「グリーン・ツーリズム」とは、農山漁村地域において自然、文化、人々との交流を楽しむ滞在型の余暇活動です。 滞在の期間は日帰りから、長期にわたるものまで様々で、定期的に同じ地域を訪問する方も珍しくありません。 もともとヨーロッパを中心に始まった考え方であり、都会に住む人々が長い休暇に緑豊かな農山漁村へ足を運び、 自然に囲まれた生活をのんびりと楽しむ休暇の過ごし方のことであり、イギリスではルーラルツーリズムとも呼ばれています。 長期休暇の習慣がない日本の生活様式には馴染まないため、日本人の価値観・生活様式に合致した日本型のグリーン・ツーリズムが模索されています。
 川崎市の南部地域は京浜工業地帯の中心として湾岸部に重化学工業、内陸部に機械電機工業が集積し経済的発展を遂げるとともに、 鉄道が何本も東京に向かって横断していることから、住宅需要の増大から北に向かって市街地が拡大してきました。 他方、多摩丘陵の一部となる北部の丘陵地帯では大規模な市街地開発が進行しているものの、里地に残されている農地も多く、 新鮮な農産物を地元の消費者に供給する役割を担うとともに、里山に残存する雑木林とともに、 緑のオープンスペースとして良好な都市環境の形成に寄与しています。
 本市では、グリーン・ツーリズムを「農」に親しむ機会の確立の一環としてとらえ、併せて、 観光振興戦略の主要施策の一つとして位置づけ、里地里山で育まれてきた農業とその生活空間における史跡などを地域資源として活用し、 観光関連産業として農業との連携を強化し北部地域における農業活性化の柱にしたいと考えています。
 これらのことから、川崎版グリーン・ツーリズムとは、『里地里山が残る北部地域で、都市住民が自然や農にふれあうことで余暇を過ごし、 農を「知る」「体験する」「参加する」活動を通じて農に親しみ、農産物直売所での購買活動や観光農園への入園を通じて農業や関連産業を振興し、 農業者など古くからの住民と交流することで環境学習や相互理解を深める取り組み』としています。