◆ 福祉サービス第三者評価結果 ◆

■認可保育所
出来野保育園
運営主体 川崎市
住所 川崎区出来野6-7
定員 90名
評価実施年月 平成19年10月〜平成20年3月
結果公表 平成20年 3月
評価機関 株式会社 R−CORPORATION

総括表 分類別結果 家族アンケート 事業者コメント
評価方法
自己評価
(実施期間)

平成19年5月16日〜平成19年12月9日
個別(2時間)に自己評価を行い、職員会議を3回(2時間×3回)開催し、評価の取りまとめを行なった。
評価調査員による評価
(実施日)

平成20年1月30日、1月31日
3名の評価調査員が評価項目を分担して調査を行なった。自己評価結果及び利用者アンケートの分析結果を元に、園長及び次席に対してヒアリングを行い、自己評価結果を確認した。職種に関わる評価項目については、主任保育士(幼児・乳児担当者)、看護師、栄養士にヒアリングを行い確認した。保育内容及び保育環境等の観察が必要な評価項目を確認した。書類等の整備が必要な評価項目や自己評価の根拠に掲げている書類、資料等は現物を確かに確認した。
利用者家族アンケート
(実施期間)

平成19年12月8日〜12月19日
当保育園利用者80世帯に、保育園を通じてアンケートを配布し、保護者記入後(無記名)、返送用封筒に封入の上、評価機関が用意した回収箱を園内に設置して頂き、保護者に投函してもらい回収する方法とした。回収されたアンケートは、自己評価及び事前提出書類一式と合わせて保育園より評価機関に返送頂いた。

総評(評価結果についての講評)
職員は、子どもに対して、分かりやすく温かみのある、おだやかな言葉で接するように心掛け、接遇の研修も実施して研鑽しながら対応に努めている。また、対応する際、せかす言葉や制止する言葉は不必要に用いないようにしているが、状況に合わせて配慮をする際、せかすのではなく、支援する意味合いで用いる場合もある。また、子ども一人ひとりへの理解を深め受容し、特性を職員全員で共有し、個々に応じた対応に努めている。うまく表現できない子どもには、気持ちを受け止め、言葉添えをし、適切な援助に努め、保護者においても、親が迎えに来るのを時間が延長してでも待ち、状況を伝え、直接話すように配慮している。泣いている子どもに対しては、抱いたり、スキンシップを行ったり、やさしく声をかけをして配慮し、園長も心配りに努めている。基本的な生活習慣については、子どもの自主性を尊重し、家庭での様子の把握に努め、活動と休息のバランスを取りながら保育に努め、クラスを超えて配慮に努め、クラス以外の事務室でも受け入れをしながら対応している。排泄については、強要せず、家庭の状況を把握しながら、子ども一人ひとりのリズムに併せて自立に向けて対応している。お昼寝では、家庭での起床・就寝の時間を把握し、心地よい睡眠とつなげるよう努め、入眠前に本の読み聞かせなどを実施し、安心して心地よい眠りに誘っているいる。どうしても寝れない子にはプレイルームや事務室を活用し個々に対応している。

 子どもの活動できる環境について、年齢に応じた小グループの活動を推進し、園の特長でもあると感じる。何かの遊びに熱中している場合は、ヘルプの職員が対応し、次のカリキュラムに入ることもあり、子どもを尊重し臨機応変に対応がなされている。この場合にも小グループ分けの体制が生きてくる良い点である。小グループ対応は、発達の度合いに応じており、遊びも同じ様な年齢傾向に集められており、活発な遊びへと発展している。また、年齢に応じた遊具をそろえて、遊具・玩具が適切に提供できるように工夫されている。各クラスの素材や用具は、子どもの目の高さに合った配置とされ、使いやすい環境に工夫されていた。部屋コーナーに分けられ、好きな遊びがいろいろとできるように併行して工夫されていた。「手作り楽器」で自作自演の歌の演奏を行ったり、さつま芋を収穫した後のつるを活用した遊びで創造を養ったり、稲の栽培等の生育を楽しんだり、自然な素朴な素材を生かした活動から感性も養われている育みをしている。また、季節を感じ、味わう感性の育みに取り組み、移動動物園、青虫の飼育、稲の栽培、畑のさつま芋、野菜などを通じて、「生」と「命」の大切さを育てている。数や量に関しては、食事から親しむことを覚え、生活から自然と吸収できるように導いている。園の近くには様々な散歩コースがあり、例えば相撲部屋(春日山部屋)を通るコース、お大師コース、多摩川コースなどあり、お相撲さんとのふれ合いがあったり、多摩川河川敷での凧上げの貴重な体験など、様々な人と接しながら社会性が身に付くようにしている。近くの老人施設とも交流があり、年長者との交流も恒例となっている。

