かわさき市政だより KAWASAKI 宮前区版特別号 2019(平成31)年2月発行 発行:宮前区役所 郵便番号216-8570 宮前区宮前平2-20-5 編集:宮前区役所企画課  電話044-856-3133 ファクス044-856-3119 宮前区のミライを考える さぎぬまプロジェクト 鷺沼駅周辺再編整備に伴う公共機能に関する基本方針(案)をまとめました ~宮前区役所、市民館、図書館の移転可能性も含めて検討してきました~ 鷺沼・宮前平駅周辺地区は、本市総合計画において、「地域生活拠点」の一つとして位置付けられており、現在、民間事業者による鷺沼駅周辺の再開発事業が計画されています。本市では、再開発による鷺沼駅前バスターミナルの拡充などの効果を活用し、宮前区全体の将来を見据えた取組を推進するため、平成30(2018)年2月に「鷺沼駅周辺再編整備に伴う公共機能の検討に関する考え方」を公表してから、関係団体等への説明・ヒアリングやまちづくりフォーラム、意見交換会、区民意識アンケートなど、多角的な区民意見の把握に取り組み、「鷺沼駅前に望まれる公共機能は何か」ということを検討してきました。 区民の皆様からこれまでに様々な場面でいただいた御意見や基礎調査の結果などを総合的に整理・検討し、市としての考えを鷺沼駅前地区再開発準備組合が進める再開発計画に反映させるため、この基本方針(案)を取りまとめました。 ポイント 公共機能の方向性 ①将来的な少子高齢化の一層の進行を見据え、災害に強く、しなやかで多様なコミュニティを創出する宮前区のミライを展望し、民間事業者による再開発によって交通結節機能をはじめ、都市としての機能が向上する鷺沼駅周辺に、宮前区役所・市民館・図書館を移転・整備し、宮前区全体の活性化を促す「核」としての地域生活拠点の形成を図る。 ②民間事業者による再開発事業との連携により、民間施設と行政施設の相乗効果による機能・空間の実現を図り、文化・交流拠点の形成と新たなコミュニティの創出を図る。 ③現区役所等施設・用地は、本市の貴重な財産として、地域課題の解決や魅力ある地域づくりに向けた活用のあり方について、宮前区全体と周辺エリアの将来を見据え、市民参加で検討する。 図 計画の区域(再開発事業施行予定区域を示した鷺沼駅周辺地図) 図 これまでの経過と検討スケジュール 平成29年度~  関係団体説明ヒアリングなど  平成30年度~ 区役所等建物に関する基礎調査 5月27日(日)第1回まちづくりフォーラム 6月上旬~6月25日  区民アンケート 6月9日(土) 、7月21日(土)、9月8日(土)、10月27日(土)意見交換会(ワークショップ) 8月26日(日)中間報告まちづくりフォーラム 10月9日(火)、12月12日(水)区長と語ろう宮前区のミライ 11月11日(日)第2回まちづくりフォーラム 平成31年2月  基本方針(案)の公表 2月5日(火)~3月6日(水) パブリックコメント手続 2月9日(土)、10日(日)市民説明会 まちづくりフォーラム、意見交換会などの運営、市民意見の把握、調査・分析 →市民意見を踏まえた行政内部検討 →平成31年2月 基本方針(案)の公表 →行政内部検討 → 基本方針の策定 基本方針(案)市民説明会のお知らせ 基本方針(案)について説明し、質疑応答を行います。 2月9日(土)13時半~15時半(13時開場) 場所  有馬・野川生涯学習支援施設「アリーノ」集会室  宮前区東有馬4-6-1  定員(当日先着) 150人程度 2月10日(日)10時~12時(9時半開場) 場所  向丘出張所会議室  宮前区平1-1-10  定員(当日先着) 100人程度 2月10日(日)15時~17時(14時半開場) 場所  宮前区役所4階大会議室  宮前区宮前平2-20-5  定員(当日先着) 150人程度 ※各回の説明はすべて同じ内容です ※各会場とも駐車場には限りがありますので、公共交通機関をご利用ください 基本方針(案)への市民意見募集(パブリックコメント手続) 基本方針(案)に関する市民意見を募集します。 資料の配布場所  市民文化局区政推進課、宮前区役所企画課などで配布中。市HPでも公開中。 詳細は、さぎぬまプロジェクト検索 募集期間  2月5日(火)から3月6日(水)まで(消印有効) 提出方法  氏名、住所、電話番号、基本方針(案)への意見であることを記入(書式自由)して直接、郵送、FAX、 市HP〔意見公募(パブリックコメント)専用ページ〕で 提出先・問い合わせ先  郵便番号210-0007 川崎区駅前本町11-2 川崎フロンティアビル7階 市民文化局区政推進課  電話200-2309 FAX200-3800 基本方針(案)の概要 本特別号の記載内容は、基本方針(案)の抜粋です。