ハートリレー第17回 
人と環境をサポートし、優しい地域社会を目指す「サボン草Ⅱ」

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写真 地域活動支援センター「サボン草Ⅱ(セカンド)」

 たかつハートリレー第17回で御紹介するのは、梶ヶ谷にある地域活動支援センター「サボン草Ⅱ(セカンド)」です。ここは障がいがある方が働く作業所と、廃食油をリサイクルした石けん「きなりっこ」とその関連商品を販売するアンテナショップとしての2つの顔を持つ施設です。

大きなテーブルを囲んでみんなで作業を進めます

 軽作業は、1階の作業スペースにある大きなテーブルを囲んで、利用者の方全員で行います。
取材に訪れた日は、高津区まちづくり協議会の発行する情報紙「キラリたかつニュース」の発送作業と地域の事業所から請け負った部品の組立作業。部品の組立作業は大きなテーブルに利用者の方みんなで席に着いて、慣れた手つきで細かい作業を進めていました。

 作業は朝9時30分から12時までの2時間半。その間に2回の休憩をとるので、障がいをもった方でも無理なくできる作業量です。利用者の方に話を聞いてみると「もっと作業量が多くても大丈夫!」と頼もしい返事が返ってきました。自然光がたっぷり入る明るいスペースでベテランのスタッフのサポートを受け、ちょっとしたおしゃべりも楽しみながらの作業です。

写真 壁には手づくりのプログラム

大きなテーブルが作業台

写真 細かい仕事に集中して…

細かい仕事に集中して…

写真 専門の機器を使った作業もこなします

専門の機器を使った作業もこなします

資源循環を目指す市民の思いからスタートした活動が礎

 「サボン草」の発端は、約30年前に合成洗剤による環境汚染を止めるための“石けん運動”の機運が高まった時に市民らの出資による株式会社「川崎市民石けんプラント」の設立にあります。川崎市民石けんプラントは、ワーカーズ・コレクティブという形式をとっていて、関わる一人ひとりが個人資源(知恵・時間・労力・お金)を出しあい、自発的に責任を持った働き方をしています。現在は、川崎区塩浜で環境保全や障がい者福祉などを目的とするNPO法人として、市民団体「かわさきかえるプロジェクト」などと連携し、廃食油の回収や再利用の研究を行っています。

 「きなりっこ」は川崎市民石けんプラントの主力製品で、川崎市内の小学校から回収された廃食油をリサイクルして作った石けんで、再び学校に購入されて食器洗いなどに使われ、資源循環型社会を推進しています。2008年にはそのすぐれた洗浄力と環境に優しい商品としてかわさき­名産品にも認定されて、市民からの認知も高まってきています。

 

写真 地球を思う、小さな一歩。きなりっこのキャッチフレーズです

地球を思う、小さな一歩。きなりっこのキャッチフレーズです

 サボン草は、川崎市精神障害者福祉作業所として1993年に石けんプラントに併設されたものです。今回訪れた「サボン草Ⅱ」は、きなりっこのアンテナショップとして川崎市北部への販売の中継点としても機能している施設で2011年5月に開設されました。

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取材先

地域活動支援センター サボン草Ⅱ

施設長
藤田 裕子さん
連絡先
サボン草Ⅱ
住所
〒213-0015 
川崎市高津区梶ヶ谷3-1-13
電話
044-740-9186

取材者

写真 取材者

高津図書館 読み聞かせボランティアグループ
「めんどり」平野純子(中)寺﨑由紀子(右)
「ゆりかご」戸田和子(左)

高津図書館で絵本の読み聞かせを開いている2つのグループのメンバーです。
「めんどり」は3歳以上の幼児と小学生。「ゆりかご」は1〜2歳の乳幼児対象です。