企業は、公害対策や資源循環への取組によって、優れた環境技術やものづくり技術を有しており、こうした技術やこれまで培ってきた知識・経験を工業化の著しいアジア諸国などへ移転することによる国際貢献が求められています。

現状と課題を踏まえ、以下の施策課題に取り組みます。

• 環境に配慮したライフスタイルや行動様式をより効果的に定着させるため、幼児環境教育のプログラムを作成し、市内全幼稚園での展開をめざします。
• 教材、人材育成等の充実・強化を図り、NPO及び市民団体との協働による環境教育・環境学習活動を推進します。さらに学校における総合的な学習の時間等を活用した環境教育・環境学習への取組を進めます。
• 地域環境の保全・創造に向け、市民、事業者、学校、行政が各々で実施している環境に関する活動や環境情報の共有を図るなど、市民・団体等の活動を促進するとともに各主体間の連携・強化を図ります。

• 地域の環境問題を解決していくためには、現状に関する基礎的な調査研究が不可欠であることから、微小粒子の挙動や化学物質等の測定法開発などの調査研究を推進します。
• 今日的な課題である地球環境問題としての酸性雨や温暖化対策、また、都市排熱によるヒートアイランド対策に資する調査研究を実施します。
• 調査研究にあたっては、民間活力の活用を前提に、国や他の自治体とも連携を図りながら推進するとともに、結果については、施策・事業にフィードバックします。
• 環境問題に関する総合的な調査研究の機能のほか、環境技術情報の収集・発信などによる国際貢献、産官学連携による共同研究等の機能を持つ環境研究の拠点施設として環境科学総合研究所の整備を進めます。

• 環境に著しい影響を与えるおそれのある事業の実施にあたり、事業者があらかじめ環境への影響について調査、予測及び評価を行い、その結果に基づき環境の保全について適切に配慮するよう、環境影響評価の取組を進めます。
• 現行の環境影響評価に関する条例の施行後5年が経過することから、社会経済情勢の変化等を踏まえて現行制度の検証を行います。

• 川崎臨海部立地企業が有する優れた環境技術やものづくり技術を活かし、産業と環境が調和した持続可能な都市モデルを形成するため、国際環境施策を推進します。
• 国際的な環境対策に取り組む国連環境計画（UNEP）と連携して、本市と事業者がこれまでの環境問題への取組で培った環境技術の海外移転を図り、工業化の著しいアジア諸国の環境配慮への取組を促進するなど国際貢献を推進します。
• UNEPとの連携による取組を通じて、国連が提唱するグローバルコンパクトの理念を踏まえ、さまざまな主体が、環境に配慮した自主的な諸活動によって持続可能な地域社会づくりに貢献するための「かわさきコンパクト」を作成・提唱します。