詳しくは、基本方針(案)をご覧ください。 ※市民文化局区政推進課、宮前区役所企画課などで配布中。市HPでも公開中 検討を行う上での諸条件 現区役所等施設へのアクセス性の課題 将来人口推計をみると、現在の区役所等施設が築60年を越える2045年においても、現在とほぼ同数の人口が想定されている一方で、65歳以上の人口比率は33.9%と、高齢化は着実に進行します。 起伏に富んだ地形が特徴である宮前区において、古くは分区当初から検討を重ねてきた現区役所等施設へのアクセス性の向上は、今後も重要な検討課題です。 多様な市民意見 関係団体等説明・ヒアリングやまちづくりフォーラムでは、今回の検討に対する期待や懸念、生活者としての意見や市民活動等を通じた実感に基づく提案など、多様な御意見をいただきました。 全4回の意見交換会では、まちづくりのコンセプトや機能・サービスという観点から整理可能な未来志向のアイデア、提案が寄せられるなど、鷺沼駅周辺再編整備の今後の取組にもつながる御意見をいただきました。 現在の区役所等施設の継続利用と移転の比較 現区役所等施設のある宮前平周辺と再開発が予定されている鷺沼駅周辺の立地特性として、「利便性」、「防災性」の観点から、比較・評価を行いました。 比較項目  アクセス性 考え方 ​ 路線バスネットワークの充実等により鷺沼駅周辺に優位性 比較項目  防災性 考え方 ・大規模災害の被害想定の差異は見られない「地形・地質」…両立地とも留意すべき点あり。杭基礎構造で対応可・「災害時のアクセス」…特に駅前で災害時の交通混雑が懸念されるため、宮前平周辺に優位性・「建物整備環境等」…今後30年間の大規模地震の発生確率から、早期建替えとなる鷺沼駅周辺に優位性 ・警察署や消防署と隣接して立地していることは宮前平周辺に優位性 ・区役所が鷺沼駅周辺に移転する場合、鷺沼(区役所)、宮前平(消防署・警察署)の2拠点体制として被災リスクを分散させることが可能​ 比較項目 周辺の土地利用 考え方​ 商店会や金融機関の施設が立地・整備され、再開発事業により商業機能の拡充が図られる、鷺沼駅周辺に優位性 比較項目 維持管理・運営面 考え方 ​ ・現在の建物ではバリアフリー対応について建替えによらなければ解消できない課題があるが、単独施設として自由度が高い維持保全が可能 ・鷺沼駅周辺再編整備に伴い移転する場合は、他の施設との複合施設として維持管理に関する自由度が低くなるが、行政施設と民間施設との連携、機能・空間の融合や多機能化による相乗効果を見込む 比較項目 コスト面 考え方  算出する期間の設定により累計費用が大きく変わることから、端的に想定累計費用でコスト面の優位性を判断することは困難(詳細は右グラフ参照) コスト面の比較 施設の「維持管理・運営面」、「コスト面」について比較を行うため、区役所、市民館、図書館の設置位置について次の3つのパターンをモデルケースとして想定。パターンごとに現施設の想定修繕費、新施設の想定整備費、新施設の想定修繕費を累計して、比較しました。 パターン①:区役所、市民館・図書館を長寿命化し、現地で建て替える場合 パターン②:区役所、市民館・図書館を鷺沼駅周辺再編整備に伴い移転する場合 パターン③:区役所は長寿命化して現地で建て替え、市民館・図書館は鷺沼駅周辺再編整備に伴い移転する場合 グラフ 今後の施設整備にかかる想定累計費用 (2019年~2078年(60年後)の費用(単位:億円)を折れ線グラフで表示) パターン① 長寿命化し、現地で建替え パターン② 鷺沼駅周辺再編整備に伴い移転 パターン②′ 保有資産の価値を考慮しない場合 パターン③ 区役所ー現地建替え、市民館・図書館ー移転 パターン③′保有資産の価値を考慮しない場合 基本的な考え方 ①鷺沼駅の交通結節機能の強化を踏まえた宮前区の核となる地域生活拠点の形成 ・これからの区役所(平常時)は、福祉や介護、生活支援に関する相談などの行政サービスを提供 ・高齢化が進む中では、市民館・図書館も含め、公共交通によるアクセス性の確保がより重要 ・鷺沼駅前再開発では、宮前区全体の発展に資する鷺沼駅へのアクセス性向上に向けた取組を推進 ・多様なライフスタイルに対応した都市機能の集積による利便性の向上 ・将来を見据えたコンパクトなまちづくりを推進するため、区役所・市民館・図書館を一体的に移転・整備し、宮前区の核となる地域生活拠点の形成を図る ②建物・設備の更新と的確な機能分担による災害に強いまちづくり ・再開発に合わせて建物・設備を更新することにより耐震性や運営面を考慮した機能性の向上を図るなど、既存建物以上の安全性と機能性で、区役所(災害時)の「機能」を確実に確保 ・鷺沼(区役所)、宮前平(消防署・警察署)の2拠点体制として被災リスクを分散、新たに回復力(レジリエンス)と多重性(リダンダンシー)を確保 ③民間施設等との連携による文化・交流拠点の形成と新たなコミュニティの創出 ・再開発事業による施設整備として、これまでの区役所、市民館・図書館としての単一機能的な施設ではなく、民間施設との連携、機能・空間の融合や多機能化を図ることによる相乗効果により、多世代が訪れ、多様なコミュニティを創出する新たな文化・交流拠点を形成 ④現区役所等施設・用地の活用に向けた市民参加による検討 ・現区役所・市民館・図書館移転後の施設・用地(以下「現区役所等施設・用地」)は、本市の貴重な財産 ・意見交換会やフォーラムでも、「現在の区役所でこれまでに培ってきた人や活動のつながりに配慮してほしい」、「文教地区としての魅力を落とさないでほしい」、「跡地は防災の拠点に」、「スポーツができる広場を整備してほしい」等の意見 ・現区役所等施設・用地の活用については、今後、宮前区全体の将来のまちづくりや現区役所周辺エリアの活性化等の観点から課題やニーズを整理し、市民参加で検討 ⑤地域バランスを考慮した区全体の機能向上(向丘出張所の機能の検討) ・向丘出張所については、地域バランスを考慮した区全体の機能向上という観点や、本市の関係施策の位置付け・検討状況を踏まえ、「身近な活動の場」や「地域の居場所」としての活用など、地域の皆様とともに地域ニーズや課題を把握・整理し、機能のあり方について検討 鷺沼駅周辺に移転・整備する区役所・市民館・図書館について 区役所 規模 将来的な組織再編等への対応を想定しつつ、現庁舎と同程度の施設規模を基本 整備位置、時期 ・区役所機能は、防災上の機能に配慮し、民間施設が集中する駅前街区ではなく北街区(図参照)の低層部に整備 ・整備時期の詳細は未定だが、概ね平成40(2028)~42(2030)年度頃の完成 市民館・図書館 規模 今後も生涯学習施設としての取組を推進していくため、現施設と同程度の施設規模を基本 整備位置、時期 ・市民館・図書館機能は、民間施設との連携による相乗効果を活かすため、駅前街区(図参照)の低層部に整備 ・平成33(2021)年度工事着手予定。平成37(2025)又は38(2026)年度中の供用開始を目指す 図 導入機能の配置イメージ(準備組合提供資料)(北街区、駅前街区の位置及び導入機能等を記載) ※本図面は、現時点のものであり、今後変更になる可能性があります 駅アクセス向上の方向性①(駅周辺交通環境の改善) 駅周辺交通環境の改善 交通広場の拡充による安全性等の確保や通過交通等に配慮した、駅周辺の交通流の改善を図ります。併せて、限られた空間を立体的に活用し、乗り継ぎ利便性やユニバーサルデザインに配慮した交通環境の整備を図ります。 施策①交通広場の拡充 現行の交通広場を運用しながら整備が可能となる位置に、約2倍の広さに拡充 施策②交差点の集約化 現行の交通広場とフレル鷺沼の間の道路を廃止し、同位置に交通広場の出入口を配置することで、交差点の集約化(3箇所⇒1箇所)を検討 施策③周辺道路への右左折レーンの設置​ 施策④交流機能の確保 人々が憩い、集い、語らう場としての「交流機能」を有した広場の駅至近への配置を検討 ​ 施策⑤ユニバーサルデザインへの​配慮 交通広場内のバリアフリー化及びユニバーサルデザインタクシー対応の乗り場の整備を検討 施策⑥駐輪場等の確保 条例などに基づき、利便性確保に向け、交通広場の下部等への駐輪場の適正配置に向けて検討 図 鷺沼駅周辺イメージ図(交通広場、周辺道路等を記載) 計画諸元 バス 乗車バース 増設(6バース程度)、降車バース 新設(2バース程度)、待機スペース タクシー 乗降スペース、待機スペース 一般車 乗降スペース、身障者乗降スペース ※本図面は、現時点のものであり、今後の管理者協議等により変更になることがあります 駅アクセス向上の方向性②(路線バスネットワークの充実) 路線バスネットワークの充実   身近な地域交通における市民の利便性向上と駅アクセス強化等に資する路線バスネットワークの充実に向け、小田急沿線方面などの路線の新設や、鷺沼駅周辺に移転する区役所等施設へ向丘地区方面などからのアクセス強化を図るための既存路線の再編など、バス事業者と連携した取組を進めます。 