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川崎市立井田病院 令和3年度 市民公開講座動画「高血圧症と高脂血症」(目が不自由な方へのテキスト情報)

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2021年8月3日

コンテンツ番号130895

川崎市立井田病院 令和3年度 市民公開講座動画「高血圧症と高脂血症」(目が不自由な方へのテキスト情報)

こんにちは。

川崎市立井田病院循環器内科の原田と申します。

本日は高血圧症と高脂血症というタイトルで外来でよくある質問を交えてお話しさせていただきたいと思います。

 

まず高血圧症の定義です。

収縮期血圧140以上、上の血圧ですね。

または拡張期血圧、下の血圧90以上を高血圧症と定義します。

では至適血圧はどうかといいますと収縮期血圧120未満かつ拡張期血圧80未満が至適といわれております。

 

高血圧症の有病率といいますと2016年の調査の結果では40歳から74歳の男性の60%、女性は41%、75歳以上の男性74%、女性の77%が高血圧症を有していたという結果になりました。

高血圧の治療を受けている人はどれぐらいかと申しますと60歳代の男女では50%以上、70歳代の男女は60%以上という結果でございました。

 

高血圧症に起因する死亡者数は年間約10万人で喫煙に次いで多いといわれております。

全死亡者の約20%が高血圧症関連。

心血管病死亡の約50%、脳卒中の50%以上が高血圧症に関連しているといわれております。

高血圧症がありますと余命が平均で男性では2.2年、女性では2.9年短くなってしまうといわれております。

 

家庭血圧の測り方です。

上腕カフ血圧計を使用していただきます。

原則2回測定し、その平均値をとっていただきます。

3回測定した場合は、その平均値をとることも可です。

朝でしたら起床後1時間以内・排尿後・座位安静でとっていただきます。

晩は就寝前・座位で安静で測っていただきます。

1日2回測っていただきまして135/85以上が高血圧というふうに考えられます。

毎日の平均値で降血圧薬の効果判定を行いますので大事な記録です。

診断には診察室血圧よりも優先されます。

 

降圧目標です。

高血圧治療ガイドラインの2019年からの抜粋ですけれども75歳以上の高齢者ないしは脳血管障害の重症の方につきましては診察室血圧が140/90未満、家庭血圧135/85未満というのが目標です。

75歳未満の成人ですとか上記以外の脳血管障害患者様ですとか糖尿病の患者様ないしは腎機能の悪い方、冠動脈の病気を持つお方については厳しめの目標値で診察室血圧が130/80未満、家庭血圧は125/75未満という目標になっております。

 

白衣高血圧というのを聞いたことがあると思いますけどもきちんと定義があります。

診察室血圧は収縮期血圧140かつまたは拡張期血圧90以上で、家庭血圧が収縮期血圧135未満かつ拡張期血圧85未満であると白衣高血圧という定義になります。

24時間自由行動下血圧測定が望ましいといわれており白衣高血圧であれば何もしなくてもいいというわけではありませんで将来高血圧症ですとか糖尿病に移行するリスクが高いので病院受診は必要です。

 

では降圧目標はどこまで下げていいかということもよく質問されます。

脳卒中・心筋梗塞・腎機能低下の患者様におきましては過度の降圧により死亡率が増加する傾向があるといわれております。

しかし下限は特に定められておりません。

115/75未満の血圧で心血管病がさらに減少するかどうかは不明であり、過度の降圧は不必要であるとは考えております。

 

血圧は変動します。

脈拍、呼吸、自律神経の影響でかなり影響されます。

自由行動下血圧測定では10から30分ごとに血圧は変動します。

夜間血圧は昼間の覚醒時より10から20%低下するというのも普通です。

夜間血圧低下が少ない場合ないしは夜間血圧上昇する場合はこれは大変危ないといわれておりまして臓器障害ですとか心血管死の危険があるというふうにもいわれております。

 

高血圧症の原因は大きく3つに分かれます。

ほとんどの方が本態性高血圧症、90%以上ですね。生活習慣に左右されます。

その他に臓器障害によるものですとか二次性高血圧といいましてホルモン異常によるものも10%ぐらいあるといわれております。

 

今ホルモン異常と申しましたけれど、どこにあるホルモンかと申しますと人間の体に二つある背中側にあるこの腎臓二つの上にある副腎といわれる臓器。

ここに血圧をコントロールするホルモンを産生する臓器なんですけども、ここに異常がある場合に血圧は変動がかなり激しくなってしまってかなり治療の難しい高血圧症を起こすことがあります。

