施策進行管理・評価票(1)

評価年度:2012年度


<基本情報>

施策課題 25201000 医療の質及び患者サービスの向上 作成課 病院局経営企画室
基本政策 幸せな暮らしを共に支えるまちづくり 政策の
基本方向
地域での確かな医療を供給する 基本施策 信頼される市立病院の運営
関係課 市立川崎病院事務局庶務課、市立井田病院事務局庶務課、経営企画室多摩病院運営管理担当 重点  

<第3期実行計画(2011(H23)〜2013(H25)年度)における施策の概要及び施策の目標>

当該施策によって
解決すべき課題
●医療の高度化、高齢化社会の急速な進展による老齢人口の増加、慢性疾患を中心とした疾病構造の変化などにより、近年の医療需要は複雑化、多様化する傾向にあります。市立病院は、地域の基幹病院又は中核病院として、高度・特殊・急性期医療や、救急医療等を継続的かつ安定的に提供することが求められています。
●多様な医療ニーズに対応するため、医療機関相互の機能分担と連携を進め、地域の医療水準を高めていくことが重要であり、地域医療連携*の強化が求められています。
施策の概要 ●川崎病院は総合的な病院として、高度・特殊・急性期医療を中心に、医療人材の確保による救急医療の拡充・体制強化と地域医療連携を推進するとともに、災害時医療の拠点及び臨床研修指定病院*としての役割を担います。また、地域周産期母子医療センター開設から3年目を迎える2012年度は助産外来*を開設し、さらに効率的で安定した運営を充実させるよう取り組みます。
●井田病院は市南部地域の中核病院、あるいはがん診療連携拠点病院として、がん等の高度・特殊な医療の提供、成人疾患医療や二次救急医療の強化、地域医療連携の推進、結核医療の充実、ケアプラン病床*の設置など、医療機能の充実・強化を図ります。
●多摩病院は、救急及び急性期医療を軸とする中核病院としての役割が果たせるよう、さらには市立病院として適切な運営が行えるよう、指定管理者(聖マリアンナ医科大学)への指導・管理を行うとともに、民間活力を活かした効果的かつ効率的な病院運営を行います。
施策の目標 ●救急医療拡充・体制強化(川崎病院・井田病院)
●地域周産期母子医療センターの安定的な運営(川崎病院)
●高度・特殊・急性期医療充実に向けた施設利用の検討・実施(川崎病院)
●助産外来の開設(川崎病院)
●7対1看護体制*の導入(川崎病院)
●がん診療連携拠点病院としての機能強化(井田病院)
●地域医療支援病院*の指定準備(井田病院)
●臓器別センター・ケアプラン病床運用開始(井田病院)
●指定管理者制度を活用した効率的な病院運営の推進(多摩病院)

<成果の説明>

解決すべき課題に対する当該年度の成果 ●川崎病院では、救急外来の初療ベッドを6床から10床に増設し、救急患者の受入体制を強化しました。また、地域周産期母子医療センターを安定的に運営し、NICU(新生児集中治療管理室)では、前年度並みの2,070人の患児を受け入れるとともに、助産外来については、診察室改修工事、機器・備品購入、スタッフ研修を実施し、2013年3月に開設しました。また、リウマチ膠原病・痛風センターの設立準備委員会を設置し、多職種の職員が連携して対応する同センターの開設に向けた準備を進めるとともに、2012年11月から7対1看護体制を導入し、良質な看護サービスを提供しました。
●井田病院では、川崎病院との連携などによる救急専門医の確保を図ることにより救急患者受入体制の強化に取り組みました。また、地域がん診療連携拠点病院として緩和ケア*研修会や市民公開講座を定期的に開催し、地域の在宅医療支援診療所等との連携強化を図るほか、がんサロン*を開催し、がん患者やその家族への支援を行うとともに、地域の医師会と症例検討会を開催するなど、地域医療支援病院の認定に向けた準備を進めました。さらに、5月には診療科の枠を越えた3つの臓器別センターを開設し、医療機能の充実を図りました。
●多摩病院については、協定書や事業計画書等に沿って、良質な医療サービスが安定的に提供されているのか毎月報告書等で確認するとともに、運営協議会を2回開催し、運営状況の検証と市民意見の反映に努めました。
残された課題,新たな課題,社会環境の変化等 ●全国的な医師・看護師不足が続くなか、医療の高度化、高齢化社会の急速な進展による老齢人口の増加、慢性疾患を中心とした疾病構造の変化などにより、近年の医療需要は複雑化、多様化する傾向にあります。市立病院は、地域の基幹病院又は中核病院として、高度・特殊・急性期医療や、救急医療等を継続的かつ安定的に提供することが求められています。
●医療資源の有効活用による地域医療水準の向上と地域医療機関相互の機能分担を推進していくため、さらなる地域医療連携推進に努めていく必要があります。
評価結果及びその評価区分とした理由 2011 2012 2013 ●救急医療の拡充、体制強化及び地域医療連携推進による地域の医療機関相互の機能分担を推進している中、それを担う医療人材が全国的に不足しており、地域の基幹病院又は中核病院として求められる医療を安定的に提供するため。
AⅡ AⅡ  

