◆ 福祉サービス第三者評価結果 ◆

■認可保育所
厚生館愛児園
運営主体 社会福祉法人 厚生館福祉会
住所 多摩区 菅稲田堤1-11-8
定員 120名
評価実施年月 平成19年2月〜3月
結果公表 平成19年 6月
評価機関 社会福祉法人 川崎市社会福祉協議会

総括表 分類別結果 家族アンケート 事業者コメント
評価方法
自己評価
(実施期間)

平成19年2月2日〜2月26日
○全正規職員が個別に自己評価を行った上、職員会 議を2回開いて、評価の取りまとめを行った。

○主任・副主任が最終確認を行って取りまとめたもの を、園長が確認した。
評価調査員による評価
(訪問調査)
3月13日、3月14日
○第1日の午前中は、園長・主任より園の概要の説明を 受けた後、施設内見学。その後各クラスにわかれて保 育観察を実施し、幼児と共に昼食をとった。午後は書類 調査、その後園長・主任等へのヒアリング調査を実施。 (保育の流れに合わせて、午後も保育観察を一部実施)

○第2日は主任・保育士等へのヒアリング、書類調査、 および保育観察を並行して実施。昼食は幼児と共に。
利用者家族アンケート
(実施期間)

平成19年2月2日〜2月26日
○厚生館愛児園利用者(116世帯の保護者)を対象に 実施。

○2月2日 利用者アンケートを厚生館愛児園あて送 付。

○2月2日〜2月26日(3週間)
保護者が無記名にて記入のうえ、封緘。厚生館愛児園 に設置の回収ボックスにて回収。

○2月26日 厚生館愛児園より利用者アンケートを返 送。評価機関にて集計。(回収85通:回収率約73%)

総評(評価結果についての講評)

園の概要
 厚生館愛児園は、家庭婦人の社会進出にともなう児童の福祉対策の一環として、地域の要望と期待に応えるため、戦後間もない昭和27年に川崎市の菅に初めての児童施設として誕生し、平成19年2月に創立55周年を迎えました。
 JR南武線から徒歩5分に位置する園の定員は120名、開所時間は朝7時から夜7時まで(土曜日は5時まで)、受け入れ月齢は生後5ヶ月からです。現在の入所児童数は、乳児(0~2歳児)が58名(定員は40名)、幼児(3~5歳児)が81名(定員は80名)の合計139名です。職員は、保健師1名、栄養士3名、事務員1名を含む25名の正規職員と、12名の非常勤職員が従事しています。
 昨年までは、「丈夫な身体をつくる。何事も好奇心を持ち自分でやりとげる力を養う。思いやりのある心を養い、心の豊かな子どもになる。」を基本方針・保育理念として保育を実践してきましたが、創立55周年を機に、この方針・理念を具体的に表現した理念・保育方針・保育目標が以下の通り改めて整備されました。

【理念】
 至誠 〜まごころこめて〜   
【保育方針】
 夢 愛 育ち 学び
【保育目標】
 「豊かな感性・創造性の芽を養い、子どもの夢をはぐくむ」「自然・生  物に愛情をもち、思いやりの心を育てる」「食べ・遊び・眠り、心身共に健康な子どもを育てる」「人生に必要な知恵を学び、生きる力をはぐくむ」

 厚生館愛児園は、社会福祉法人 厚生館福祉会により運営されています。この法人は、当園をはじめとして近隣に保育園を2園運営し、定員は3園合わせて390名、職員は総勢136名になります。園内には定員65名の学童ホール(学童保育)も併設しています。また、この4月からは、更に1園を川崎市の指定管理者として運営しています。

特に優れている点

1.感性・創造性・生きる力をはぐくむ保育の取り組み
 「豊かな感性・創造性の芽を養い、子どもの夢をはぐくむ」ことをねらいとして、園舎の随所に芸術的な装飾が施されています。幼児クラスでは長年にわたり絵画教室が実施され、その中で、自由に絵を描く楽しさや様々な素材を使って作品を作る楽しさを体験させ、表現への感性を育んでいます。また、園庭には、ザクロやアケビ等の実のなる植物や四季折々の草花を植え、季節の変化を感じられるよう工夫しています。また、目先の成果にとらわれることなく、「人生に必要な知恵を学び、生きる力をはぐくむ」ことを目指して、食育指導や異年齢保育等を含む日々の保育が実践されています。

