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第20回かわさき産業デザインコンペ 入賞作品一覧

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2016年7月30日

グランプリ

課題E :  マグネシウム合金の特性を活かしたステップラダー/ステップスツール
作品名:Flip Stool
入賞者:FUJIMARU DESIGN STUDIO 藤丸 祥次

第20回かわさき産業デザインコンペグランプリ作品

審査委員コメント

森山審査委員長
指1本で持ち上げることのできる2.8キロという軽さが感動的である。移動、収納、折りたたみ可能な脚立・踏み台という課題条件を満たした上で、子どもの椅子と机にも使用できる拡張性、空間との適合性が評価できる。

戸谷副委員長
マグネシウム合金の特性を活かした、軽量で剛性に富んだ美しい作品。ステップ上の滑り止め、回転させて使用する1段目のストッパー構造など、必要なポイントの詳細を詰めれば、マーケットに広く受け入れられるだろう。

福田審査委員
軽量材料の特性を良く活かした構造で、単純な構成ながら多用途への展開も容易であることなどよく考えられているい。また移動の際にも、手に持ちやすいよう配慮された形状として作られていることなどを評価したい。

武者審査委員
マグネシウム合金採用による「超軽量」と「強度」を、家具としてほど良いプロポーションバランスの中に納めた高レベルのデザイン提案である。新商品化に向けて審査員判断によるデザイン改良を認めた好事例となった。

倉方審査委員
素材の特性と特殊技術の融合が生んだ、普段使いの奇麗な日用品といえる。今までこの様な曲げ加工が難しかった事が、嘘の様に思える完成度。小指一本で持ち上げられるほどの軽さに感動を禁じ得ない。
 

受賞者コメント
今回は、今まであまり家具に使用されてこなかった、マグネシウム合金という素材を用いてのデザインという、大きな挑戦でした。
マグネシウム合金の超軽量性と剛性を活かすように、最小限の構造で、見た目の軽やかさを出しました。また、手がけをフレームと一体化して付けることで、誰でも簡単に、そして安全にステップ部の出し入れができます。座面下に、反転して納まったステップ部は、収納として機能します。
シンプルなデザインですので、キッチンやリビング、どんな生活空間にもフィットします。ステップ部をしまっているときに、軽く持ち運べ、収納やサイドテーブルとして機能できる点は、デザインの大きなアピールポイントとなっています。
公開最終審査会で貴重なコメントやアドバイスを頂きました審査委員の方々と、課題提出企業であり、試作のご協力を頂いたマクルウ様には、心より感謝申し上げます。栄誉あるグランプリを頂くことができ、本当に有り難うございました。

優秀賞

課題A : 板金の特性を活かした新しい生活用品
作品名:bend-base~風にたなびく一輪挿し~
入賞者:中込 明

優秀賞作品

審査委員コメント

(森山審査委員長)植物は揺れている姿が美しいという観察に基づくフラワーベースは、「風にたなびく」というにふさわしい。硬質なステンレスをできる限り薄くするという真逆の試みが奏功。多様な生活シーンに対応できる点も好ましい。

(戸谷副委員長)ステンレス板を打ち抜き、それを曲げ、台座に留めることで、美しく凛とした花挿しを構成している。それが風などで揺れるさまは、見ていて心地よい。複数並べる際の台座のサイズや種類などを吟味して、商品化につなげてもらいたい。

(福田審査委員)金属の板金特性を活かしたものには、箱ものなど薄くても堅牢な製品が数多くある。逆にこの作品は、金属の薄板を曲げ、風を受けて揺れ動く形態としている。主役である花の引き立て役として期待したい。

(武者審査委員)ステンレス薄板を屈曲させた花瓶ベースはしなやかに「撓み」揺れることで、新たな草花の見方感じ方を提案してくれるものである。台座との取り付け方も良く検討されたものだった。

(倉方審査委員)日頃、無機的な冷たさを感じてしまう金属板を、この作品では見事に有機的な生命力を与えた生まれ変わらせた。清掃性や操作性という点で、商品展開へは少し課題が残るが、シリーズの広がりが楽しみである。

課題C :  石で「和」を感じさせる生活用品
作品名:KOU-KI~和柄文様の香りのうつわ~
受賞者:門脇 太一

優秀賞作品

審査委員のコメント
(森山審査委員長)近年のデザインには形の新規性・珍奇性を目指さず五感に訴えることを重視する傾向がある。この作品はそうした潮流に連なる解答であると同時にうつわの概念を拡張する。歴史ある和柄に適合する新たな香りも期待したい。

(戸谷副委員長)正方形の石板に和柄を彫り込んだもの、と言ってしまえばそれまでだが、『海外からの観光客が日本を意識できるようなもの』という課題趣旨に沿った秀作である。使用するアロマオイルと石材との相性を熟慮しながら、商品化を実現してもらいたい。

(福田審査委員)石盤表面の感触は、焼き締めたタイルとはひと味違ったテクスチュアを備え、また伝統的な和の文様をあしらい水分を含む工夫が施してある。太古の素材”石”に学ぶ新しい用途開発の例として注目しておきたい。

(武者審査委員)石材表面にはマスキング+サンドブラストにより美しく吟味された文様が施されており、デザインフィニッシュレベルは高いものだった。サイズ的にもっと大きく重い等の存在感を持ったスケールバリエーションも欲しいと感じた。

(倉方審査委員)オイルをたらした時のテクスチャーの変化や柄と香りの意味性など、ギフトとして見た時に良い意味で送り手のセンスがかなり問われるだろう。それを乗り越えると、新しい習慣として定着する予感がし楽しみである。

