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古筆手鑑「披香殿」

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2010年2月15日

古筆手鑑「披香殿」

古筆手鑑「披香殿」 1帖

年代

奈良時代~江戸時代

法量

縦40.0cm 横53.2cm 厚さ12.8cm

所有者

川崎市

所在地

中原区等々力1-2(市民ミュージアム)

指定

市重要歴史記念物 平成14年3月19日

解説

 手鑑の「手」は筆跡、「鑑」は手本・模範という意味で、古い時代から新しい時代までの多種多様な名筆を収録して、鑑賞を目的に装丁されたものである。手鑑の多くは江戸時代に制作されており、特に、国宝に指定されている四大手鑑の手鑑「藻塩草」(京都国立博物館保管)、手鑑「翰墨城」(MOA美術館蔵)、手鑑「見ぬ夜の友」(出光美術館蔵)、大手鑑(陽明文庫蔵)は有名である。
 古筆手鑑「披香殿」は、厚手の台紙を折帖風に仕立てて、断簡(切)や文書・懐紙・色紙などを貼り込んでおり、表に伝聖武天皇筆の仏典断簡以下167枚、裏に伝藤原鎌足筆の仏典断簡以下176枚、合計343枚の書跡を収録している。配列は天皇家から始まり、公卿、歌道家、書道家、高僧、武家、神官、女筆などが続き、他の有名な手鑑と共通している点が多い。表紙は表裏ともに霊芝文や卍文を織り込んだ茶色の布地に、「壽」の大字を刺繍した金襴の裂地で装い、その四隅に透かし彫りの金具を取り付けている。表紙裏の4箇所の見返しには、狩野常信(1636~1713)の筆による春夏秋冬の四季絵が描かれている。
 本手鑑には、当初からの名称は付いていなかったが、手鑑の中に唐の詩人白居易の『白氏文集』を書写した小野道風直筆の「絹地切」があり、そこに2度登場する「披香殿」の3文字に因んで名付けられたものである。披香殿は唐の宮殿の名前で、その言葉のもつ優雅さは本手鑑の名にふさわしい。
 本手鑑については収納用の桐箱の蓋に墨書された銘から、土浦藩主である土屋家に伝来したことは明らかで、表紙の「壽」の刺繍や手鑑の最後に収録された東坊城長淳の「和紙懐紙」が永久を契る祝いの賀歌であることなどから、婚礼の調度品として制作されたものと推定される。その年代は、表紙裏見返しの四季絵を描いた狩野常信の活躍時期から、17世紀末から18世紀初め頃と推定される。
 本手鑑所収の343枚からなる古筆の大半はすぐれた書跡であり、しかも奈良時代から江戸時代に及ぶもので、国文学・書道史・美術史・歴史学などの分野において貴重な資料となりうるとともに、文化史上の遺例として極めて価値の高いものである。


引用・参考文献
古谷 稔 1999「総説」『古筆手鑑 披香殿』淡交社

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