川崎市シンボルマーク
自治基本条例

川崎市自治基本条例
目次
 前文
 第1章 総則(第1条〜第5条)
 第2章 自治運営を担う主体の役割、責務等
  第1節 市民(第6条〜第9条)
  第2節 議会(第10条〜第12条)
  第3節 市長等
   第1款 市長等(第13条・第14条)
   第2款 行政運営等(第15条〜第18条)
   第3款 区(第19条〜第22条)
 第3章 自治運営の基本原則に基づく制度等
  第1節 情報共有による自治運営(第23条〜第27条)
  第2節 参加及び協働による自治運営(第28条〜第32条)
  第3節 自治運営の制度等の在り方についての調査審議(第33条)
 第4章 国や他の自治体との関係(第34条)
 附則
 私たちのまち川崎市は、多摩川や多摩丘陵の自然に恵まれ、我が国産業を支える拠点を擁した多様な顔を持つ都市として、公害や急速な都市化の進行への対応など、高度成長期の大都市が抱えた課題の克服に、全市民の英知を結集しながらその歩みを進めてきました。
 今、成長と拡大を基調としてきた社会の仕組みや制度の再構築が求められ、少子高齢社会への対応や地球環境への配慮が求められる中で、改めて暮らしやすい地域社会とは何か、自治とは何か、市民と自治体の関係や自治体と国の関係はどうあるべきかが問われています。
私たち市民は、私たち自身が、このような地域社会の抱える課題を解決する主体であることを改めて確認するとともに、信託した市政が、私たちの意思を反映して行われるよう、その運営に主体的に参加し、また、国や神奈川県と対等な立場で相互協力の関係に立って、自律的運営を図り、自治体としての自立を確保する必要があります。
 こうした市民自治の基本理念を確認し、情報共有、参加及び協働を自治運営の基本原則として、行政運営、区の在り方、自治に関する制度等の基本を定め、市民自治を確立するため、ここに川崎市自治基本条例を制定します。
 そして、私たち市民は、人類共通の願いである恒久平和と持続可能な社会が広く世界に築かれることを希求し、川崎市民としての誇りを持ち、一人ひとりの人権が尊重される「活力とうるおいのある市民都市・川崎」の創造を目指します。

  第1章 総則
 (目的)
第1条 この条例は、本市における自治の基本理念と自治運営の基本原則を確認し、自治運営を担う主体である市民、議会及び市長その他の執行機関(以下「市長等」といいます。)の役割、責務等を明らかにするとともに、行政運営、区の在り方、自治運営の基本原則に基づく制度等本市の自治の基本を定めることにより、市民自治を確立することを目的とします。
 (位置付け等)
第2条 この条例は、本市の自治の基本を定める最高規範であり、市は、自治運営に関する他の条例、規則等の制定改廃及び運用に当たっては、この条例の趣旨を尊重し、この条例との整合を図ります。
2 市民及び議員、市長その他の市の公務員は、この条例に定められたそれぞれの役割、責務等に従い、本市の自治運営を担っていきます。
 (定義)
第3条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによります。
(1) 市民 本市の区域内に住所を有する人、本市の区域内で働き、若しくは学ぶ人又は本市の区域内において事業活動その他の活動を行う人若しくは団体をいいます。
(2) 参加 市民が、暮らしやすい地域社会をつくるために、市政に主体的にかかわり、行動することをいいます。
(3) 協働 市民及び市が、共通の目的を実現するために、それぞれの役割と責任の下で、相互の立場を尊重し、対等な関係に立って協力することをいいます。
 (基本理念)
第4条 市民及び市は、次に掲げることを基本理念として市民自治の確立を目指します。
(1) 市民は、地域社会の課題を自ら解決していくことを基本として、その総意によって市を設立し、地域社会における自治の一部を信託していること。
(2) 市民は、その信託に基づく市政に自ら主体的にかかわることにより、個人の尊厳と自由が尊重され、市民の福祉が実現される地域社会の創造を目指すこと。
(3) 市は、国及び神奈川県と対等な立場で相互協力の関係に基づいた自律的運営を図り、自治体としての自立を確保すること。
 (自治運営の基本原則) 
第5条 市民及び市は、次に掲げる原則に基づき、自治運営を行います。
(1) 情報共有の原則 市政に関する情報を共有すること。
(2) 参加の原則 市民の参加の下で市政が行われること。
(3) 協働の原則 暮らしやすい地域社会の実現に寄与するよう協働を行うこと。 
2 市は、参加又は協働による自治運営に当たっては、参加又は協働をしないことによって、市民が特別の不利益を受けることのないようにします。
  第2章 自治運営を担う主体の役割、責務等
   第1節 市民
 (市民の権利)
第6条 市民は、すべて人として尊重され、平和で良好な環境の下で、自らの生命、自由及び幸福追求に対する権利が保障され、自己実現を図ることができるほか、自治運営のために、次に掲げることができます。
