第102回 かわさきデザインフォーラム 開催内容

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2014年7月16日

講演テーマ

『売れるパッケージの作り方』~自社製品を持つ中小企業の方へ パッケージデザインの基本講座~

講師

第102回かわさきデザインフォーラム講師

株式会社プラグ
アカウント・エグゼクティブ  冨澤 慈人 氏

講演内容

今回のデザインフォーラムは自社製品を現在持っている中小企業や、これから検討している企業に向けて、パッケージデザインの基本を学ぶことを主題として実施され、44名の来場があった。

講師にはパッケージデザイン会社の株式会社プラグでアカウント・エグゼクティブとして年間100商品を超えるパッケージデザイン制作、コンサルティングに関わる冨澤 慈人氏を招いてご講演いただいた。

今回の講演では、大きく3つの内容(パッケージデザインの役割、評価、オリエンテーション)を説明するとのことで、まずは「パッケージデザインの役割」について説明があった。

パッケージデザインの役割には、5つのポイントがあるという。
1つ目は、「トライアルの実現」。まず消費者に買ってもらわなければならないが、店頭で目に留まるのはほんの一瞬。その短い時間で商品の魅力を正しく伝えなければいけないので、「伝えることを絞る」必要がある。商品のコンセプトの中では最も伝わる一点に集中して、「伝わる言葉に磨きあげる」ことが必要とのこと。

2つ目のポイントは、「一貫したコミュニケーションの実現」。パッケージは顧客とのコミュニケーション(パッケージや宣伝、広告、店頭POP等)の最初の制作物であるので、その後の店頭POPや広告など全てに大きく影響する。それを想定したパッケージができていれば効果的な広告・宣伝が実現できるとのこと。

例えばある薬のパッケージでは、商品の特長が一目でわかるグラフィックを作成。それをパッケージや店頭POP、CMなどにも展開できたので、統一したイメージを与えることができ、商品の販売促進につながったという。

3つ目のポイントは、「ブランド資産の構築」。ブランドを構築する上で、パッケージは「何度も目にする」「触覚にも訴えられる」「潜在顧客にも店頭で訴えられる」という3点で非常に大きな役割を占めるという。

また、ブランド構築するための要素の順位が1.色、2.形、3.ロゴという順番であり、これらをうまく使えば顧客の記憶に残る強いブランド資産になるという。講演では例として、赤一色に塗られた缶と青一色に塗られた缶の写真が映され、それぞれ何も書いていなくてもコカコーラ、ポカリスエットを想起することができる、と説明があった。

また、ブランド構築のポイントとして「変えない」ことの重要性の説明があった。老舗のブランドはわかるかわからないかぐらいのレベルで少しづつ変えている。そのままでは古く感じられてしまうが、大きく変更してしまうとブランド資産としての蓄積がなされない。例としてポッカコーヒーやブルガリアヨーグルトのパッケージの変遷が説明された。

役割の4つ目のポイントは、「商品価値を高める」。例としてデザイン自体でおいしそうに見えたり、パッケージ自体に機能が付随されていたりして商品の価値を高めている商品が紹介された。

5つ目のポイントとして、「経験価値を高める」。パッケージは購入後、使用中や廃棄時にも手に触れるので価値を高めることができる。例として、Macの高級感のあるパッケージや、DUCATIのバイク全体を包む木箱などが紹介された。

次に、「パッケージデザインの評価」について説明があった。パッケージデザインの評価基準は、感性的な面以外で4つの点「ABCD」がポイントになるという。AはAttention、目立つかどうか。BはBasic、「らしい」か。CはConcept、コンセプトが伝わるか。DはiDentity、アイデンティティがあるか。

Aの「目立つか」という点は、競合製品を買ってきて店頭の棚を再現して新デザインを置いてみるとわかりやすい、という。Bの「らしいか」というのは、製品パッケージにはそのカテゴリーらしさ、というものがあり、ここを守らないとそもそも選択肢に入らないという。例えばカレーの箱は横長だったらルー、縦長だったらレトルトのインスタント。食品ごとに色もイメージがあるという。

Cのコンセプトが伝わっているか、というのは重要な要素で、店頭で消費者がパッケージを目にするのは1、2秒であるため、短時間で正確に伝わることが必要とのこと。また、コンセプトとは顧客のメリットであり、さらにコンセプトはさまざまな切り口の可能性がある、ということを例をあげて説明した。

Dのアイデンティティがあるかどうか、という点は、これがあればゆくゆくその商品をどのポイントで覚えてもらえるかというフックになるので重要、とのこと。

次に、「パッケージのオリエンテーション(デザイン依頼時の説明項目)」について説明があった。さまざまな失敗の例をあげ、逆にその裏返しをやればうまくいくという。重要なのは必要な項目についてきちんと伝えること。その項目は、1.ターゲットのイメージ、2.ターゲットのニーズ、3.企画の背景、4.ブランドのコアバリュー、5.ブランドの体系、6.商品コンセプト、7.商品特徴、8.商品名、9.キャッチコピー、10.棚の説明、11.競合商品、12.目指すべきポジション、13.価格、(14.デザインイメージ)とのこと。

最後に、よくあるトラブルとしてデザイン内の要素が勝手に他の商品やwebやPOPに使われることが紹介された。本来は著作権でデザイナー側にあるが、法律的な解釈によってグレーゾーンが大きいので、最初に取り決めをしておくことが重要であるとのこと。

終了後には交流会も実施され、多くの参加者が講師に直接質問をしたり、参加者同士で情報交換をしたりするなど、大いに盛り上がった。

開催日・会場

2014(平成26)年7月12日
川崎市産業振興会館

お問い合わせ先

経済労働局 次世代産業推進室
電話:044-200-0168
ファクス:044-200-3920
メールアドレス:28sangyo1@city.kawasaki.jp
住所:〒210-0007 川崎市川崎区駅前本町11-2 川崎フロンティアビル10階