◆ 福祉サービス第三者評価結果 ◆

■認可保育所
なごみ保育園
運営主体 社会福祉法人 なごみ福祉会
住所 多摩区菅稲田堤3-9-2
定員 90 名
評価実施年月 平成21年12月〜平成22年5月
結果公表 平成22年5月
評価機関 社会福祉法人 川崎市社会福祉協議会

総括表 分類別結果 家族アンケート 事業者コメント
評価方法
自己評価
(実施期間)

平成21年12月7日〜12月26日
・自己評価は、全職員個別に各評価項目に沿った見解 を整理し、その項目ごとの評価判定結果を決定。 ・その結果に基づき、園長及び主任の自己評価も加え、 全体を取りまとめのうえ最終版自己評価票として評価 機関へ提出。

評価調査員による評価
(実施日)

平成22年2月22日、2月25日
・第1日目は、調査の主旨及び内容を説明した後、施設 内観察・保育関係資料の確認及びインタビューによる 評価項目ごとの確認作業を実施。 ・施設内観察は、給食時の子どもの様子及び保育職員 の支援状況、降園時の保護者と職員の引き継ぎ状況 及び延長保育の様子を確認。 ・第2日目は、主に評価項目に沿った園長・主任へのイ ンタビューによる内容確認を実施。 ・また、早朝保育も含めて登園時の保護者と職員の引 き継ぎ状況、子ども達の保育室内の様子を主体に施設 内観察を実施。 ・最後に評価チームより総評を述べ、現地調査を終了。

利用者家族アンケート
(実施期間)

平成21年12月7日〜平成21年12月26日
・アンケート対象は、世帯数92世帯(入園児童数103 人)を対象に実施。 ・12月上旬に評価機関から当該園宛て「保護者アン ケート」及び返信用封筒を送付。 ・12月7日〜12月26日の期間(約3週間)をかけてアン ケート調査を実施する。アンケート用紙は、保護者側か ら無記名にて封入の上、園内回収箱に投函。 ・平成22年1月5日に、当該園から回収箱ごと評価機関 側が引き取り、集計、実施。 ・アンケート回収率は、78%(回収分72世帯/92世 帯)です。

総評(評価結果についての講評)

 認可保育所「なごみ保育園」は、JR南武線「稲田堤駅」から徒歩約7分、京王相模原線「京王稲田堤駅」から徒歩約10分に位置し、両駅からの利便性も良く、また入園されている子どもと保護者も歩いて登園する姿を多く見ることができます。保育園周辺も閑静な住宅街および園敷地に隣接する「菅第四公園」や少し離れた場所には「多摩川」および「稲田公園」なども望め、自然環境の中にある恵まれた立地条件です。
 その環境の中で、昭和48年に「なごみ保育園」の前身である障がい幼児通園の家「なごみ園」開設から今日にいたるまで、運営法人「なごみ福祉会」の目指す「障がいの有無に関わらず、地域の中でいきいきとあたりまえの生活を」から、理念「共に生き、共に育つ」の実践保育として、職員も子どもも、そして保護者も含めて「受容」する姿勢が育っている保育園です。
 特に、「縦割り保育」「統合保育」の実践は、「子ども一人ひとりの違いを認め尊重する心を育てる大切さ」を柱に、年齢を問わず、国籍も問わず、障がいも問わず、自由に子どもたちが保育生活を楽しんでいる様子や、笑顔をもってお互いが自然に発言できる環境ができている点は、優れているといえます。また施設環境も、保育室は園庭に面しており全て南側向きの窓からの十分な自然光が取りいれられ、室内照明の調節も、全保育室の床暖房調節も快適な保育環境が得られています。
 園内のビオトープ(小さな池を作り小動物が育つ空間)、日常保育(食育・造形・小動物との交わりなど)、障がいおよび配慮すべき子どもへの保育、また障がい者の就労支援、保護者も含めた地域の子育て相談(トイライブラリーなど)および地域との連携(菅の獅子舞など)を実践する中で、子どもを中心とした人権の配慮が自然と培われてきた保育園といえます。

【優れている点】

@保育理念「共に生き、共に育つ」を軸とした日常保育の中にたくさんの優れた取り組みが伺えます。その中で「縦割り保育」「自然と地域と交わる保育支援」「食育と自園給食の提供」などが優れた点としてあげられます。

【縦割り保育】の実践は、3〜5歳児が乳児〜2歳児と一緒に日常保育での遊びの中で、「子ども同士の思いやりの心」を育てているのが特徴としてあげられ、先駆的な「統合保育」からの積み重ねが、現在の職員にも浸透した保育支援技術となっています。
 また【自然と地域との交わり】では、保育園内や地域交流での自然体験および社会体験があげられます。その中で「小動物との交わり(昆虫やうさぎなどの飼育)」は、生き物から「命の大切さ」を学ぶ姿勢もうまく保育支援の中に活かされています。