 表現活動としては、発表の場を提供できる環境に工夫を図っている。「わんぱく発表会」というのがあり、乳児も飛び入りで参加したり、歌ったり踊ったり、楽器を楽しむ活動を積極的に行っている。特に楽器は手作りの楽器を作り演奏を行い独創性を養う育みとなっている。クレヨン、粘土、紙などの素材は自由に使えるように配置してある。園庭では、うんていや鉄棒、マルチパーツなどを使って自由に遊べるよう配慮している。絵本の貸し出しでは、家庭でのコミュニケーションの働きかけとなっており、「絵本プロジェクト」グループが購入、修理、管理、お便り発行など、年間計画の立案、実施をし、本の読み聞かせを大切にしている。紙芝居では、隣の園と交換をして子どもに新しいものを提供し、活性ある取り組みをしている。そして、一人ひとりの「お絵かき帳」を作り、作品は展示し、保管し、年度の終わりには記念として家でも保管しやすいように、作品袋を作成し、お返ししている。いい思い出作りの一環の思い遣りある取り組みである。遊びや生活を通して、園では、子どもに「ルールーを守りながらの自由」について、何故だめなのかを説明しながら、子供が「考える」ことを援助し、言葉がけを添えながら、人間関係が育つように配慮している。子ども同士の喧嘩の際には、保育士がお互いの思いを代弁し、自分の思いを伝え切れない子については仲介して思いを伝え、一人の人間として尊重し、笑顔と優しい声で接し、自立性を促しながら解決出来るよう援助している。心の育みにおいても、年齢に応じて、活動する時の並び順や手伝いを通じ、喜びや誇り、自信に結び付け、年長者への憧れと大きくなることへの期待を育てるよう心掛けている。社会性が身につくよう、園では、年齢別の”3人兄弟トリオ”の取り組みをしている。運動会でも縦割りゲームを行い、年長から年中への引継ぎ等では、年長のプライド、年長者へのあこがれなどを異年齢交流で身につける機会となっている。小さい子はこのトリオを通し、大切なものを育み、大きな子も自覚が生まれている。園の良いところである。

 日常の生活の中では、子どもが自分の思いや意見を大人にはっきり言うことが出来るよう配慮し、尊重している。互いに思いやり、相手の立場に立ち、互いが発言を受け止められるよう促し、「人として尊重しあう」ことを大切に育んでいる。また、一人ひとりの子どもには異なる心身の発達、生活習慣や文化、家庭の事情、考え方に違いがあり、折に触れて知らせていくよう努めている。子どもの人権については、職員は研修に参加し、全職員で話し合い、保護者にも周知し、啓蒙に努めている。性差については、あるがままの「人」として尊重し合うことを大切にし、性の特性はあることを理解した上で固定観念の押し付けがないよう職員は互いに研鑽し、男女共同参画社会、川崎市権利条例などに基づき保育者同士、確認・研鑽している。また、保育中で服装、遊びなどに、性差による固定的な対応はしていない。保護者にも男女共同参画社会について、折を見ながら話し合う場を持ち啓蒙している。そして、保護者に保育参観を通し、公平・平等を心掛けていることを見て実感して頂いている。乳児保育については、授乳・離乳食について、期初計画を作り、保護者と連携を図り実施している。個別の献立に配慮し、乳児打ち合わせ時に進捗状況を報告し合い、離乳食状況の逐次連絡を取り合い、体調の変化には変更を配慮した取り組みを行っている。朝の預かりの段階で家庭での睡眠状況を聞き、家庭での睡眠状況一覧表を作成している。昼寝時間が不足している時は、牛乳パックで作ったサークルで区分けされた奥の睡眠スペースで寝かせる配慮をし、午前、午後ともお天気なら、出来るだけ戸外に出るようにしている。保育士を3人配置し、全員でなくとも外に出るように考慮している。喃語については「目を見て話す」「繰り返して話す」「高目の声で擬音を使って話す」「笑顔で話す」「ゆったりした動作で話す」などを心掛けている。

