施策進行管理・評価票(1)

評価年度2013年度


<基本情報>

施策課題 11303000 健康安全研究所の整備・運営 作成課 健康安全研究所
基本政策 安全で快適に暮らすまちづくり 政策の
基本方向
暮らしの安全を守る 基本施策 良好な生活衛生環境の確保
関係課   重点

<第3期実行計画(2011(H23)〜2013(H25)年度)における施策の概要及び施策の目標>

当該施策によって
解決すべき課題
●現在の衛生研究所は、施設の老朽化への対応が喫緊の課題となっています。
●新型インフルエンザ等の感染症や食中毒、残留農薬等が含まれた輸入食品の流通等健康危機に関する多様な課題と直面しており、常に発生時を想定した高度かつ広範な要請への対応が求められています。
●健康危機管理の充実強化のためには、専門的知見、高い精度管理と先進技術に基づく高度検査機能を有する科学的・技術的拠点が不可欠であるため、地方衛生研究所としての基本機能(試験検査、調査研究、情報発信、研修指導)をそれぞれ強化し、健康危機管理に関する施策全般を支援する科学的・技術的拠点施設として整備する必要があります。
施策の概要 ●殿町3丁目地区先行土地利用エリアにおけるライフサイエンス・環境分野の中核施設「仮称産学公民連携研究センター(現:川崎生命科学・環境研究センター LiSE)」内に、健康危機管理に関する施策全般を支援する科学的・技術的拠点施設として「健康安全研究所」を2012年度中に開設します。
●健康危機管理対策を推進するため、試験検査環境の充実、調査研究基盤の整備、情報発信体制の充実強化を目指します。
●開設後は、衛生研究所における基本機能(試験検査、調査研究、情報発信、研修指導)を高度化するとともに、産学公民連携による共同研究や公衆衛生情報の収集・解析・発信を推進し、殿町地区におけるライフサイエンス分野の拠点形成の先導的な役割を担います。
施策の目標 ●2012年度中の健康安全研究所の開設に向け、現在の衛生研究所の基本機能の高度化に向けた具体的な取組を検討し、本市における科学的・技術的拠点施設として整備します。
●共同研究を一層推進するため、開設までに、必要な試験研究環境の整備を行うとともに、人事・組織体制や情報発信体制の強化に向けて庁内関係部局と検討・調整を進め、開設後は取組を推進します。
●実験動物中央研究所をはじめ、殿町地区に集積する研究施設や、既に連携実績のある他都市衛生研究所等とは、さらに強固な連携を推進し、施策に確実に反映できる研究成果の創出を目指します。

<成果の説明>

解決すべき課題に対する当該年度の成果 ●新規・更新した分析機器の使用環境を整え、監視指導計画等に基づいた試験検査や放射能検査、食中毒や感染症等の緊急対応について正確かつ迅速な結果を提供し、健康被害の発生予防及び拡大防止に努めました。
●要綱に基づき研究を実施する職員が研究計画書を作成し、37課題を内部委員会で評価し、有識者を含む外部委員会で10課題の評価を受け、より効果的な研究となるよう指導・助言を得ました。また、調査研究を円滑に推進するため、文献検索・請求・保管を効率的に行うための環境を整備しました。
●倫理審査委員会を設置し、疫学研究の倫理指針等に基づき弁護士、有識者による審査を行いました。
●隣接する実験動物中央研究所等との共同研究に着手するとともに、地元企業の技術を活用した検査技術の共同開発について実用化に向けた取組を進めました。
●感染症情報発信システムについては、関係部局や医療関係団体の調整を行いながら開発作業を進めるとともに、市内全医療機関に対し登録申請等の協力を依頼し、2014年3月から運用を開始しました。
●健康危機発生時における初動体制及びネットワークの構築に向けてFETP-Kプラン*を立ち上げ、職員向け研修会を開催するとともに、FETP*初期導入コースへの職員派遣体制を整備し、2014年度派遣職員を決定しました。
●研究所としての総合的な情報発信を行うため、ホームページの見直しを行いました。
●研究所の認知度向上を目指し、研究機関や市民等に対し99回・1,248名の視察対応を行いました。
残された課題,新たな課題,社会環境の変化等 ●感染症情報発信システムの安定稼働と各種機能の効果的な利用を推進し、早期探知とまん延防止を目指します。
●FETP-Kプラン*を進め、健康危機事象発生時の円滑な初動体制と再発防止に関わるFETP*初期導入コース派遣職員が核となるネットワークの構築を目指します。
●多様化する調査研究を適正かつ効果的に推進するため、事例の積み重ねや分析、調整が必要です。
●信頼性確保部門*移管に伴う食品検査の業務管理(GLP)*体制の再構築及び調整が必要です。
評価結果及びその評価区分とした理由 2011 2012 2013 ●新たな分析機器の調整を着実に進め、正確かつ迅速な試験検査結果の提供により、健康被害の拡大防止に努めました。
●感染症情報発信システムの運用開始、FETP-Kプラン*の推進により、人材育成を含めた感染症対策の専門的支援を推進しました。
●調査研究課題の評価・審査、多様な研究機関との知的交流等により、研究内容の質的向上が図られました。
AⅡ AⅡ AⅡ