A 施策が順調に推進したもの(新たな課題等 Ⅰ 無 Ⅱ 有) B 施策が一定程度推進したもの C 施策が推進していないもの


<今後の取組や方向性及び改善に向けた考え方>

2013年度における取組や方向性及び施策の改善に向けた考え方 ●救急医療の体制強化・拡充のため、医師等の人材確保を図ります(川崎病院・井田病院)。
●災害時に必要な医療の提供ができるよう、災害医療拠点病院としての機能確保や備蓄品の充実を図ります(川崎病院・多摩病院)。
●良質な医療サービスの提供に向けた7対1看護体制を維持できるよう、人員確保を推進します(川崎病院)。
●地域の医療機関との連携強化を図り、地域医療支援病院の指定に向けた準備を行います(井田病院)。
●民間活力を生かした病院運営を行い、地域の医療ニーズに対応した医療サービスが提供できるよう、指定管理業務の運営管理を行います(多摩病院)。

<参考指標>

参考指標名① 参考指標名② 参考指標名③
救急自動車受入件数(川崎病院/井田病院) 入院患者満足度(川崎病院/井田病院) 外来患者満足度(川崎病院/井田病院)
指標の説明① 指標の説明② 指標の説明③
1年間に受入れた救急自動車件数です。救急医療をどの程度提供できているのかを表す指標です。
※計画値・実績値の見方
川崎病院の数値/井田病院の数値
入院患者が求める質の高い安全で安心な医療を、どの程度提供できているのかを表す指標です。

※計画値・実績値の見方
川崎病院の数値/井田病院の数値
外来患者が求める質の高い安全で安心な医療を、どの程度提供できているのかを表す指標です。

※計画値・実績値の見方
川崎病院の数値/井田病院の数値
指標の方向性① 指標の方向性② 指標の方向性③
大きいほどよい 大きいほどよい 大きいほどよい
年度 計画値 実績値 単位 年度 計画値 実績値 単位 年度 計画値 実績値 単位
2010 -/- 8,390/2,318 2010 95.0/95.0 92.0/95.0 % 2010 85.0/85.0 84.0/81.0 %
2011 -/- 7,786/3,092 2011 95.0/95.0 95.7/96.1 % 2011 85.0/85.0 88.1/90.1 %
2012 8,390/3,000 8,128/2,981 2012 95.0/95.0 96.5/95.7 % 2012 90.0/90.0 88.6/94.3 %
2013 8,390/3,200     2013 95.0/95.0     2013 90.0/90.0    

<事業費>

(単位:千円)
年度 2011(H23)年度 2012(H24)年度 2013(H25)年度
予算 決算 計画事業費 予算 決算見込 計画事業費 予算 決算見込
事業費合計 34,872,848 32,719,733 36,360,777 27,416,755 26,183,138 36,268,560 0 0

<配下の事務事業所一覧>

事務事業名 達成状況 事務事業名 達成状況
川崎病院の運営 3 井田病院の運営 3
多摩病院の運営管理 3    

<用語説明>

地域医療連携:地域における病院、診療所、あるいは医師、看護師等の医療資源を有効活用するため、軽症患者の診療、安定した慢性疾患患者の経過観察及び日常的な健康管理は診療所で行い、また精密検査や入院治療、あるいは高度・専門的治療は病院で行うことにより、機能分担を図ること。

臨床研修指定病院:医療法に基づき、医師免許を取得した医師が卒後2年間研修を行う場として、厚生労働大臣が適当と認め、指定する病院。

助産外来:外来で、正常経過の妊産婦の健康診査と保健指導を助産師が自立して行うもの。

ケアプラン病床:療養病床としてではなく、一般病床の中で高齢者の病状評価や、在宅や施設への移行を支援するための病床。

7対1看護体制:患者7人に対して看護師等を1人以上配置すること。7対1は一般病床において最も手厚い看護を実施できる体制であり、他に10対1、13対1、15対1などがある。

地域医療支援病院:地域の病院や診療所などの支援を担うことを目的として、都道府県知事が承認する病院。病床数が200床以上の病院であること、紹介率、逆紹介率が一定の基準以上であること、他の医療機関に対して医療機器や病床を提供し共同利用することなどが、承認の要件となっている。

緩和ケア:治療効果が期待できない悪性腫瘍(がん)等の末期患者等に対して、苦痛や症状を和らげるとともに、患者及びその家族の心のケアを行うこと。

がんサロン:がん治療に関する情報提供や療養上の相談、患者さん同士の語り合う場。
>>前のページへ戻る