現在位置:

  • トップページ
  • 共通分類
  • 川崎市立井田病院 令和3年度 市民公開講座動画「シミ?それとも皮膚がん?」(目が不自由な方へのテキスト情報)

川崎市立井田病院 令和3年度 市民公開講座動画「シミ?それとも皮膚がん?」(目が不自由な方へのテキスト情報)

ツイッターへのリンクは別ウィンドウで開きます

twitterでツイートする

2021年10月22日

コンテンツ番号133334

川崎市立井田病院 令和3年度 市民公開講座動画「シミ?それとも皮膚がん?」(目が不自由な方へのテキスト情報)

こんにちは。川崎市立井田病院皮膚科の鈴木千尋と申します。

今日は「シミ?それとも皮膚がん?~皮膚科でしみを治しましょう~」というタイトルでお話しさせていただきます。

本日の内容ですが、3本立てでお話します。

1つめがシミの診断、治療について。2つめが当院のレーザー治療の実際について少し詳しくご説明します。3つめはシミと間違いやすい皮膚がんについてお話します。

 

みなさん顔にできたシミ気になりますよね。実際コロナ禍になってマスクをつけるようになってシミが増えた、メイクが薄くなってシミが目立つようになった、という患者さんがたくさん外来にいらっしゃいます。

みなさんところでお顔にできたシミ、色素斑、茶色い皮疹ですね、これを全部シミだと思っていませんか?これらの患者さんはみんな違う病気でもちろん治療法もそれぞれ違ってきます。

 

みなさまが悩んでいる『シミ』も実は『シミ』でない場合があるのでちゃんと皮膚科で診断してもらって治療を受けられることをおすすめします。シミの定義ですが、シミとは皮膚の色素の局所的な増量による色素斑です。一言にシミといってもこれだけの種類があります。皆さまが一般的にいうシミというのは、一番左の老人性色素斑がそれにあたります。今回は日常診療で最も診ることの多い3つの疾患、(1)老人性色素斑(2)脂漏性角化症(3)肝斑についてお話をしていきます。

 

まず1つめ、老人性色素斑ですが、これが先ほども言ったように一般的にいうシミです。主に30歳から40歳以降に中更年期に出現することが多くて、日光露光部、紫外線がよく当たる場所に見られます。円形から楕円形の褐色斑で大きさはさまざまなのですが、長期にわたる紫外線の暴露や加齢による表皮の障害によってメラニンが蓄積されたものと定義されています。

 

この写真に示したのが老人性色素斑、一般的にいう『しみ』の例です。比較的境界明瞭で色調が濃さは濃淡あるのですけれども、1つ1つの色素斑の中で均一なのが特徴です。シミのでき方についてお話していきます。シミの最大の敵は何といっても紫外線です。紫外線を慢性的に浴びた皮膚は紫外線から皮膚を守るためにメラノサイトが活性化されてメラニン色素がつくられます。正常な皮膚ではターンオーバーが起こってメラノサイトが正常に排出されるのですが、強い紫外線や加齢・ストレス・ホルモンバランスの影響が加わると活性酸素が発生して、活性酸素に反応したメラノサイトがメラニンを過剰産生してしまいます。さらにダメージを受けた皮膚では、皮膚のターンオーバーが遅くなり、過剰につくられたメラニンが表皮に滞留して色素斑が形成されてしまいます。日光は他にもしわやたるみの原因となることがよく知られていて、若々しいきれいな肌を保つためには紫外線予防が何よりも大切だと言えます。

 

続いて脂漏性角化症についてお話します。これも非常に多くの患者さんに認めて外来でもたくさんの患者さんが「これはなんですか?」と言って受診されます。私たちはこれを『老人性のイボです』と説明することが多いです。加齢に伴って出現するシミというよりは良性腫瘍の1つです。盛り上がっているものからほぼ平坦なものまで、色も黒色からうすい褐色のものとさまざまです。シミとの見分け方の一番のポイントはやはり盛り上がりという点だと思います。脂漏性角化症の特徴ですが、先ほども述べたとおりちょっと盛り上がりがあるということです。ただやはり原因が日光なのでシミと一緒に併発して生じてくることが多いです。真ん中に示した写真はダーモスコピーと言って皮膚科が良く使う拡大鏡なのですが、それで見たときの脂漏性角化症の所見です。詳しい説明は省きますがいくつか脂漏性角化症として典型的な所見というのがあるのでそちらを参考にして脂漏性角化症をダーモスコピーで正確に診断して治療につなげています。

 

続いて肝斑です。肝斑は30歳代くらいから出現して両側対称性に出現する境界明瞭な褐色斑です。典型例は眼窩下部(眼のすぐ下ところ)から頬骨のあたり(頬骨のあたりが一番多い)に出現します。特徴として、下まぶた、下眼瞼は避けるというのが全体的な特徴になります。肝斑の原因は表皮の微弱な慢性炎症と考えられて、紫外線や女性ホルモン(妊娠や低用量ピルの服用で増強するというのは有名です)、摩擦などの物理的刺激などで増悪すると言われています。

こちらが肝斑の典型的な像です。やはり帯状に頬骨に出ているのが特徴的で眼の下はきれいに避けているというのが肝斑の最大の特徴になります。

 