 寝返りが出来ない乳児については、仰向けに寝かしているが、仰向けでは寝つきの悪い子についてはそのまま寝かせ、寝付いたら仰向けにしている。15分毎に睡眠状況を確認し、記入手引書の付いたチェックリストに記入している。特に4月から6月は乳児が小さいので注意をはらっている。職員は、一人ひとりの要求に応えて、ゆったりと接している。現在延長保育の0歳児は2名いて、子どもが同じ保育士に馴染んでもらえるように、延長では同じパートの職員が担当している。(保護者担当は正職が対応)徐々に人間関係が出来た頃には、ゆる目で対応してクラスで見るようにしている。職員に関しては、ローテーションで配置し、土曜日については、メインをフリー職員が間を埋める配慮をしている。保育では、家庭での生活を日々把握し、保護者との連携を密に、個々に合わせたきめ細かい保育に努めている。クラス別引継ぎについては、延長から翌日への引継ぎをミーティングノートで、時間保育から延長保育への引継ぎは、引継ぎノートで行っている。長時間保育では、1日の大半を園で過ごすことであり、子どもにとっても大変な負担を考慮し、子どもの要求に応えてゆったりと接し、くつろげるようにすることは大切なことと考え、延長保育では、フリールームを使用し、延長保育用遊具を用意しいる。遊具は、あやとり・カルタ・パズル・紙・折り紙などがある。あやとりは年長になると園から自分用のものをもらえることになっていて、年長のステータス的遊具であり、あやとりで遊べる喜びもある。 延長保育は、いちご組と言われるフリールームに全園児一緒に行われることになっており、異年齢の子どもが一緒に保育され、異年齢交流が実現している。年長者が年少者の面倒を見るケースなど生まれている。0歳児用の遊具の常設や乳児用マットも準備してある。

 日中の保育の引継ぎ、又翌日への伝達事項については、書面及び口頭で確実に行われている。遊具の清潔に心掛け、時期に応じて入れ替えを行い管理されている。また、個別指導計画があり、職員会議やミーティングの中で、検討が図られ職員へ周知を図っている。同じフロアーの職員は同じ接し方をするように努めている。職員への周知とは用務職員・調理士も含んでいる。障害児保育については、関係機関(療育センター)とは連携が図られ園の要望に応じて助言、援助を受けている。また、悩んでいることの相談が出来る体制が整っている。障害児については、児童帳(個別指導計画)により毎日の個人連絡帳を有意義に活用し、保護者との連携もスムーズに行えている。障害児専任の先生は短時間勤務なので(9:00〜15:30)、15:30以降は18:00までフリーの先生が入るようにしている。健常児に対する配慮として、子どもの持つキャパシティは広いので障害児を一つの特性として知らせ、同じ様に受け止めることが難しい人もいることを伝え、様々な人がいることを教えながら、障害とは関係なく、人として尊重することを知らせている。現在入園中の障害児は、特に施設改善を必要としない児である。人的サポートとして、障害児枠の先生1名が配置されている。障害児保育に携わる者として、年9回の総合保育研究部会に代表者(今回は専任担当保育士)が参加し、全体職員に伝え、討議し合う事で共通認識を図り、意識向上に努めている。その他の学習会にも積極的に参加し取り組んでいる。保育懇談会では、園から伝えるより先に障害児の保護者が直接状況を伝えてくれ、そのような中で、その後の会でも他の保護者から温かいフォローの情報を頂くなど、良い関係が構築されている。保護者と園で連携し、保護者の気持ちを受容し、一緒に育てる体制で保育に努めている。また、療育相談の結果を一緒にサポートするように努め、保育士は担任その他の垣根は無く、園全体で共に育んでいる。

