概要

泌尿器科で担当する悪性腫瘍は尿路(腎臓~尿道)がん、精路(精巣、前立腺) がん、内分泌がんなどです。疾患としては副腎がん、腎がん、腎盂がん、尿管がん、膀胱がん、尿膜管がん、尿道がん、前立腺がん、陰茎がん、精巣がん、後腹膜腫瘍(がん)などで、それぞれの診断、治療(手術、抗がん剤化学療法、放射線療法)フォローアップを行っています。インフォームドコンセント(正確な情報をわかりやすく提供し、納得していただいて治療を選択する事)を診療の基本とし、ガイドライン(現時点で最も推奨される治療)に沿った標準治療を提供しつつ、内視鏡を用いたより患者さんに負担の少ない治療、QOL(生活の質)を大切にした治療を実践しています。

代表的ながんの診療について

  • 前立腺がん
    PSA(前立腺特異抗原)検査という血液検査が普及したことに加えて生活環境の欧米化、高齢化などの理由で患者さんの数は激増しており、男性が罹るがんの中で肺がんに次いで2番目に多いものになると予測されています。 以前は早期発見が難しいがんでしたが、近年PSA検査は多くの自治体で健診に組み入れることにより全国的に普及して早期に発見できる癌が増えてきました。 早期がんは完治が期待できますので、手術、放射線治療を中心に、時にはホルモン療法を組み入れて治療いたします。当院では2016年よりロボット支援手術を行っております。 フォローアップに関しては2009年より近隣の四つの泌尿器科クリニックと前立腺がんに対する地域連携クリニカルパスを運用して患者さんの利便性向上に役立っています。 クリニックから“前立腺患者手帳”を発行し情報共有しながら患者さんークリニックー当院の連携を密に行ないながら療法別(前立腺全摘術後、放射線治療後、内分泌療法)にそれぞれ当院紹介基準を作成し運用しています。
    前立腺がんの治療には様々な選択がありそれぞれに良い点、不都合な点があります。患者さんと相談しながらより良い治療を決めていく事が大切であると考えています。
  • 腎がん
    手術治療では早期から腹腔鏡下腎摘除術を導入し、患者さんの身体に与える負担を出来る限り少なくする治療を行っております。 また極小さい腫瘍であれば腎臓の正常部分を残し腫瘍のみを摘出する、腎部分切除を選択します。 転移のある方の場合はインターフェロンによる免疫療法や分子標的薬による治療を患者さんの病状や転移の部位により検討し、効果と副作用のバランスを考えながらより良い治療を選択します。
  • 膀胱がん
    内視鏡手術(TURBT)、膀胱全摘術、尿路変向術など手術により完治を目指すなかで、可能な限り膀胱温存を目指して治療を考えます。 再発を予防するために術後抗がん剤膀胱注入やBCG膀胱注入療法を行うほか粘膜下層への浸潤症例はsecondTURも積極的に行なって膀胱を温存しています。 その浸潤度判断を正確に行なうために深達度の判定は腫瘍本体と腫瘍との根部を一塊として切除する方法(TURBO)を採用しています。
    膀胱全摘術後の尿路変向術は広川式尿管皮膚瘻、回腸導管、回腸新膀胱(Studer法)、S状結腸新膀胱(Reddy法)などの多彩なバリエーションで対応しています。 進行した病状の方には全身抗癌剤治療を行い、病気の進行を抑えより良い生活が送れるよう支援いたします。
  • 精巣がん
    精巣がんは主に30歳前後の若い患者さんの病気です。 手術治療に抗がん剤治療を組み合わせてこの精巣がんの多くは治癒しますが、一部難治性腫瘍に対しては、治療をする前に、精液を保存して将来起こりうる化学療法や手術治療に伴う不妊にも対応できるよう準備しています。