施策進行管理・評価票(1)

評価年度2013年度


<基本情報>

施策課題 13203000 総合的な耐震化対策及び災害に強いまちづくり 作成課 まちづくり局総務部企画課
基本政策 安全で快適に暮らすまちづくり 政策の
基本方向
身近な住環境を整える 基本施策 暮らしやすい住宅・住環境の整備
関係課 まちづくり局指導部開発審査課、指導部建築監察課、市街地開発部住宅整備課、市街地開発部住宅建替推進課、施設整備部施設保全担当、計画部都市計画課、市民・こども局市民生活部市民協働推進課、消防局総務部施設装備課、まちづくり局総務部まちづくり調整課 重点

<第3期実行計画(2011(H23)〜2013(H25)年度)における施策の概要及び施策の目標>

当該施策によって
解決すべき課題
●2011年度に発生した東日本大震災をはじめ、近年の大規模地震により、特に1981年5月以前の旧耐震設計基準に基づき建築された老朽化した建築物の倒壊や建築物の構造体及び設備の損傷などの甚大な被害が発生しています。このため、公共建築物や民間の建築物の耐震化の目標を定めた「川崎市耐震改修促進計画」に基づき、耐震対策を着実に実施し、建築物の耐震性・安全性の向上を図る必要があります。
●台風や集中豪雨等により、地すべりや土地の崩落などの土砂災害が発生しています。このため、宅地の防災対策を行い、安全性の向上を図る必要があります。
施策の概要 ●2007年4月に「川崎市耐震改修促進計画」を策定し、住宅や特定建築物(*1)などの民間建築物と公共建築物に区分して、2015年度までの耐震化対策の目標を定めました。また、2013年に改正された耐震改修促進法や国の基本方針を踏まえ、「川崎市耐震改修促進計画」を改定します。
●公共建築物については、市民の安全と安心を確保するため、耐震診断結果や「公共建築物(庁舎等)に関する耐震対策実施計画」に基づき、耐震対策を推進します。
●民間建築物については、耐震診断や耐震改修等に対する助成を行い、耐震化を促進することで、総合的な耐震対策及び災害に強いまちづくりを推進します。
●急傾斜地崩壊対策については、土砂災害から市民の生命及び財産を守るため、神奈川県による急傾斜地崩壊危険区域等の指定と合わせて、崩壊防止工事を推進します。また、宅地防災工事助成により老朽化した擁壁等の改修促進を図ります。
施策の目標 ●公共建築物の耐震対策として、耐震診断を行い、耐震対策が必要な建築物について耐震補強工事等を実施します。
●民間建築物の耐震対策として、特定建築物の助成制度を拡充し、木造住宅及び民間マンションの助成制度と併せて所有者等にセミナー・相談会等を通じて多角的に周知することで、助成件数の増加を図ります。
●急傾斜地崩壊対策として、土砂災害警戒区域や避難体制等を記載したハザードマップを作成し、市民に周知します。また、老朽化した擁壁に倒壊等の恐れがある場合、法で定める基準に作り直すように推進します。

<成果の説明>

解決すべき課題に対する当該年度の成果 ●公共建築物(庁舎等)の耐震対策として、「公共建築物(庁舎等)に関する耐震対策実施計画」及び「重要建築物及び特定建築物以外の庁舎等に関する耐震対策実施方針」に基づき、耐震補強設計3棟実施し、耐震補強工事4棟を着手しました。
●木造住宅の耐震対策として、耐震診断192件、耐震改修等の助成を142件を実施しました。また、民間マンションの耐震対策として、分譲マンションの実態調査等の実施にあわせ、予備診断、耐震診断・改修助成等の制度について周知を図るとともに、予備診断130棟、一般診断19棟、耐震改修設計6棟を実施しました。
●特定建築物等の耐震対策として、耐震改修に対する助成を拡充し、耐震診断11件、耐震設計2件、耐震改修2件の助成を実施しました。
●急傾斜地崩壊対策として、急傾斜地崩壊危険区域の指定を4件実施しました。また宅地防災対策として、宅地防災工事助成を1件実施しました。
●高層集合住宅に有用な防災備蓄スペースと防災対応トイレの整備を推進するため、2012年7月1日に施行した「高層集合住宅の震災対策に関する施設整備要綱」に基づき、防災備蓄スペースと防災対応トイレを整備した高層集合住宅に対し整備基準適合証(*2)を2件交付しました。
●改正耐震改修促進法の施行により、不特定多数の者又は避難弱者が利用する大規模建築物等について耐震診断が義務付けられたことを受けて、建築物の耐震化を推進するため、耐震改修促進計画を一部改定しました。
残された課題,新たな課題,社会環境の変化等 ●改正耐震改修促進法で、耐震診断が義務化された特定建築物(多数利用、危険物貯蔵)に対する支援の拡充と耐震診断を義務化する道路の指定及び指定に伴う支援制度の整備が必要です。
●神奈川県による土砂災害警戒区域の追加指定が1年遅れて2014年4月に行われるため、急傾斜地崩壊対策事業として、2014年度にハザードマップの作成・配布等を行う必要があります。 ●宅地防災工事助成制度は、補助申請にあたり、所有者が事前相談を行っていることが要件となっていますが、助成対象となる相談件数が低い状況にあるため、助成制度を十分に周知する必要があります。
評価結果及びその評価区分とした理由 2011 2012 2013 「川崎市耐震改修促進計画」に基づく耐震対策を目標年度(2015年度末)に向けて引き続き取り組む必要がありますが、目標に向け、概ね計画通り対策を推進しています。
AⅡ AⅡ AⅡ