 

薬物治療につきましては直ちに投与が必要な場合というのは180/110以上の場合、または65歳以上・喫煙・脂質異常症などの心筋梗塞のリスク因子のある方では160/100以上で直ちに投与が必要とされております。

糖尿病や慢性腎臓病・心血管症・メタボリックシンドロームの方は140/90以上で薬物治療を開始したほうがいいというふうにいわれております。

 

薬物治療の他に生活習慣の修正も大事です。

食塩摂取量は1日6g未満としてください。

日本人の平均摂取量は10g以上といわれておりますのでお友達と比較して3分の2ぐらいにしなければいけないんだなというふうにお考えください。

野菜・果物はたくさん摂取し脂肪は控えてください。

体重が多めの方BMI25を超えている方についてはそれ以下にするように具体的には4kgのダイエットを試みてください。

運動につきましては10分以上の有酸素運動、速足歩きなどですね。

こちらを合計30分、週3日以上で毎日を目標としてください。

お酒は控えていただきたいんですけども具体的には日本酒1合まで、ビール中瓶でしたら1本まで、焼酎でしたら半合まで、ワインは2杯弱、ウイスキー・ブランデーダブルは1杯までというふうにお考えください。

煙草は控えていただきたいですね。

他にはやっぱり寒冷を避ける。

トイレ、浴室はけっこう日本家屋は寒いのでこちらの寒冷を避けるように心がけてください。

 

薬の選択です。

大きく4種類に分かれます。

一番よく使われるのがCa拮抗薬と呼ばれるグループですね。

その次に使われるのがACE阻害薬、少し弱いグループ。

ないしはARBと呼ばれるグループ、これも弱いグループですね。

一番強いのは実は利尿剤と呼ばれるグループなんですけども、これらを組み合わせて使います。

2種類のお薬を組み合わせた配合剤というのも発売されておりましてこれはなかなか便利でお薬2つ飲まなくて1剤で済むということです。

 

外来でよくある会話をご紹介します。

前から血圧が高いって言われていたけれども、何ともないから薬は要りません。

私の回答です。

通常の高血圧症では、収縮期血圧180以下では自覚症状がありません。しかし65歳以上の方や合併症のある方は、収縮期血圧が180以下でも心血管病を発症する確率が高く、治療が必要です。

症状を伴う高血圧症は臓器障害を合併している可能性が高く、危険です。

 

こんな会話もあります。

他の病院で、血圧は高めだけれど、この程度なら薬は要らないと言われたから、今日も要りません。

私の回答です。

血圧は変動します。少なくとも1週間、24時間内の変動を含めて測定しないと、本当に血圧が高いのかどうかは分かりません。また、知らない間に糖尿病・脂質異常症・腎臓病などの合併症を発症していることもあり、以前とは状況が違っていることがあります。

見て見ないふりをしていると、後悔することになります。

 

こんな会話もあります。

血圧の薬をもらって飲んだら、こんなに下がって怖くなったから飲むのをやめました。

薬の効果が切れたら血圧は上がってしまいます。そのまま下がりっぱなしということはまずあり得ません。やがて薬の効果が切れて血圧が上がると、血管が破綻し危険な出血をきたすおそれもあります。

自己判断で中止せず、血圧が低いままで安定している証拠を血圧手帳に記録して、外来にご持参ください。

 

今まで高血圧の話をしてきました。

正常の血管というのはこういった形で中もきれいなんですけれども、血圧が高いと高血圧症があると血管の壁が厚くなります。

これからお話しする高脂血症では血管の中に汚れが溜まりますので血管が詰まってまいります。

アテローム硬化と呼ばれます。

 

高脂血症です。

中性脂肪(トリグリセライド)が高い場合。

悪玉コレステロールであるLDLコレステロールが高い場合。

善玉コレステロールであるHDLコレステロールが低い場合。

2007年から正式には脂質異常症と改名されました。

 

LDLコレステロールは血管壁に取り込まれて蓄積し動脈硬化の原因となるため、悪玉コレステロールと呼ばれます。

HDLコレステロールは血管や組織に蓄積したコレステロールを引き抜くため善玉コレステロールと呼ばれます。

中性脂肪が多いとHDLコレステロールが減ってLDLコレステロールが増えますので間接的に動脈硬化の原因となります。

 

