平成18年度川崎市化学物質環境実態調査の結果について

　本市では、環境省の調査において魚類に対して内分泌かく乱作用があると推察されている物質、生体ホルモン物質、化管法に基づく届出において公共用水域へ排出のある物質等から調査物質を選定し、環境調査を実施しています。平成18年度は表1に示す10物質について、水質7地点（河川4地点、海域3地点）、底質3地点（海域）で調査を実施しました。

（1）河川
　平瀬川（平瀬橋）、三沢川（一の橋）、麻生川（耕地橋）、矢上川（日吉橋）の4地点について、10月に調査を実施しました。調査対象10物質のうち、5物質が検出されました。このうち、ビスフェノールA及びo,p’-DDTの2物質は、すべての地点から検出されました。ノニルフェノール及び4-t-オクチルフェノールについては、すべての地点で予測無影響濃度（＊）を下回っていました。

＊予測無影響濃度：魚類に対して内分泌かく乱作用がないとされる水中濃度
ノニルフェノール：0.608μg/L　4-t-オクチルフェノール：0.992μg/L

　NDは検出下限値未満であることを示す。

　NDは検出下限値未満であることを示す。

　扇島沖、京浜運河千鳥町、京浜運河扇町の3地点について、8月に調査を実施しました。調査対象10物質のうち、5物質が検出されました。このうち、ノニルフェノール、ビスフェノールA、o,p’-DDT、ポリ（オキシエチレン）=ノニルフェニルエーテルの4物質は、すべての地点から検出されました。

　NDは検出下限値未満であることを示す。

　環境省（当時、環境庁）は平成10年度に環境ホルモン緊急全国一斉調査を実施し、その結果、川崎市の排水路から予測無影響濃度を上回るノニルフェノールが検出されました。（ノニルフェノールの予測無影響濃度は、平成13年に環境省の試験により0.608μg/Lと示されました。）このため、川崎市では、予測無影響濃度を上回っていた排水路について、継続的に水質調査を実施しています。平成18年度は平成17年度に引き続き、宮内排水路多摩川合流前地点及び合流上流700m地点の2地点について調査を実施しました。その結果、合流上流700m地点では予測無影響濃度を上回っていましたが、多摩川合流前地点では予測無影響濃度を下回っていました。