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長念寺山門

  • 公開日:
  • 更新日:

長念寺山門 1棟

棟札 1枚

建築年代

江戸時代〔嘉永7年(1854)〕

規模

桁行11尺 梁行10.5尺

構造形式

四脚門、切妻造・本瓦葺 袖角柱 出三斗組

所有者

長念寺(多摩区登戸1416)

指定

市重要歴史記念物 平成2年1月23日指定

解説

 山門は、棟札によると、嘉永7年(1854)に上棟された建物で、大工棟梁は地元の小林弥太郎信久、脇棟梁は小林佐吉作清、彫工は江戸深川の後藤弥太郎氏前である。小林弥太郎信久は、長念寺本堂の棟梁小林源三郎の子息と考えられる。また後藤弥太郎氏前は彫工・後藤家五代正綱の門弟で、深川六間堀に住み、当時名の知られた彫工であった。
 間口11尺(24枝)、奥行10.5尺の和様系の四脚門で、切妻造・本瓦葺の屋根をあげる。昭和60年の修理により屋根瓦などを新調したが、当初の形はよく保存されている。主柱は径1.2尺(柱間の1割1分)の丸柱、袖柱に9寸角の角柱(几帳面取)を用い、木割は比較的大きい。軸部は主柱状に冠木を渡し、袖柱との繋ぎに頭貫と飛貫、腰貫を入れる。正面と背面の袖柱は頭貫虹梁を渡し、正面に龍、背面に獅子の懸鼻を付ける。組物は出三斗組で、その間の小壁を人物、鳳凰、龍、鶴、鷹、松、牡丹などを表わした素木の彫物で飾っている。妻飾りを二重虹梁・出三斗組とするのは珍しく、妻壁は同様に素木彫物で埋める。軒は二軒本繋垂木、側軒出は破風共に12枝で、軒出が深く、破風の立ち上がりも大きく、全体に荘重な感じを与える。内部は出三斗を組み、格天井を張る。扉は両開き桟唐戸で、鏡板の表面に獅子の彫物をはめている。
 当山門は、総欅の木地仕上げの建物で、斗栱間の小壁である琵琶壁や妻壁を彫物装飾で埋め、また、木鼻や持送りの彫物、虹梁表面の浮彫絵様、冠木の地紋彫などに彫物装飾を多用し、幕末期の特徴をよく示している。建築各部の構成は明瞭で、彫物は鑿の切れが良く、この種の建築では質の高い遺構である。

棟札(縦64.4cm 横24.5cm 厚1.2cm)

銘文・表

棟札 銘文・表 翻刻文

銘文・裏

棟札 銘文・表 翻刻文2

長念寺山門梁間断面図

長念寺山門平面図

コンテンツ番号261