ハートリレー第26回 誰もが自分の可能性にチャレンジできる
総合型スポーツクラブSELFの障がい者参加プログラム「ハートクラブ」

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「ハートクラブ」を支えるSELFとそのスタッフ

 取材時にひときわ元気に参加者をリードしていたのは、SELFのスタッフの井村さん。参加したみんなが楽しい1時間半を過ごせるようにプログラムの企画、実技の指導、試合の審判から盛り上げ役までをこなします。人なつっこい笑顔が印象的な参加者みんなの兄貴役といったところでしょうか。

 「以前は障がい者は学校を卒業すると、運動機会がまったくなくなってしまうという信じられない状況だったんです。今は法律が改善されましたが、自分たちで何かできないかということで始めたのがハートクラブでした。最初はダンスや太鼓の演奏などから始めました。続けてやっているうちにもう少し発展させてオープンエアプログラム、簡単に言うと最終的には笑顔になろうという目的のプログラムで、高齢者から障がい者まで関係なく遊べるものを用意して、お互いに理解を深めることができ、そのことによって社会参加ということにつながっていけばいいなと考えています。」と井村さんは話してくれました。

写真 ハートクラブを楽しく盛り上げる井村さん

ハートクラブを楽しく盛り上げる井村さん

 今回御紹介したハートクラブをはじめ、様々なスポーツに親しむプログラムを展開しているのが、NPO法人 高津総合スポーツクラブSELFです。「地域の『遊び場』づくり。」ということをコンセプトに高津中学校をはじめ、地域の学校施設などで地域のニーズに沿ったスポーツ振興のための事業を行っている法人(平成18年にNPO法人登記)です。

 法人の名称の“SELF”は、“Sports/Enjoy/Life/ Friendly”の頭文字をつないだもの。50種類以上のプログラムを毎日定期的に行い、田植えや日帰りツアーなどの自主企画を通して楽しみながらの健康づくりを推進しています。また、地域とのつながりを大切にするプログラムで地域のつながりづくりや、地域の様々な団体と連携して「より良い地域づくり・まちづくり」に貢献しています。

 「この“SELF”ということばがすべてを象徴しています。子どもから高齢者、障がい者を含め生涯スポーツの場ということを考えた場合、どの段階でも“自らが”、とか“主体的に”ということが非常に重要なキーワードなんです。」と語るのは広報担当の戸沼さん。

 スポーツを教える方にも教えられる方にも、自分のできることをしよう、目の前の課題をまず解消していこうという精神が浸透していて、そのことがSELFという組織を「地域のつながりを促進するためのハブ=装置」とさせているのだなと感じました。

写真 お話しを伺ったSELFの広報担当戸沼さん

お話しを伺ったSELFの広報担当戸沼さん

取材を終えて

 以前からSELFさんのことは知っていたのですが、今回取材をさせていただき、さらにパワーアップした活動に驚くとともに、その素晴らしさを実感しました。スポーツを中心にしながらも、走り方教室、語学、ダンス、書道、ピラティスといった幅広い方が参加できるプログラム群、障がい者でも一緒に参加し楽しめるプログラムを作りあげる方針、学校という地域の大事な「資源」を使いながら地域の方がボランタリーに活動を支える運営形態等々…。

 お話しを会議室でお聞きした後は、「ハートクラブ」のプログラムで障がいのある若者たちと一緒にドッヂビーも体験。障がいの有無や年齢に関わらず、さまざまな人たちが交流する「場」の創造・実践は、地域だからこその魅力にあふれていました。

 私たちイキメン研究所では、「仕事だけでなく家庭や地域でも生き生きと過ごす」男性を増やすことを目指して活動していますが、メンバーの実践の場として今後はさらにSELFさんとの連携を図っていければと感じました。

 

(イキメン研究所 尾形)

 

「ハートクラブ」のことをもっと知りたい

  • 活動場所:高津中学校3階 多目的スペース 高津区久本3-11-2
  • 活動日時:毎月第3土曜日 午前10時30分〜12時
  • 問合せ:NPO法人 高津総合型スポーツクラブSELF        
       電話 044-833-2555
       ファックス 044-833-3006
       ホームページ http://takatsuself.com
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取材先

NPO法人 高津総合型スポーツクラブSELF「ハートクラブ」

 
戸沼 智貴(とぬま ともたか)さん

取材者

写真 取材者

イキメン研究所
織田 弦(おだ ゆずる)さん(左)、尾形 泰伸 (おがた やすのぶ)さん

イキメン研究所は、子育てを入口にパパが地域でイキイキと活動できるように研究を重ねています。