<園の概要・特徴>
川崎市たちばな中央保育園は社会福祉法人厚生館福祉会の4番目の保育園で、平成19年4月に川崎市指定管理者制度の受託事業として開園しました。JR武蔵新城駅から徒歩13分にあり、市の敷地内の同一建物を保育園と中学校に用途区分し、乳幼児と中学生が横並びの各々の門から通園・通学しているのが特徴的です。周辺はマンション・アパートの多い住宅地で、近隣には小さな公園が点在する在籍100名(定員90名)の中規模園です。理念「至誠 まごころこめて」を踏まえ保育方針(要約)「夢を育む・思いやりのこころ・健康な子・知恵を学ぶ」の基に、中学校との連携・交流や地域の温かい支援を受けながら子ども達を育んでいます。
<特長>
1.地域や隣接中学校との交流の中でこころ豊かに育まれる子ども達
園も地域の一員であるという意識で自治会に加入しています。園と地域との協力により、子どもたちは、どんど焼きや焼き芋の体験が出来ています。また、園主催の餅つき大会には、近隣の方が杵や臼を持ち込み、子ども用杵数本を作って下さり、大いに盛り上がりました。また、民生・児童委員からは手作りエプロンや三角巾の寄贈など、地域の温かい支援があるのが特徴です。
橘中学校とは、月1回の連絡会が持たれ意思疎通を図っています。ボランティア部による子ども達の遊びや生活などへの支援、園の運動会では吹奏楽部による演奏のサービス、クリスマスには教頭がサンタクロースになって園を訪れて子どもたちに大人気でした。園側としても中学生の職業体験を受け入れたり、体育祭には子ども達が参加して玉いれ、文化祭では手話で歌を披露しています。このように地域や隣接中学校との良好な相互連携や支援のもと、保育者たちは保育方針の実現を目指して頑張っています。
2.活発に地域の保護者へ向けて子育てを支援
地域に向けた子育て支援事業として、市からの依頼も含めて一時保育は年間約3,500人を受け入れ、園庭解放、園見学、保育相談、子育て支援事業を実施しています。年14回の子育て支援事業では、人形劇や移動動物園を実施、またミニコンサートでは園児と地域の子どもたちが一緒に歌を口ずさむなど、親子共々楽しんでいます。「体を使って遊ぼう」では運動機能を高める階段・斜面上り、「作って遊ぼう」ではクリスマス飾り製作体験も行われました。保育相談では、体重や身長の計測等を含めた健康面・発達面での相談、トイレトレーニングに関する相談、また離乳食の試食も実施され、地域の子育て中の母親に安心感を与えています。園の保育士・看護師・栄養士が、乳幼児保育における各々の専門性を活かした取組みを地域に提供しています。
3.改善にむけて利用者アンケートを毎年実施
第三者評価の家族アンケート項目(姉妹園で以前実施)を利用し、毎年保護者アンケートを実施しています。アンケートの意見や回答、また要望や苦情を受けて対応した内容を公表するなど、サービス向上へ向けた改善を行っています。今回の第三者評価に際しての家族アンケート本番調査では、例えば「理念・方針への説明を受けているか」の設問に対して「はい」が98%と高い数値を示しており、前年度までのアンケート結果を受けて、理念・方針の周知を強化したことの効果が表れています。
4.楽しみながら「野菜だいすき」
食育として栄養士が子どもたちに旬の食材の説明をしています。節分の豆まきにはイワシにひいらぎを刺して飾る話をしました。魚の解体もやってみました。
今年度の保育のテーマは「野菜大好き」で、各クラスで野菜を育て年齢に応じ調理保育を実施しています。家庭に持ち帰って調理をしたり、苦手なものも食べようとする姿が見られました。直近ではみんなで育てたダイコンで、切干大根を作りました。保護者アンケートからも「園の今年の“野菜大好き”の活動で、家でも食べる野菜の種類が広がり、子どもが喜んで食べるようになった」と感謝の声が届いています。
<工夫や改善が望まれる点>
1.自然や生物に愛情をもち思いやりの心を育てる余裕を
保育目標に「自然・生物に愛情を持ち、思いやりのこころを育てる」とありますが、幼児が観葉植物の葉をちぎって枯らしてしまったため、観葉植物を置かなくなった経緯があります。全般的に、管理面がやや優先的になっている点が惜しまれます。“葉をちぎると植物の生命がどうなるのか”と子ども達が考える機会を持てるように仕向けるなど、保育者として今少し包容力と余裕を持ち、さらなる保育内容の改善に向けて見直しが期待されます。
2.保育課程について全職員参加で取り組みを
保育課程については、幹部職員によって新たに作成されましたが、職員は作成にあたり参加していないことが惜しまれます。保育の実施にあたり「保育の基本方針」を具現化するための「保育課程」の作成に際し、今後は全職員が参加していくことが期待されます。また、保育課程には地域の実態や保護者との連携が反映されていますが、保護者に向けても、その内容について懇談会などの場で、理解されるよう丁寧に説明することが望まれます。
3.男女平等への意識的な取り組みを
観察では、子どもたちの服装や持ち物など男女の差はありませんでした。また、並び順は生まれた月例順とするなど、日常の保育では、性差のない自然な取り組みをしています。しかしながら、性差について、無意識のうちに男女差への先入観が出る事も考えられます。保育士同士や保護者に対して、子どもへの日常の声かけなどについて、性差による固定観念や役割分業意識を植え付けることがないように配慮しているかどうか、意識的に確認しあう機会を設けることを期待します。ジェンダーフリーについて研修を実施するなどの取り組みをすると良いでしょう。
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