【食育】は、食育年間計画を立て、保育園近くの畑での野菜栽培や、魚屋さんを招いた「魚の解体ショー」「こだわり食材」も自園給食の良さとして、「手作りおやつと行事食」は保護者から「おいしい給食の提供」として評価されている点は優れているといえます。
A地域の中核施設として、地域の関連機関(療育センター、児童相談所をはじめ地域自治会など)との協働連携もあり、多摩区幼保小連絡会への参加、地域「菅獅子舞保存会」の「菅の獅子舞(神奈川県指定無形民俗文化財)」として地域伝統文化伝承を子どもたちと一緒に取り組んでいる点、また障がい者就労支援として、実際の職員雇用(清掃などの用務)している点、保育園敷地周囲の花壇へお花植えなどの提供協力している障がい者と共に環境づくりをしている点も、子どもにとって一つの体験を大切にした保育園と地域連携の優れた点としてあげられます。
B施設の保育環境も多彩な保育活動の整備も「子どもたち一人ひとりを大切にする保育」として活かされ、また職員一人ひとりの資質も「川崎市保育会(音楽班、食育班、造形班、健康班および主任会など)」の研修や連携も保育実践に役立っている点として優れています。

【保育環境】としては、保育室全てが高い天井と南側の広い窓からの十分な自然採光、また室内通風も良い構造となっています。温湿度計による加湿器や各保育室の床暖房での室温調節などは、子どもの意向を把握しながらの環境整備にも配慮されています。特徴として施設全体が楽しめる空間を作っており、その中での【多彩な保育活動】としては、子どもたちの自由に楽しむ様子が伺え、クラスごとの子ども達の作品展(節分時期の「鬼の絵」など)やイベントに合わせた作品展示、園庭でのいろいろな遊具(鉄棒、滑り台など)やツリーハウス・砂場が楽しい活動の場となっています。そして今回新しく完成した井戸を利用し、ビオトープやテラス作りも行われ、自由にその空間で時間を過ごし楽しむことができる配慮が随所に見受けられます。
子ども一人ひとりが、いろいろな体験をとおして成長を促す保育支援として整備されており、絵画講師による子どもが自由に絵を楽しむこと、リズム遊びの講師による踊りや楽器の指導、また保育職員も指導方法を学び「リズム遊び」の保育支援もできていること、「あおぞら工房(卒園制作など協力支援してくれる個人ボランティアの呼称)」の指導による「缶ポックリ」や「竹馬」の自作、身体を使った遊びとして近くのグランドにでかけての「サッカーボール遊び」や「草すべり」などもあげられます。絵本・紙芝居も季節に合ったもの、その時節にあった題材を選んで子どもたちに提供するなど、多くの体験メニューによる保育支援が優れた点としてあげられます。

【独自に取り組んでいる点】

@【縦割り保育】特に「縦割り保育」による3〜5歳児の同室での生活は、年上の子が年下の子の面倒を見たり、年下の子が年上の子の動きを見習ったりする社会面を学ぶことで楽しい生活の場の提供、また子どもたちの人間関係作りに活かされているといえます。例えば、散歩時の交通ルールの指導、給食時のお茶くみや挨拶、午睡後の乳児への着替えなどの「お手伝い」、小動物の当番活動、給食後の食器と椅子の後片づけ、おかわりは決められた時刻まで終えるルールなどから子ども同士のお互いに注意をし合う場面、遊びの場面での「順番守れよ」「小さいから(順番の)先に入れてあげるよ」などの「年少者を思いやる心」を育む点などがあげられます。
A【地域の子育て支援】子育て相談は、当該入園児の子育て相談から地域からの依頼のあった子育て相談も、園開設の「かもめグループ」を窓口として毎週水曜日に実施しています。また「園庭開放」「共に遊び場」の提供(例えば「親子空手教室」「なごみバザー」「なごみトイライブラリー」など)による親子の集まる活動や、参加される家族対象に「音楽リズム」「移動動物園」の活動も、子育て相談などの良い機会として伺えます。地域活動事業の「菅薬師奉賛会(菅の獅子舞)」も保護者と地域との連携の場を利用した子育て支援の取り組みといえます。
B【食育と自園給食】「畑」の野菜を自分たちで育て、給食やおやつに取り入れるなど子どもの食材への関心を高めています。また、生産者の指導を受け、最初から米・ごま・梅干しを作って「おにぎりパーティ」の実施、魚屋さんを招いての「さんまの解体ショー」後に七輪でさんまを焼いて食べるなど、バラエティにとんだ食育活動に励んでいます。その他に、正月明けの七草粥、菅の野菜のらぼう、菜の花といった旬の食材を給食に取り入れ、おやつも基本的には手作り、おやつ購入の場合も、子どもに配慮して安全な食材を使う地元のベーカリーのパンや、「なごみ福祉会」系列の障がい者施設「多摩川あゆ工房」のクッキーなど、手作り購入先も配慮されています。また、塩、味噌、醤油など調味料は良質な食材、卵は有精卵、牛乳は低温殺菌性、米は宮城県産ササニシキの七分づきなど、国産・無添加のものをなるべく地元の商店から購入し、汁物のダシは、いりこ、カツオ、昆布、鶏がらから取り入れるなどのこだわりが「おいしい給食の提供」の成果となっています。

【改善すべき事項】

なごみ保育園の理念を、利用者に対する豊かな保育支援として実現されています。それらを今回受審された評価項目ごとの判断基準に沿って振り返ることで、保育支援の一つひとつの目的や大事な要素、また課題を整理することができるでしょう。例えば、玩具類の整理工夫、地域関連機関の情報の整理、園独自の活動内容の振り返りから職員研修題材に区分するなどがあげられます。職員が実践課題の認識を深めることで、更に充実した保育支援が継続されることを期待します。



評価結果(PDF版)(483KB)


川崎市健康福祉局総務部企画課

【問合せ】メールアドレス:35kikaku@city.kawasaki.jp 電話:044-200-2624