28. 消火設備の概要

 製造所等の区分等に従って設置すべき消火設備の種類と量が決まる。 消火設備の申請には次の書類を添付すること。  

+ 消火設備の概要

+ 消火設備の能力計算書

+ 消火設備配置図

+ 消火用水配管図

1)  消火設備に関する基準

   危険物施設に対する消火設備の基準は,《消防法第10条第4項》《危政令第20条》及び《危規則第29〜36条》に規定されている。ここでは消火設備についてのごく基礎的な解説をするにとどめる。基準の詳細内容については,規則を参照して消火設備の設置を計画するとよい。なお,石災法に定める特定事業所にあっては,同法による石油コンビナート等における特定防災施設等及び防災組織等に関する省令 《昭和51年総務省令第17号第7〜12条》も満たす必要がある。

@ 消火設備の種類

   製造所等に設置する消火設備は第1種から第5種までに区分され,それぞれの消火設備が適応する対象物の区分が《危政令別表第5》に定められている。消火設備の区分は次のとおり。

ア. 第1種 屋内消火栓又は屋外消火栓設備

イ. 第2種 スプリンクラー設備

ウ. 第3種 水蒸気消火設備又は水噴霧消火設備,泡消火設備,二酸化炭素消火設備,ハロゲン化物消火設備,粉末消火設備(リン酸塩類・炭酸水素塩類・その他のものを使用するもの)

エ. 第4種又は第5種     棒状の水を放射する消火器,霧状の水を放射する消火器,棒状の強化液を放射する消火器,霧状の強化液を放射する消火器,泡を放射する消火器,二酸化炭素を放射する消火器,ハロゲン化物を放射する消火器,消火粉末を放射する消火器(リン酸塩類・炭酸水素塩類・その他のものを使用するもの)

 * 消火器は,第4種の消火設備については大型,第5種の消火設備については小型のものをいう。

オ. 第5種 水バケツ又は水槽,乾燥砂,膨張ひる石又は膨張真珠岩

 A 製造所等の区分

   《危政令第20条第1項第1〜3号》で,製造所等はその規模,貯蔵しまたは取り扱う危険物の品名等により区分され,当該区分に応じて最小限設置すべき消火設備が定められている。

ア.著しく消火困難な製造所等

イ.消火困難な製造所等

ウ.その他の製造所等

 B 消火の難易に基づく設置対象区分

対象区分

@著しく消火困難な製造所等

A消火困難な製造所等

Bその他の製造所等

 延べ面積

1,000u以上

600u以上

@A以外のもの

 指定数量

100倍以上

(下記 *1,*2を除く)

10倍以上

(下記 *1,*2を除く)

@A以外のもの

液表面積又は高さ

 高さ6m以上の部分で取り扱う設備を有する

(下記*1を除く)

 

 

 その他

部分設置の一般取扱所

(下記 *1,*3を除く)

 

 

           *1・・高引火点危険物のみを100未満の温度で取り扱うもの。

            *2・・ 《危規則第72条第1項の危険物(塩素酸塩類等)

            *3・・他の部分と開口部のない耐火構造の床,または壁で区画されたもの。 

C 最小限設置すべき消火設備の基準

対象区分

消 火 設 備

 著しく消火困難な製造所等

 第1種,第2種,第3種の消火設備のいずれか一つ    + 第4種の消火設備 + 第5種の消火設備 (*1)

 消火困難な製造所等

 第4種の消火設備 + 第5種の消火設備 (*2)

 その他の製造所等

 第5種の消火設備 (*3)

(*1) 第1種,第2種又は第3種の消火設備において火災のとき煙が充満するおそがある場所に設けるものは,第2種の消火設備又は移動式以外の第3種の消火設備に限る。

(*2)第4種の消火設備が建築物,工作物及び危険物を包含するように設け,さらに第5種の消火設備(能力単位の数値が危険物の所要単位の1/5以上となること)を設ける。

(*3)能力単位の数値が建築物その他の工作物及び危険物の所要単位の数値になるように設ける。ただし,第1種から第4種までの消火設備を設けているときは,当該設備の放射能力範囲内の部分について,第5種の消火設備を,能力単位の数値が当該所要単位の数値の1/5以上になるように設けることをもって足りる。

D 消火設備の設置所要単位の基準

対象物

所要単位

 製造所又は取扱所の建築物

   外壁が耐火構造のもの

   外壁が耐火構造以外

 

 延べ面積100uごと

 延べ面積50uごと

 危険物

 指定数量の10倍ごと

 電気設備

 電気設備のある場所の面積100uごとに消火設備を1個以上設置

   製造所等の区分に応じて各種類の消火設備を設置するにあたり,消火設備が防護すべき範囲等について,《危規則第32条〜32条の11》に定められている。

2) 設置許可申請に必要な資料

  《通達》

 複数施設で共用する消火設備は代表タンク等の一の施設で申請するものとし,他の施設においては,それぞれの施設の付属とされる引き込み配管,放出口等について申請するものであること。

@ 消火設備の概要

   消火設備の設計ベースが法の基準を満たしていることを概括的に述べるためのもので,設置する消火設備の種類,各消火設備の防護範囲,用水確保に関する基本事項等を簡潔に記述する。

A 消火設備の能力計算書

    第1種,第2種,第3種の消火設備の放射能力等が法の基準を満たしていることを説明するためのもので,各放射口の必要放射量,配管等の圧力損失,用水の保有量と受入能力等の計算式と計算結果を記述する。また,泡消火設備の場合は,泡薬剤の必要保有量,保有能力,泡水溶液到達時間の計算書を含んだものを添付する。

 《通達》

 設計書の計算書については,計算のための諸条件,計算式及び計算結果のみを記載した計算書とすることができること。

B 消火設備配置図

    各消火設備の配置および防護範囲が判るようにするためのもので,製造所等の平面図に各種類毎の消火設備の設置位置を記号で明記するとともに,消火栓等の放射範囲を円または円弧で描き,製造所等の全域を網羅していることを示す。また, 2階以上を有する建築物,工作物があるときは,立体的配置が判るような立面図を追加するとよい。   なお,石災法の適用を受ける事業所の製造所等にあっては,消火用屋外給水施設の位置を併記することが望ましい。

C 消火用水配管系統図

   事業所内の消火用水の系統全体が判るようにするためのもので,事業所の全体配置図の中に水源の位置,消火ポンプの位置,用水配管の敷設ルート等を記入する。

 

種別 記号 記号の表示の方法または図例
形状 線色
泡消火栓(地上)

 

  単口又は双口の区別を必要とするときは双口に限り記号の上部に点を付記する。
水消火栓(地下)

 

  同上
水消火栓(地上)

 

  同上
有蓋貯水槽

 

  容量は記号内にアラビア数字でm3単位で記入する。 例
無蓋貯水槽

 

  同上
プール

(使用可能の工業用水を含む)

  同上
薬液基地

 

  エアーフォーム、アルコフォームの別・%・容量は(L)単位で記入する。

電動ポンプ

 

  圧力はKW・放水量は毎分当たりの(L)の単位で記入する。 例
エンジンポンプ

 

  同上
自衛消防隊

 

  黒または青 右側に隊員数・化学車・普通車の別,積載原液の種類,量を記入する。例