2.良き社会人としての職員を育てる取り組み
 良き保育者は、まずは良き社会人でなければならないとの園長の考えから、「コミュニケーション力」や「自己開示できる力」をテーマに、自らの課題を事前に考え、研修を通して挑戦・達成すること等を目的とした職員研修を行うなど、人間教育に重点をおいた研修が実施されています。待遇、昇格の目安もオープンにされ、3年以上勤続者でアジア、5年以上で欧州への海外研修が実施されるなど、職員一人ひとりのモチベーションを高く維持し、長く勤められる就業環境となっています。
 社会人教育のひとつとしても行われている、同法人運営の3園合同の職員同好会活動(太鼓、ブラスバンド、コーラスクラブ)には多くの職員が積極的に参加し、保育者のチームワークづくりにも役立っています。

3.民主的で合理的な園運営
 当園の園長は、運営法人の理事長も兼ねていますが、園の重要事項は、同法人運営の3園の園長・主任により構成され毎月開催される「園長・主任合同会議」で審議・決定しています。日々の保育の運営に関しては、主に2人の主任保育士に任せ、他の職員にもそれぞれ委員会・係等の役割を配し、職員一人ひとりが責任を持って役割を果たすことが求められる体制が築かれており、毎週の職員会議や毎月の大職員会議は、より良い保育を目指して職員が自由闊達に発言できる場となっています。
 3年前からは、すべての保護者を対象にした「利用者アンケート」を実施し、集約された意見については、要望・疑問等に対しては一つひとつ園としての考え方や方向性を明確にしたコメントをつけて、すべての保護者に返す等、園に関わる保護者・職員皆による民主的で合理的な園運営が実践されています。


今後取り組みが望まれる点

1.従前あたり前と捉えている価値観の振り返りと、新たな研修・啓発活動の実施、非常勤職員の研修の実施
 長年にわたり保育を実践してきた園では、子どもの人権への配慮や外国人市民の子どもへの配慮、および性差に関する先入観や固定観念の払拭等については、ごく当然のこととして保育を行ってきたため、取りたてて職員の研修内容としてとりあげることはしていません。しかし、時代により園および職員に求められる質が変化していることもあり、今後はこれらについて積極的に職員研修として取り組まれ、また、保護者も含めた啓発活動が実施されることが望まれます。特に、川崎市が地域性を勘案して制定した「川崎市子どもの権利条例」についても勉強し、励行されることを期待します。
 そして、保育技術に関する研修等も含め、非常勤職員にも研修の機会を設けて実施することで、更に質の高い保育が提供されるものと思われます。今後の取り組みに期待します。

2.地域における積極的な子育て支援活動と交流の実施
 園は55年の歴史を持ち、周辺住民の多くが卒園生でもあり、地域に根付いた保育園ですが、5年前に開設された当園から徒歩圏内にある同法人運営の保育園が「地域子育て支援センター」としての機能を有していることもあり、厚生館愛児園独自の地域の子育て支援活動は、毎日の園庭開放等以外には、あまり積極的には行われていません。また、毎年の「あいじえん祭り」が地域行事の一つとなっていますが、利用者アンケートでは、「地域と園の交流は積極的に行われていると感じられていますか」において、33%(28名)が「どちらともいえない」と回答しています。園には長年培ってきた子育てに関する技術や知恵・知識があり、また、伝統ある施設として地域における存在感やネットワークがあるのですから、今後はこれらを活かして、子育て情報の発信や交流保育等の「子育て支援活動」や、ボランティアの積極的な受け入れや高齢者との触れ合い等の「地域との交流」を日常の保育活動の中に位置付け、積極的に実践されることを期待します。

3.保護者が気軽に相談できる機会や雰囲気作り
 利用者アンケート3−(4)−1「園の保育について、あなたの意見や意向を伝えることができますか。」について8%(7名)が「どちらともいえない」、3-(4)-5「クラス担任が不在でも、他の保育士等に日中のお子さんの様子を気軽に聞くことができる雰囲気がありますか」について14%(12名)が「どちらともいえない」と回答しています。これらの項目について、「はい」の回答はいずれも80%を超えているので、園からの働きかけにより、更に保護者が気軽に相談できる雰囲気作りが行われることを期待します。


評価結果(PDF版)(575KB)


川崎市健康福祉局総務部企画課

【問合せ】メールアドレス:35kikaku@city.kawasaki.jp 電話:044-200-2630