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インタビューのあらすじ(テキスト情報)(8)

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JFE鋼板株式会社 代表取締役社長 小倉 康嗣氏(撮影時:JFEスチール株式会社 代表取締役 副社長)

キング スカイフロント コンセプトビデオ ~インタビュー編(8)~

 

いつも製鉄所を見て、言っているのは、「黒光りするような製鉄所にしろ」と。というのは新しいのをつくるのはコストがかかるだけですから。それで黒光りする製鉄所にすれば、長い間生き残れると。自分で磨いて綺麗にすると。

 

研究所の人も、工場でいろんな技術を磨いている技術屋さんも、新しいことを毎日考えて、毎日その新しいものに向かって進んでいるということなんですよね。我々の鉄製品も、環境に良い製品を作っているんですね。それはどういうことかというと、同じ鉄板のように見えるんですが、わかりやすい例で言いますと、今の自動車はほとんど鉄でできているんですけれども、この鉄を薄くする。薄くすると弱くなりますよね。だから薄くても、強い鉄を開発する。そうすると自動車は、軽くなるわけですよね。軽くなった分だけ、自動車が走る時のCO2は減ります。そういう鉄を開発するということが、もう一つの環境技術ということなんですね。

 

これはまさしく日本の技術そのものであって、そう簡単に海外の人たちが真似できるということにはならない。そこが我々の鉄と自動車の強みだと思っているんですね。

 

資源循環を考えた時に、いろんなやり方があるんですけども、使用済みプラスチックを高炉に入れるという方法がある。そうすることで、(副産物である)スラグができ、このスラグをデイ・シイさんというセメント会社に持って行ってセメントの原料にできる。それから、ガスも発生するのでこれを化学会社さんに持って行ってエネルギーとして使ってもらう。企業間での資源循環ができちゃうんですよ。これはどういうことかというと、リサイクル企業がリサイクルするのではなくて、本業でリサイクル原料を使っちゃうんですね。これは全然違うんですよ。

 

企業間で資源循環するのは、簡単ではないし、なかなかないですね、川崎エコタウンというのは。そういう特徴を出すことができる。これは他の都市にはないですね。

 

エネルギー社会、資源循環社会、いろんな社会を作っていって、それをすべて企業間で回せる。こういうのが理想的な環境都市じゃないかということですよね。いろんな企業がそういうことに目覚めてやっているのが、今の川崎臨海部じゃないかなと思うんですけど。

 

何しろ一番のポイントは、やっぱり羽田に近いっていうことですね。最近の国際化に伴って、国際空港である羽田に近いということの意味が非常に大きくなってきた。それからもう一つは、京浜工業地帯の意味。生産拠点がどんどん海外に移転する中で、技術だけは我が国に残しておこう、研究は我が国に残しておこう、という会社は多くあるわけですね。そういう意味で、京浜工業地帯がいち早く研究拠点に変わっていっているという意味が大きいってことですね。

 

キング スカイフロントがいずれどんどんどんどん核になって、いろんな研究拠点が入ってくれば、素晴らしい研究拠点になるんじゃないかと私は思うんですね。

 

川崎市という地の利を見ますと、もともと山手には非常に高級な住宅街があって、南は工業地帯だったものが、ミューザができたり、音楽のまちになったり、ショッピングセンターができたりして、川崎駅自身が核として変わってきました。それで北側が住宅街として、さらに武蔵小杉も開発されてきました。そうすると工業地帯の間に何ができるかというとやはり研究拠点ができる。そうすると、川崎という細長い地形からすれば、非常にまとまったわかりやすい都市になってくる。

 

ライフイノベーションでは、いっぱいできることがあると思うんですよ。

 

難しい病気になった時に、本人がよければデータを公表して、コンサルテーションやアドバイスのサービスができるとか。

 

少なくとも、どこに行けばいいかとかいうようなアドバイスができるとか。

 

ライフイノベーションが目的で集まってくる人だけでなく、いろんな技術を持っている人が集まってきたら、この京浜臨海部ではいろんな企業がいるわけですから、極端な話マッチする企業が必ずあるはずなんですよね。

 

そういう意味ではいろんな企業と手を組んで世界に出て行くということは非常におもしろいのではないでしょうか。我々もそですが、今の企業は一社だけではどうにもならないんですよ。

 

一つの企業が、はじめはある一つの研究をするために来るだろうけど、それで終わっちゃいかんと。

 

周辺企業などと組んでみたり、情報の拠点を持って住んでいる人のニーズも汲み取れれば、ソフト面だけでもたくさんのことができると思ってるんですね。

 

だから、行政が入って、情報センターのような拠点を立ち上げる。一企業だとか、一何とかではできないこともある。

 

そこにもメスを入れるというか、新たな発想で作り上げると、もっと素晴らしい。みんな来ますよね。

 

そうすると日本が変わってくるんですよ。そのベースは殿町にありだと、こうなるわけです。

 

そうすると、とんでもないイノベーションが起きるでしょう。