(1) 市政に関する情報を知ること。
(2) 政策の形成、執行及び評価の過程に参加すること。
(3) 市政に対する意見を表明し、提案をすること。
(4) 行政サービスを受けること。
 (市民の責務)
第7条 市民は、自治運営において、次に掲げることを行うものとします。
(1) 互いの自由と人格を尊重し合うこと。
(2) 参加及び協働に当たり、自らの発言と行動に責任を持つこと。
(3) 次の世代に配慮し、持続可能な地域社会を築くよう努めること。
(4) 市政の運営に伴う負担を分担すること。
 (事業者の社会的責任)
第8条 事業者は、地域社会を構成する一員としての社会的責任を自覚し、地域社会との調和を図り、暮らしやすい地域社会の実現に寄与するよう努めるものとします。 
 (コミュニティの尊重等)
第9条 市民は、暮らしやすい地域社会を築くために、コミュニティ(居住地、関心又は目的を共にすることで形成されるつながり、組織等をいいます。以下同じ。)をそれぞれの自由意思に基づいて形成することができます。
2 市民及び市は、暮らしやすい地域社会の担い手であるコミュニティの役割を尊重するものとします。
3 市は、コミュニティの自主性及び自律性を尊重しながら、コミュニティにかかわる施策を推進します。
   第2節 議会
 (議会の設置)
第10条 市に、議事機関として、選挙によって選ばれた議員で構成される議会を設置します。
 (議会の権限及び責務)
第11条 議会は、市の重要な意思決定、市の事務に関する監視、政策の立案等を行います。
2 議会は、前項の権限を行使するに当たり、市民の意思が適切に反映されるよう必要かつ十分な会議を行うとともに、議会活動について市民との情報の共有化を図り、開かれた議会運営に努めます。
 (議員の責務)
第12条 議員は、地域の課題や市民の意見を把握するとともに、市政全体の観点から的確な判断を行うことにより議会が前条第1項の権限を適切に行使できるよう努めます。
2 議員は、市民に開かれた議会運営の実現に寄与するための活動を行うよう努めます。
   第3節 市長等
    第1款 市長等
 (市長の設置)
第13条 市に、選挙によって選ばれた市の代表である市長を設置します。
 (市長等の権限、責務等)
第14条 市長は、この条例に基づいて自治を運営するとともに、市民の福祉の増進を図るため、市政全体の総合的な調整その他の権限を行使します。
2 市長等は、自らの判断と責任においてその所掌する事務を誠実に執行するとともに、相互の連絡を図り、一体として、行政機能を発揮します。
3 職員は、市民と共に自治を運営する者としての認識に立ち、職務を誠実かつ公正に執行します。
    第2款 行政運営等
 (行政運営の基本等)
第15条 市は、その将来像を示す総合的な計画を策定し、部門別の基本計画等と調整を図りながら、計画的な行政運営を行います。
2 行政運営は、次に掲げることを基本として行います。
(1) 市政に関する情報は、市民の財産であり、その適切な発信及び管理を市民からゆだねられていることを踏まえて、情報の共有を推進すること。
(2) 市民の意思を市政に適切に反映するため、市民の参加を推進すること。
(3) 市民からの提案等に的確に応答すること。
(4) 市民の自主的な活動を尊重するとともに、市民との協働による施策、事業等の推進を図ること。
(5) 施策、事業等の実施に当たっては、公正性及び公平性を確保するとともに、効率的、効果的かつ総合的に行うこと。
(6) 法令の解釈及び運用に当たっては、この条例の趣旨にのっとり、市民の福祉の増進を目的として行うこと。
3 市の組織は、簡素で、効率的かつ機能的なものとなるよう社会環境の変化等に的確に対応して整備します。
4 市長は、市の出資法人がその目的や趣旨に沿って運営されているか等について、当該出資法人(市長が所管するものに限ります。)又は当該出資法人(市長が所管するものを除きます。)を所管する執行機関若しくは公営企業管理者に対して適切な指導及び調整を行います。
 (財政運営等)
第16条 市長は、中長期的な展望に立って、計画的な財政運営を図るとともに、評価等に基づいた効率的かつ効果的な行政運営を行うことにより、財政の健全性の確保に努めます。
2 市長は、財政状況に係る情報並びに予算の編成及び執行に係る情報を分かりやすく公表することにより、財政運営の透明性の確保に努めます。
3 市長、教育委員会及び公営企業管理者は、その所管する財産の適正な管理及び効率的な運用を行い、市長は、その状況について、分かりやすく公表するよう努めます。
 (評価)
第17条 市長等は、効率的かつ効果的な行政運営を行い、第15条第1項の総合的な計画の着実な実行と進行管理を行うとともに、施策、事業等の成果を市民に明らかにするため、評価を実施します。
2 評価の指標等は市民の視点に立脚したものとし、評価の結果は市民にとって分かりやすいものとします。
