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川崎市立井田病院 令和3年度 市民公開講座動画「あきらめないがん治療」(目が不自由な方へのテキスト情報)

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2021年8月20日

コンテンツ番号131164

川崎市立井田病院 令和3年度 市民公開講座動画「あきらめないがん治療」(目が不自由な方へのテキスト情報)

こんにちは。川崎市立井田病院放射線科の福原と申します。

本日は「あきらめないがん治療」という題名で放射線治療の話をさせていただきます。利益相反はございません。

 

放射線治療についてどのようなイメージをお持ちでしょうか。

放射線治療はよくわからない、よく知らないというのが多くの方の本音だと思います。

 

ご安心ください。これまで多くの優秀な医師に出会いましたが、放射線治療の知識はほとんどありませんでした。医師が知らないのですから適切な放射線治療を受けることができた患者さんは少ないと思います。このような状況ですから、放射線治療の実力を知っている方は少ないと考えます。

 

このような相談を受けることがあります。担当医から「手術はできない」、「化学療法も放射線治療もできません」と言われました。

あきらめないでください。放射線治療で良くなることがあります。そう言われても?実例を示して説明します。

 

まず、皮膚がんの患者さんです。これは3名の皮膚がんの患者さんですが、いずれも92歳、93歳、88歳とご高齢の方です。

92歳の女性です。認知症でご自宅では介護不能ということで施設に入所されています。左の前腕に病気があり、だんだんと大きくなったということでした。腫瘤から血液が混じった滲出液が出てきているという状況です。「施設では処置が難しいので他に移ってほしいと言われた。」とのことでした。

 

手術はご高齢であり、認知症もあるので難しいという判断です。以前勤務した病院ですけれども、認知症の患者さんは入院不能で、外来通院でしか放射線治療ができませんでした。この皮膚がんの患者さんですけれども、がんが治りませんと施設を退所ですが、自宅での介護は難しいということがあります。がんは本人の身体のみでなく、ご家族の生活にも影響します。

 

 何回も通院するのが大変なので、3回で治療しました。治療の3週間後の写真です。病気はほぼ消失しております。さらに6週間後の写真ですが、病気の部分にやや日焼けはありますが、皮膚は乾いております。8か月後には正常な皮膚となっておりどこに病気があったかわかりません。たった3回の治療ですけれども、病気は完全に消えており、手術したよりもきれいな状況になっております。

 

 88歳の女性です。左頬にひろがる大きな皮膚がんです。この処置を皮膚科にお願いしたのですけれども、その先生は「皮膚移植が必要ですけれども、手術の適応だ」「まさか放射線治療で治るとは思ってませんよね」という反応でした。ですが放射線治療を行いました。放射線治療後2か月の写真です。自宅から通院での放射線治療で病気は消失しております。皮膚移植が必要な手術より体への負担が少なく美容的にも優れているのではないでしょうか。皮膚がんの専門医でもこのことを知らない方がいらっしゃるということです。

 

 この方も93歳、皮膚がんの方ですが、左上まぶたからこめかみに大きな腫瘍があります。すでに左眼が開きにくいという状況です。某大学病院の放射線科では、「放射線治療を受けると失明する」、皮膚科では「手術をすると左眼は開かなくなる」と言われました。4か月間放置して、当院にいらっしゃった時には病気が大きくなっており、症状も悪くなっていました。

 

 治療後の写真です。腫瘤は消失、視力障害はありませんし、左側のまぶたは以前と同じように動きます。

 

 皮膚がんの放射線治療は30年以上前からほぼ同様に治せています。この事実を知らない医療従事者が多いことは残念です。

 

 放射線治療単独の患者さん。合併症などで他の治療はできないということで放射線治療が行われた患者さんです。

 

 口腔底癌の患者さんです。右の下顎に大きな腫瘤がありますが、お口の中にも病気があります。脳梗塞後で通院困難ということで、入院での放射線治療を行いました。治療終了時の写真です。病気はほぼ消失しております。治療部分としては経度の発赤のみです。6か月後の写真です。ほぼ皮膚の色素沈着のみで他には異常は認められません。放射線治療中及び放射線治療後に口内炎はほとんどありませんでした。

 

 子宮体がんの患者さんですが、左鎖骨上窩リンパ節の転移の方です。肝機能障害で化学療法が困難、がんの夫の介護で入院ができないという方でした。外来通院での放射線治療を行いました。通院治療後ですが、病巣は完全に消失しております。

 

 この方は70歳の女性で、肺癌の方です。人工透析をされています。診断を受けた病院の担当医からは「肺癌であるが、透析中で化学療法ができない。手術も放射線治療も適応がない。」と言われた。ということで3か月間、何もせずにいましたところ、右の胸に痛みが出現し、検査したところ肋骨が壊れていました。当院に転院し、放射線治療を行いました。10回、13日間の治療で病気は消失しております。

 

 この方は74歳男性、肺癌の方です。すでに気管内挿管されており、酸素7リットルという状況です。寝たきりの状態でした。余命2か月ということで主治医の方針は何もしないということでしたが、家族の強い希望で放射線科にいらっしゃいました。治療前の写真では大きな腫瘤を認めますが、治療2年後には肺がんは完全に消失しております。2か月の余命宣告を受けた方が3か月後には自宅に退院しておりました。4年以上生きておりました。担当医の判断が常に正しいとは言えません。

 

 この方はトリプルネガティブというタイプの乳がん、それにS状結腸癌の手術をされた方です。手術の後、2か月で左側の腋窩のリンパ節と内胸リンパ節というところにリンパ節転移が生じました。それぞれに対して放射線治療を行いました。放射線治療の場所は消えましたけれども、5か月後に肝臓に2か所転移ができました。化学療法をご本人が拒否されており、多くの施設ではこのような状況ですと緩和ケアのみになりますが、あきらめず治療を続けました。肝臓の転移は消失しましたが、1年後にまた他のリンパ節に転移、左側の肋骨にも転移が出現しました。13か月後にまた肝臓に転移。このような状況ですと、もうここで治療をあきらめる方もいらっしゃいますが、治療を続けました。結局、2年3か月間で8箇所に転移が生じましたけれども通院での放射線治療ですべて消失。ところが、この後も転移を繰り返し、それぞれに対して放射線治療を追加しました。5年4か月で13か所に転移が生じましたけれども、通院での放射線治療ですべて消失しております。治療開始から7年経過、治療終了後2か月ですが再発はありません。この間に海外旅行も楽しまれていますし、お子さんの結婚式にも出席されています。放射線治療による副作用はなく、日常生活は以前と同じです。途中で治療をあきらめていれば、現在の生活はできていないと考えられます。このような患者さんもいらっしゃいます。

 

 放射線治療は役立ちます。放射線治療では適応の見極めと適切な治療ができるかどうかが重要です。放射線治療で良くなることを知らないために患者さんに放射線治療を受けることを勧めることができない医師が多いことは事実です。

 

 他のがんでも良くなっています。放射線治療は適切な治療では、副作用なく高い効果があります。効果は治療する医師により異なります。残念ながら放射線治療に詳しい医師は少ないので、セカンドオピニオンの際にも注意が必要です。

 

 ありがとうございました。

 

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