 健康に関して、園独自の具体的なマニュアルがあり、事務室に保管され、いつでも閲覧できるようにしており、また、トイレなど特定した場所については、配置している。マニュアルのうち、ある特定の状況(感染症流行など)の場合は玄関前の掲示板で医師による情報を掲示して周知する他、保育説明会資料において啓蒙している。一人ひとりの子どもの健診結果はその日のうちに書面や口頭にて保護者に伝えている。書面とは乳児は連絡帳、幼児は口頭で連絡し、連携は保たれている。また、看護師が毎日視診を行い、担任と連携を図り、健康状態の確認を毎日行い、職員で話し合いを行い、保育に反映している。日中異常が見られた際は、園長、看護師に速やかに伝え、確認し、対応すると共に、必要に応じて保護者にも伝えている。前日の子どもの様子を口頭やミーティングノート等に記載し、翌日の早保育への引継ぎを行い、朝のミーティングにて確認し、職員への周知を図るよう努めている。アレルギー疾患のこ子どもについては、川崎市のルールに則り、除去食対応の周知徹底のため、全員で把握できるように毎日朝のミーティングにて確認し、対応をしている。また、代替食準備の依頼をしている。厳格な除去食対応(超アレルギーの児)がこの5年間続いている為、その経験が生かされ、職員の徹底した対応が取れているところは園の強みである。保護者と連携を密にとり、年2回以上の更新等について、促しをし、実施が図られている。衛生管理については川崎市で作成されたものが用意されているが、園ではこれに加えて独自のマニュアルを園のシステムに合わせて作成し、活用している。チェックリストも完備されている。給食の食器は陶器製のものを利用している。食材については、川崎市で決められたものが納入されるが、調理師は与えられた食材で、分量等、個人別にテストした上で、工夫して提供している。

 給食では、年齢別・クラス別に食事時間をずらし、時間に合わせて適温給食に心掛けている。夏場には衛生管理も含めて、食材を一ヶ所に集める等も配慮している。食文化の伝承については、例えば節分のヒイラギにイワシの頭などの風習を伝える他、箸のおき方など和食膳の配膳なども伝えるように食のマナーについても知る工夫をしている。園では、稲、さつま芋、じゃが芋、小松菜、カブなどを育成しており、それらを収穫し、食べるなど、食材への関心を育てている。上級生はたき火にさつま芋を入れて焼芋を作ったり、園庭で出来た野菜などの調理で食の関心、意欲を育てている。おやつについては、月・水・金は川崎市の決まりで手作りおやつの日とされ、実施されている。おやつの希望については、川崎市の食事会議から反映されている。落ち着いて食事出来る工夫としては、BGMを必要に応じ流したり、テーブルセンターを置いたりして、食することへと誘っている。楽しく食事出来る工夫としては、机を窓につけ列車のビュッフェ風で楽しんだりしている。その他に、桜の花の下で花見をしながらの食事、7月以降の異年齢一緒の食事などの工夫がされている。 また、成長の度合いにより小さいキザミから後半の大き目の切り方等、成長の度合いに合った食育を心掛け、大きさも素材の味を知る程度の大きさなどに工夫をしている。献立票は保護者、個別に配布し、また、玄関にも掲示し、子ども向けに給食室前にメニューを読めるように掲示し、玄関前にサンプルを展示し、残量については、乳児については栄養士が観察して保護者に伝え、幼児については基本的な量を把握しているので、大きな変化があったときは保護者に伝える配慮をしている。調理担当者は、栄養士は乳児と、調理担当は幼児の食事しているところに行って、コミュニケーションを取るようにしている。献立メニューなどのレシピ集を作成し、保護者や地域の利用者に提供している。アンケートにおいても、保護者に喜ばれているのが伺える。献立については保護者に配布し、また喫食状況も知らせている。

 子ども一人ひとりの基本摂取量は把握し、少し少な目に盛り付け、おかわりをして自信を持たせるように配慮している。おかわりは最大倍量までと考えて促している。 回復食については申し出る保護者がほとんど無いため、回復児の食事については園から保護者へ伺う努力をしている。メニューについて保護者には、乳児には連絡票で、幼児はメニューを口頭で伝えている。離乳食については、保護者と連携を取り合い、自宅で食べて大丈夫なものを聞くようにして、離乳食として提供している。

 経営改善に向け、日常の保護者との送迎時のコミュニケーションを大切にしながら、行事の折々に感想・意見等を吸い上げ、利用者・職員・総合など、対象別に集約し、反映に努めている。日常業務の効率化については、各種プロジェクト会議・職種別会議・リーダー会議・乳、幼児会議等を利用し、課題提案や解決方法等を抽出し、速やかに対応できる仕組みが整備されている。運営改善については、テーマ別にプロジェクトを組み、定期的な見直しを実施して改善に取り組んでいる。

評価結果(PDF版)(403KB)


川崎市健康福祉局総務部企画課

【問合せ】メールアドレス:35kikaku@city.kawasaki.jp 電話:044-200-2630