3 市長等は、前項の評価の結果を公表するとともに、施策、事業等に適切に反映させます。
(苦情、不服等に対する措置)
第18条 市に、市民の市政に関する苦情、不服等について、簡易迅速にその処理、救済等を図る機関を置きます。
2 前項に定めるもののほか、市は、市民の権利利益の保護に必要な措置を講じます。
    第3款 区
 (区及び区役所の設置)
第19条 市に、本市の区域を適正な規模の区域に分けて、身近な行政サービスを効率的、効果的かつ総合的に提供し、参加及び協働による暮らしやすい地域社会を築くため、それぞれの区域を単位として区を設け、区役所を置きます。
 (区長の設置及び役割)
第20条 それぞれの区役所にその長として区長を置き、区長は、区役所における事務を処理します。
2 区長は、前条に定める区及び区役所の設置目的を達成するため、次に掲げる役割を担います。
(1) 区における課題を的確に把握し、参加及び協働により、その迅速な解決に努めること。
(2)区における便利で快適な行政サービスを効率的、効果的かつ総合的に提供するよう努めること。
(3)区における市民活動を尊重した上で、その活動に対する支援に努めること。
 (必要な組織の整備等)
第21条 市長は、区長が前条第2項の役割を的確に果たすことができるよう必要な組織、機能等の整備及び予算の確保に努めます。
 (区民会議)
第22条 それぞれの区に、区民(その区の区域内に住所を有する人、その区の区域内で働き、若しくは学ぶ人又はその区の区域内において事業活動その他の活動を行う人若しくは団体をいいます。)によって構成される会議(以下「区民会議」といいます。)を設け、参加及び協働による区における課題の解決を目的として調査審議します。
2 区長及び市長等は、区民会議の調査審議の結果を尊重し、その内容を区における暮らしやすい地域社会の形成及び市政に反映するよう努めます。 
  第3章 自治運営の基本原則に基づく制度等
   第1節 情報共有による自治運営
 (情報提供)
第23条 市は、市民生活に必要な情報について、市民に積極的に提供します。
2 情報の提供は、分かりやすく、かつ、適時に行います。
 (情報公開)
第24条 市民は、市政に関する情報について、市にその開示を求めることができます。
2 市は、前項の請求に対しては、正当な理由がない限り、これに誠実に応じます。
 (個人情報保護)
第25条 市は、その保有する個人情報について、適切な保護を図ります。
2 市民は、自己の個人情報について、市にその開示、訂正及び利用の停止等を求めることができます。
3 市は、前項の請求に対しては、正当な理由がない限り、これに誠実に応じます。
 (会議公開)
第26条 市長等に置かれる審議会、審査会等(以下「審議会等」といいます。)の会議は、正当な理由がない限り、公開します。
 (情報共有の手法等の整備)
第27条 市は、市民との情報の共有化の積極的かつ効果的な推進並びに参加及び協働による自治運営に資するため、第23条から前条までに定めるもののほか、市民との情報の共有に係る手法等の整備を図ります。
   第2節 参加及び協働による自治運営
 (多様な参加の機会の整備等)
第28条 市は、事案の内容、性質等に応じて次条から第31条までに定めるもののほか、多様な参加の機会を整備し、その体系化を図ります。
 (審議会等の市民委員の公募)
第29条 審議会等の委員には、市民のうちから公募により選任された委員が含まれることを原則とします。
 (パブリックコメント手続)
第30条 市長等は、市民生活に重要な事案の策定に当たっては、市民から当該事案に係る意見を募る手続(以下「パブリックコメント手続」といいます。)を行います。
2 市長等は、パブリックコメント手続により提出された市民の意見を十分考慮して意思決定を行うとともに、その意見に対する考え方を取りまとめて公表します。
 (住民投票制度)
第31条 市は、住民(本市の区域内に住所を有する人(法人を除きます。)をいいます。以下同じ。)、議会又は市長の発議に基づき、市政に係る重要事項について、直接、住民の意思を確認するため、住民投票を実施することができます。
2 議会及び市長は、住民投票の結果を尊重します。
 (協働推進の施策整備等)
第32条 市は、市民との協働による公共的な課題の解決のため、協働を推進する施策を整備し、その体系化を図ります。
第3節 自治運営の制度等の在り方についての調査審議
第33条 市における自治の拡充推進を図り、暮らしやすい地域社会の実現に寄与するため、市民及び学識経験を有する者を委員とする審議会等を設けて、自治運営の基本原則に基づく制度等の在り方について調査審議します。
  第4章 国や他の自治体との関係
第34条 市は、国及び神奈川県と対等な立場で相互に協力し、市政の運営に当たります。
2 市は、他の自治体と共通する課題に対しては、積極的な連携を図り、その解決に努めます。
  附 則
 この条例は、平成17年4月1日から施行します。
トップへ
 

総合企画局自治政策部