血液中の脂肪分というのはコレステロールの他に中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸などいろいろあります。

困るのは血液中に増加しても自覚症状は全く起こらないということです。

血液検査を受けないと分かりません。

しかし脂質は大切な栄養素でもありましてコレステロールは細胞の重要成分であり、ホルモンの材料でもありますのでなくてはならないものでもあります。

 

数値でいいますと高LDLコレステロール血症というのは140以上というふうに基準値が定められています。

低HDLコレステロール血症は40未満。

高トリグリセライド血症は150以上というふうに定義されています。

 

管理目標値といいますと一次予防といわれるのは、これは心筋梗塞をまだおこしていない人たちについてはリスクは低いというふうに判断されますと甘めの基準悪玉コレステロール160未満に設定されます。

しかし心筋梗塞をおこしている方については悪玉コレステロールは100以下というかなり厳しい目標値を設定されています。

 

総コレステロール値が高いほど心筋梗塞などの冠動脈疾患による死亡率が高くなることが示されています。

 

善玉コレステロールであるHDLコレステロールが40未満になると冠動脈疾患のリスクが急に上昇することが示されています。

 

中性脂肪トリグリセライド値が150以上になると冠動脈疾患の発症率が高くなることが示されています。

 

悪玉コレステロールであるLDLコレステロールが高いと心筋梗塞の発症リスクは4倍ぐらいになるというふうに示されています。

 

生活習慣の改善です。

脂質異常症での生活習慣の改善も高血圧症とよく似ているんですがやはり禁煙。

標準体重の維持。

その他に肉の脂身、乳製品、卵黄の摂取を控えて、魚類、大豆製品の摂取を増やしてください。

塩分を控えることは高血圧症と同じで1日6g未満。

アルコールの過剰摂取を控える。

これも高血圧症と同じです。

有酸素運動は毎日30分以上心がけてください。

 

食事療法具体的に申しますと中性脂肪が高い人たちにつきましては糖質・穀類を減らすこと、飲酒を控えること、魚類を多く摂取するように心がけてください。

悪玉コレステロールが高い人たちにおきましては肉の脂身・内臓・皮、乳製品、卵黄、ハム・ソーセージなど加工食品を控えるようにしてください。

未精製穀類、大豆製品、海藻、野菜はたくさん食べるようにしてください。

善玉コレステロールであるHDLコレステロールが低い方につきましては植物油の過剰摂取を控えてください。

マーガリンや揚げ油などを控えてください。

 

運動療法につきましてはややきつめの有酸素運動、ゆっくり呼吸できるような運動ですね。これを毎日30分以上続けてください。

1日30分以上の運動を週3日以上が目標です。

速足の歩行ですとか、スロージョギング、社交ダンス、水泳、サイクリングなどが好ましいです。

 

生活習慣の改善で脂質管理が不十分な場合は薬物療法が必要となります。

糖尿病、慢性腎臓病、脳梗塞、末梢動脈疾患では早期の薬物療法が考慮されます。

リスクが無くてもLDLコレステロールが180以上なら薬物療法は開始が望ましいです。

中性脂肪が500以上ですと急性膵炎の発症リスクが高く、食事指導と共に薬物療法が必要となります。

 

外来でよくある会話です。

コレステロールの薬を飲むと、筋肉が壊れる副作用があるって薬剤師さんから説明を受けました。足が痛くなったので、怖くて薬を飲むのをやめました。

私の回答です。

横紋筋融解症と言いますけれども、頻度は0.01%と稀です。筋肉痛そのものは15%の患者さんに見られるといわれておりますけれども、実際に筋障害が認められることは非常に稀です。コレステロールの薬による筋障害は左右対称に大腿部などの大きな筋肉に出現するのが特徴です。

自己判断で中止せず、主治医にご相談ください。

 

こんな会話もあります。

コレステロールや血圧の薬を飲み始めたら、一生飲まなければならないって聞きました。だから嫌です。

私の回答です。

悪い生活習慣が原因の場合は、それを是正すれば薬は不要となるはずです。食生活の見直しと、運動不足の解消に努めていただき、薬に頼らなくても良い生活習慣に直して頂くことが理想です。

生活習慣が改善していない状態では、薬をやめた途端に悪化しますので、飲み続けなければならないことになります。

生活習慣の改善には半年から1年はかかります。重症なら、手遅れにならないように薬を飲んでください。

 

ご清聴ありがとうございました。

 

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