A 施策が順調に推進したもの(新たな課題等 Ⅰ 無 Ⅱ 有) B 施策が一定程度推進したもの C 施策が推進していないもの


<今後の取組や方向性及び改善に向けた考え方>

2014年度以降の方向性 ●感染症情報発信システムの活用による円滑な情報収集発信の推進、専門的知見に基づいた高度な情報解析、FETP-Kプラン*の推進によるネットワークの充実により、健康危機事象の発生予防・拡大防止・再発防止に迅速に対応します。
●殿町地区内外の研究機関との共同研究を推進することで、公衆衛生の発展に貢献し、より信頼性のある研究成果の創出を目指します。
●要望に沿った視察・見学対応や積極的な情報発信に努め、研究所の認知度向上を目指します。

<参考指標>

参考指標名① 参考指標名② 参考指標名③
     
指標の説明① 指標の説明② 指標の説明③
試験検査や調査研究等地方衛生研究所としての基本機能に関する参考指標の設定に向けて、指標の方向性の見極め等課題を検討してまいります。    
指標の方向性① 指標の方向性② 指標の方向性③
     
年度 計画値 実績値 単位 年度 計画値 実績値 単位 年度 計画値 実績値 単位
2010       2010       2010      
2011       2011       2011      
2012       2012       2012      
2013       2013       2013      

<事業費>

(単位:千円)
年度 2011(H23)年度 2012(H24)年度 2013(H25)年度
予算 決算 計画事業費 予算 決算 計画事業費 予算 決算見込
事業費合計 5,484 6,152 362,073 346,392 292,097 525,093 310,132 307,973

<配下の事務事業一覧>

事務事業名 第3期実行計画
期間の達成状況
事務事業名 第3期実行計画
期間の達成状況
健康安全研究所の整備・運営    

<用語説明>

●食品検査の業務管理(GLP):食品衛生法の規定に基づき、市が設置する食品衛生施設においては、厚生労働省令の定める基準により検査又は試験に関する業務を管理しなければならず、試験検査及びその結果の信頼性を確保するための一連のシステムを指す(Good Laboratory Practice)。
●標準作業書:機械器具保守管理、試薬等管理、動物飼育管理、試験品取扱、検査実施について基準を定め、文書化したもの。
●信頼性確保部門:試験品採取、検査部門から独立して、試験検査の信頼性が確保されているかを点検確認する部門。
●FETP(実地疫学専門家養成コース):1975年にカナダで初めて設置され、現在は全世界約30か国で設置されている。日本では1999年に設置され、国立感染症研究所にて2年間の実務研修を受け、感染症危機管理事例を迅速に探知して適切な対応を実施するための核となる人材を育成する。
●FETP-Kプラン(FETP-Kawasakiプラン):川崎市における実地疫学専門家ネットワークを構築し、保健所等職員の人材育成、平常時からの情報共有の促進、疫学調査支援等の取組を通じて、健康危機事象の拡大防止・再発防止に迅速に対応する。
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