課題G : 博物館・美術館館内員が使用する椅子
作品名:maro-n(マローン)
受賞者:岩手県立産業技術短期大学校 鈴木 杏梨


審査委員のコメント
(森山審査委員長)岩手県の女子学生による周囲に「とけこむ」この椅子は、栗あるいはまろやかさを目標とする。長時間の使用にも耐えるクッションは地元企業の協力を得たすぐれものという。自然物と人工物双方への目配りに共感できる。

(戸谷副委員長)博物館、美術館などの落ち着いた空間に優しく馴染むフォルムが特徴的。また、作者の地元企業の技術を活用(座面の裏側、坐骨が当たる部分に穴を設け、快適さを確保)することで、館内員の長時間の利用にも配慮がなされている。

(福田審査委員)四角いことが多い館内隅部分などへの対応に配慮されている。元来派手さは求められていない。安定した形状や色彩計画に加え座り心地への研究成果を取り込み、座面下への手回り品収納などよく考えられている。

(武者審査委員)非常に狭い限定されたデザイン条件を良く理解し、それらの空間において違和感なく使用できる様に纏めた秀作であった。協力企業のパテントも採用するなど、今後の商品化も期待している。

(倉方審査委員)何気ない佇まいの小さな背もたれ付き椅子。しかし、使用状況のシナリオがその中に隠れていた。長時間着席に絶えられる様に、作者の地元産業のクッション技術を取り入れるなど、気持ちがデザインに反映している。

課題G: 博物館・美術館館内員が使用する椅子 
作品名:ERINGI
受賞者名:小池 峻

優秀賞作品

審査委員のコメント
(森山審査委員長)座面のそり返し形状が魅力的であるばかりか、軽い動きで椅子全体が回転することに驚きがあった。そのことで座る館内員が「寛いでいるように見えない」という意図が達成されており、シーンとの適合性が高い。

(戸谷副委員長)柔らかい形状や色調、素材感などが博物館、美術館のみならず、公共の空間に優しく調和する。あえて背もたれをなくしスツールとしたことで、館内員の背筋を伸ばし、空間に適度な緊張感を与えることにも成功している。

(福田審査委員)エリンギに見立てた柔らかく優しい有機的な形状は、床に置かれるというより生えるオブジェとしての魅力がある。またこの独特の形の椅子は、座ることで主張せず、人の陰に消えていくところが最大の魅力でもある。

(武者審査委員)緩やかな曲面を持ったシンプルな形態は心地良いが、1台がポツンと置いてあるよりも複数台が並ぶシチュエーションの方が、より一層「きのこ感」を演出する様に感じた。高さ違いのバリエーション展開も当を得ていた。

(倉方審査委員)専用備品を定番化させるには、さまざまなシーンの仮説を解決する事が必要だ。この作品では、バックレストが無い代わりに、くるっと腰が回転させて、身体の向きを変えられる。かゆい所に手が届く椅子になるだろう。

入賞

入賞作品

課題B : 保育園・幼稚園で使用する木製主体の据え置き型万華鏡
作品名:鏡の森の切り株おばけ
受賞者:金野 一正


課題C:石で「和」を感じさせるメタルクラフトキット
作品名:OHORI
受賞者:古家 海


課題E:超精密ピン・シャフト加工技術が生み出す新しい生活用品
作品名:Shaft-Jewelry
受賞者:山口 幸宏


課題F:「数理造形」を感じさせるメタルクラフト・キット
作品名:ORINGE
受賞者:河本 匠真


課題G:博物館・美術館館内員が使用する椅子
作品名:Timpa
受賞者:坂根 和昭

審査を終えて

 20回を数える今回の受賞作は、コンペの趣旨である製品化の可能性がこれまで以上に高い点で、“継続は力なり”を実感することとなった。その意味で、審査委員として、川崎市、協賛企業、応募者をはじめとする関係各位に深く感謝の意を表したい。全体のテーマ「技術・素材で彩るシーン」を熟考した応募が目立ったことが製品化につながりそうな要因であって、喜ばしい限りだ。

 プロダクトデザインは人々が抱く事物についての根源的なイメージに適合する素材と製法によって感動をもたらすことができることを証明した感があった。このことは、デザイナーのだれもが取り組んできた変わらぬ姿勢なのだ。そのため、グランプリ受賞作品「Flip Stool」からはジオ・ポンティの超軽量の名作椅子「スーパー・レジェーラ」を想起した。多機能な用品がその機能を活かせない理由の一つは重量にあり、マグネシウム合金によってこの課題を解決している。また、優秀賞の「bend-base」は試験管を使用したことで、素材も形状もまったく異なるものの、理化学研究所を子ども時代の遊び場とした倉俣史朗のアクリル製のフラワーベースも思わせる。

 風になびく野の花の揺らぎを切り花でも感じさせる。オーケストラの主役になることのないティンパニーを博物館・美術館の館内員が使用する椅子のイメージの源泉とする。入賞作にはこんな記述もあった。イメージの源泉には自然物も人工物もともにあり、そうしたイメージが現代の生活シーンを豊かなものとしてくれる。デザインは人が生きることを下支えすることを本望としたらいいのだと、あらためて感じさせる二十歳のコンペであった。

 

第20回かわさき産業デザインコンペ

審査委員長 森山 明子

第20回かわさき産業デザインコンペについて

お問い合わせ先

川崎市 経済労働局イノベーション推進室

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