《園の概要》
はるひ野保育園は地域住民の強い要望により、平成20年に開園した新しい施設です。小田急線はるひ野駅から徒歩5分ほどの距離にあります。街自体が新しいせいか、付近はまだまだ自然が豊富です。また、鉄骨造りの2階だてで、自然光をたっぷり取り入れた近代的な建物です。
《特に優れている点》
○「地域子育て支援センター事業」が充実しています
地域の共働き家庭に対する応援として保育園を設立しましたが、入所家庭にとどまらず地域の乳幼児を抱える家庭に対する支援を活発に行っていこう、という方針のもとに、市からの受託事業としてたちあげました。
はるひ野地区は新しい街で、ここに引っ越してきた親子はなかなか近所でお友だちができにくいので、近所の親子がこの施設に遊びに来て、仲良くなり一緒に子育てをしていくことを願っています。そこで、折り紙や製作遊び、あるいは、歌遊びなど親子で楽しく遊べるようにベテランの保育経験者二人がスタッフとして子育ての支援をしています。また、初めて遊びに来た親子がしりごみをしないように、母親の胸に名前と住所を書いたシールを、子どもには名前と月齢を書いたシールを背中につけてもらい、お互いが親しくなるように工夫しています。こうすることで、お互いに名前がすぐわかったり、ご近所かどうか知り、会話のきっかけ作りに大変効果的ですぐにうちとけるということでした。
この地域子育て支援事業を「トライアングル・ハグ」という名称にしています。このネーミングは、親子と地域の人たちとスタッフが3者連携をとりながら、共に育ちあう、つまり、育む(ハグ)場として、また、子どもを愛情いっぱい抱きしめる(ハグ)という願いをこめてつけられています。
現在は常時10組以上の親子が参加して楽しく過ごしています。そして、地域への認知度も次第に高まって、利用する親子が多くなっています。いろいろな遊びを提供するとともに、音楽会や育児講座、あるいは、子育て相談など多岐にわたる支援を行い、充実した地域子育て支援センターとして機能しています。
○職員同士が協力しあいながら業務をすすめています
当園は、若い職員が多く、それにつれて経験年数も比較的短い状況です。そこで、職員が悩んだり、自分のクラスが手一杯で困っているときなど、お互いが自然に助け合って保育を行っています。職員アンケートの自由意見欄も、このようなコミュニケーションのよい関係について多く寄せられています。
このように、職員一人ひとりが思いやりの気持ちを持ち、お互いにフォローしながら、前向きになっていることは、子どもたちにも好影響をもたらすでしょう。
また、保育に対する質的なものは経験豊かな初代園長がスーパーバイザーとして指導にあたるとともに、日常的には園長や主任がその都度指導にあたるようにしています。園長は、この保育園を、開かれた場で、どの職員も自分の意見を言いやすい環境を作っていきたいと願っています。現在も、意見を受け入れてもらえるという声が聞かれます。園長就任してからまだ日が浅いので、園長の思いが今後職員全員に浸透して、活発に意見交換がなされていくことを期待します。
○明るく、モダンな施設環境です
閑静な住宅地の一角にあるモダンな建物です。築2年強ということで、まだまだ新しく、子どもたちにとっては過ごしやすい環境です。室内は採光も照明も十分あり、冷暖房施設、空気清浄機など付帯設備も完備されています。玄関の横には、図書コーナーがあります。このコーナーは予め計画的に設計されたもので、数人の子どもたちがゆったり絵本を読んで過ごせるよう、かなりの広さとモダンなレイアウトで空間を確保しています。
この保育園に併設して、いつでもだれでも親子が安心して遊んで過ごせる子育て支援センター(トライアングル・ハグ)と一時保育用の部屋があります。
園庭は若干狭いですが、クラスをある程度分けて使用するなどの工夫をすれば、子どもたちは十分体を使って遊べる空間は確保しています。また、戸外の活動に関しては、近隣は自然が豊富にあり、散歩先の種々の公園や途中の自然との触れ合いの機会に恵まれています。
《さらなる取組を期待する点》
○各種、使いやすいマニュアルの整備を期待します
「保育業務マニュアル」の中に、保育士として必要な文書が細かくあります。また、「健康マニュアル」や「感染症対応マニュアル」「個人情報の取り扱いについて」など、いろいろなマニュアルが揃っています。それらのマニュアルについては、川崎市作成のものや当園作成のものが混じっています。なお、川崎市作成のものは大変詳しく、勉強会用には向いていますが、いざ、至急必要とするときにやや活用しづらいものです。また、実習生やボランティア用の受け入れ方針や担当者を明示したマニュアルなど、充実させる必要があります。
マニュアルは必要なときに、職員だれでも均一の処置ができるためのものです。この際、マニュアル検討委員会をたちあげ、保育園にとって、必要なマニュアルにはどういうものがあるのか、そして、だれでも使いやすいマニュアルとはどういうものか話し合い、それを職員会議で詰めていくことを期待します。そして、現在のマニュアルで残すもの、一部改正するもの、新たに作るものと仕分けして、時間をかけて計画的に簡便なマニュアルを作成していくことをおすすめします。
○就業環境についてのさらなる取り組みを期待します
職員の多くは人手不足と感じて、その対策を求めています。これは当園への入所希望者が多く、開設当初より定員枠を超えていることが原因かもしれません。入所希望者が多いということは喜ぶべきことではありますが、まずは、職員一人ひとりが適切な就労時間をとることも大事なことでしょう。疲労がたまると、結果として、子どもたちに影響を及ぼしかねません。
管理者層にとっては、健全な経営と健全な就労環境を両立させることは、大変難しい問題です。しかし、長期的な展望のもとに、まずは、職員の労働環境、福利厚生を充実させ、一人ひとりが意欲的に保育にあたるような環境を整えていくことを期待します。
○3歳未満児や障がいを持つ子どもの個別指導計画の立案を望みます
乳幼児は、基本的な育ちの特徴が年齢や月齢ごとにあります。しかし、特に0〜2歳児の育ちは個々の違いが大きく、一律の指導案では保育に支障をきたします。保育指針でも要求していますように、個々の子どもの現在の生活状況、遊びの状況を細かに記録し、その記録のもとに、一人ひとりどのように接していくか個々の指導計画をたてることが大事になります。障がい児もその特性を考慮して個別に計画をたてる必要があります。
そして、その計画が立ったら、保護者に細かく説明して同意を得て、保育園と家庭の両輪のもとに保育をしていきます。今後は0〜2歳児ならびに障がいを持つ子どもの個別指導計画をたてることを期待します。
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