A 施策が順調に推進したもの(新たな課題等 Ⅰ 無 Ⅱ 有) B 施策が一定程度推進したもの C 施策が推進していないもの


<今後の取組や方向性及び改善に向けた考え方>

2014年度以降の方向性 ●公共建築物の耐震対策については、2015年度末までに耐震化を完了する目標の達成に向け、耐震対策の取組を推進します。
●民間建築物の耐震対策については、所有者等に対する普及啓発活動を継続して行うとともに、耐震改修促進法の改正を踏まえ、国、神奈川県及び近隣都市の動向を確認しながら、道路閉塞を起こす可能性のある建築物等に対する耐震対策として、耐震診断を義務化する道路の指定等の施策を推進します。
●急傾斜地崩壊対策については、土砂災害警戒区域の追加指定を神奈川県が2014年4月に行うため、ハザードマップの作成・配布等を2014年度に行う必要があります。また、宅地防災工事助成制度の周知を行い、老朽化した擁壁等の改修を促進します。

<参考指標>

参考指標名① 参考指標名② 参考指標名③
庁舎等の耐震補強工事等を行った棟数 木造住宅の耐震改修助成の実施件数 宅地防災工事助成の実施件数
指標の説明① 指標の説明② 指標の説明③
2007年度策定の「公共建築物(庁舎等)に関する耐震対策実施計画」に基づき、公共建築物(庁舎等)の耐震対策として耐震補強工事等を行った棟数です。 民間の木造住宅の耐震化の推進を目的とした、耐震改修助成の実施件数です。 老朽化した擁壁等の改修促進を目的とした、宅地防災工事助成の実施件数です。
指標の方向性① 指標の方向性② 指標の方向性③
大きいほどよい 大きいほどよい 大きいほどよい
年度 計画値 実績値 単位 年度 計画値 実績値 単位 年度 計画値 実績値 単位
2010   7 2010   33 2010   4
2011 1 1 2011 40 71 2011 5 6
2012 10 10 2012 100 125 2012 5 1
2013 2 2 2013 175 142 2013 5 1

<事業費>

(単位:千円)
年度 2011(H23)年度 2012(H24)年度 2013(H25)年度
予算 決算 計画事業費 予算 決算 計画事業費 予算 決算見込
事業費合計 696,107 687,327 679,234 914,532 810,972 979,970 1,036,071 735,970

<配下の事務事業一覧>

事務事業名 第3期実行計画
期間の達成状況
事務事業名 第3期実行計画
期間の達成状況
宅地防災対策事業 急傾斜地崩壊対策事業
建築物防災対策事業 民間マンション耐震対策事業
特定建築物耐震対策事業 公共建築物の耐震化事業
市営住宅等ストック活用事業 防災都市計画推進事業
町内会・自治会会館耐震化事業 応急仮設住宅借上事業
耐震性貯水槽建設事業 高層集合住宅の震災対策施設整備推進事業

<用語説明>

(*1)特定建築物
耐震改修促進法第7条及び第14条に規定されている、建築基準法等の耐震関係規定に適合しない、以下の1〜3の類型の建築物を言います。
1 学校、百貨店・物品を販売する店舗、ホテル・旅館、賃貸共同住宅、事務所等多数の者が利用する一定規模以上の建築物。
2 一定数量以上の危険物を貯蔵・処理する用途の建築物。
3 地震によって倒壊した場合に緊急輸送路等を塞ぐ恐れのある一定以上の高さの建築物。
(*2)整備基準適合証
「高層集合住宅の震災対策に関する施設整備要綱」 に規定する防災備蓄倉庫及びトイレ(直結給水型又はマンホール型)が、住民又は事業者によって整備された場合に、市が交付するアクリル製の板。
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