広場再編整備前の先行的な取組 「鷺沼駅~聖マリアンナ医科大学前」路線新設(市バス・東急バス・小田急バスが平成30(2018)年10月から共同運行開始) 広場再編整備の機会を捉えた路線バスネットワークの充実に向けた取組 ①新たに鷺沼駅に接続する路線 ②既存路線の増便等によるアクセス強化 図 路線バス ネットワークの充実 イメージ図 ※バスの利用実態、需要動向、事業採算性を踏まえながら、バス事業者と協議・調整を行い、取組を推進 現区役所等施設・用地について 現区役所等施設・用地については、まちづくりフォーラムや意見交換会等を通じて、市が当用地を保有し続けるべきといった御意見や、防災機能の確保、地域活動の場所の確保、スポーツができる広場の整備など、区役所等施設を移転した場合の活用について御意見をいただいています。 本格的な施設・用地活用まで期間があること等から、段階を経ながら、一定の時間をかけて、活用方策を検討する必要があります。 そのため、現区役所等施設・用地の活用について、次の考え方を基本として、今後の検討を進めていくこととします。 ①市による施設・用地保有  現区役所等施設・用地は、一定規模のまとまった公有地であること、また、防災上の活用を含め、地域課題の解決に資する活用可能性を検討する必要があること等から、市が保有し続けることを基本とし、その活用方策を検討することとします。 ②宮前区全体と周辺エリアの将来を見据えた課題やニーズの整理  宮前区全体の将来のまちづくりや現区役所周辺エリアの活性化等の観点から、地域課題や行政需要、地域ニーズを整理し、宮前区全体の魅力や安全安心の暮らしの向上を目指し、効率的かつ効果的な活用ができるよう、検討を行います。 ③市民参加による検討  活用検討に当たっては、検討過程の透明性の確保に努めるとともに、地域課題や行政需要のほか、民間事業者のアイデアや手法など民間活力の活用可能性も含め、検討の前提となる条件を整理し、検討段階に応じて、適切な方法で市民参加の機会を確保していきます。 今後の取組 再開発事業全体のスケジュールは、平成31(2019)年度の都市計画手続きを経て、平成33(2021)年度の工事着手を目指し、取組が進められます。工事については、平成33(2021)年度以降、街区ごとの段階的な施工を検討しており、標準的な工期としては、街区ごとに3~6年程度となりますが、街区の規模等を勘案し、駅前街区5~6年程度、北街区3~4年程度の工期を想定しました。 詳細な工程については、準備組合において、検討されることとなりますので、情報把握が出来た段階で、お知らせしていきます。 なお、市民館・図書館は平成37(2025)又は38(2026)年度中の供用開始を、区役所は整備時期の詳細は未定ですが、概ね平成40(2028)~42(2030)年頃の完成を目指しています。 再開発事業全体スケジュール(想定) 平成30年度(2018) 基本方針策定 平成31年度(2019) 都市計画手続 平成32年度(2020) 再開発組合設立 平成33年度(2021)~平成37(2025)又は38(2026)年度 駅前街区工事 平成37(2025)又は38年度(2026)~平成40(2028)-42(2030)年度 北街区工事 駅前街区(市民館・図書館)スケジュール(想定) 平成30年度(2018) 基本方針策定 平成31年度(2019) 基本計画策定 平成32年度(2020) 基本・実施設計 平成33年度(2021) 実施設計 平成33年度(2021)~平成37(2025)又は38(2026)年度 駅前街区工事 平成37(2025)又は38年度(2026) 宮前市民館・宮前図書館供用開始 北街区(区役所)スケジュール(想定) 平成30年度(2018)基本方針策定 ※駅前地区の取組が先行します 平成34(2022)~36(2024)年度 基本計画策定実施設計 平成37(2025)又は38年度(2026)~平成40(2028)-42(2030)年度 北街区工事 平成40(2028)~42(2030)年度 宮前区役所供用開始 ※平成31(2019)年度に行う都市計画決定手続きの中でも、都市計画素案説明会や縦覧など、都市計画の内容について市民意見を伺う場があります 問い合わせ先 フォーラム、意見交換会、基本方針(案)への市民意見募集に関すること 市民文化局区政推進課 電話 200-2309 ファクス 200-3800 再開発事業など、まちづくりに関すること まちづくり局地域整備推進課 電話 200-2743 ファクス 200-3967 区民意識アンケートに関すること 宮前区役所企画課 電話 856-3170 ファクス 856-3119 市民館・図書館に関すること 教育委員会事務局生涯学習推進課 電話 200-1981 ファクス 200-3950