つづいてシミの治療(主に井田病院にて行っている診療内容)について詳しく見ていきます。内服治療ですが一般的に進めているのがビタミンCの飲み薬やトラネキサム酸と言われるものです。トラネキサム酸は血栓症がある患者さんには飲み合わせに注意が必要なので主治医と相談して処方してもらうようにしてください。続いて以降は保険外治療になります。自費での診療になります。塗り薬としてよく始めにお出しするのがハイドロキノンやビタミンCです。一番メインストリームとなるのがレーザーを用いた機械治療です。我々の病院ではQスイッチルビーレーザーと炭酸ガスレーザーを持っているのでそちらでの治療が可能です。

 

レーザー治療についてです。シミは多くはレーザーで治療ができます。先ほど述べた3疾患ですが、いわゆる一般的なシミである老人性色素斑にはQスイッチルビーレーザーが非常によく効きます。脂漏性角化症はイボなのでQスイッチルビーレーザーでも治療ができるのですが、どちらかというと炭酸ガスレーザーが効果的になります。肝斑は皆さんシミでレーザーを希望していらっしゃることもあるのですが、こちらはレーザーが禁忌の治療となっています。

まずQスイッチルビーレーザーの仕組みについてお話します。Qスイッチルビーレーザーはメラニン色素によく吸収される光を特異的に出すレーザーで周りの組織を傷つけずにメラニン色素だけを破壊するという特徴を持っています。破壊された色素は皮膚の浅い部分にある場合は数週間のうちに体表に排出され深い部分の色素は数ヶ月のうちに組織に吸収されていきます。なので数週から数ヶ月のうちに色素がきれいに消えてシミがとれたという状態になるというのがQスイッチルビーレーザーの効く仕組みです。

続いて炭酸ガスレーザーです。炭酸ガスレーザーはQスイッチルビーレーザーのようにメラニンに反応するというよりは削っていく治療になります。表面から薄く削っていくような治療です。なので脂漏性角化症の治療でよく用いるのですが、手術せずに盛り上がった皮膚腫瘍を削って治すことができるという治療になります。

 

レーザー治療は残念ながら消しゴムのようにシミを消すものではなくて完全に消し去る治療ではなく、薄くして目立たなくする治療と考えていただきたいです。治療効果が完全に現れるのは1~3ヶ月、長い場合では6ヶ月ほどかかりますので気長にアフターケアをしながらレーザー治療の効果を待っていただくのが必要になる治療です。

レーザー治療の副作用や後遺症として、色素沈着、むしろレーザーをあてたことにより色素が少し濃くなってしまうというものだったり、色素脱失(色が白くぬけてしまう)、やけど、瘢痕(傷跡が残る)というものがありますが、適切な処置をおこなえば基本的にはこれらの副作用の頻度は非常に少ないと考えていただいて大丈夫だと思います。

 

当院でのレーザー治療の実際についてもう少し実際的なところをお話しします。井田病院の皮膚科ではシミのレーザーを希望された場合、まずは平日皮膚科の一般外来を受診してください。平日であれば毎日朝11時まで受付をしているのでいつでも紹介状なしでも受診していただけます。診察時にシミの診断と説明を医師から行わせていただいて同意書など書いていただいたうえでレーザー外来を予約させていただきます。後日、予約日に来院いただいてレーザー治療を実際します。レーザー治療の外来は完全予約制になるので必ず一度一般外来を受診いただきたいと思います。

Qスイッチルビーレーザーの治療例を見ていきます。まずこめかみあたりにあるシミなんですけれども、レーザーを照射した後はこのように白くなります。イミディエットホワイトニングフェノメノンといいますが、これが出るとうまくいく証ですね。これがだんだん5日後くらいに5日から2週間くらいかかってかさぶたになってきます。10日後には、だいたい10日から14日後くらいで、かさぶたがとれてきて、そこからご自身でアフターケアなど、後ほど説明しますが、やっていただければきれいにかさぶたがとれて色素がとれているといったような治療経過をたどります。レーザー後の注意点としては、かさぶたがとれるまで14日間くらい茶色のテープ(絆創膏)を貼ったままになるので、やる時期についてはご自身の予定などを考えていただいてよく相談していただく必要があると思います。治療後の2日間は患部は濡らさないようにしていだだきたいです。2日目以降はシャワーで洗っていだだいてバイ菌がつかないよう清潔を保っていただくのですが、くれぐれもこすらないように刺激をあたえないようにケアをしていくことが必要になります。かさぶたができてくると剥がれかけてきて自分でとりたくなるのですが、その時に無理やり剥がすと必ず色素戻りの原因になるので大事なポイントになります。

レーザー後2週間以降、かさぶたがとれて以降はカーゼの必要はありません。その代わりここからが日焼け止めを頑張る時です。日焼け止めを毎日しっかり塗っていただいて、それ以外にはビタミンCローションやハイドロキノン(先ほど申し上げました外用薬)を1日2回しっかり塗っていただきます。

治療後のアフターケアがとても大事なのがレーザー治療の特徴です。シミの治療はレーザーの力半分、その後の自分でのケアが半分と言われています。

レーザー後は今言ったようにかさぶたができて一時的に色が黒く濃くなったように見えるんですが、かさぶたがとれたらすごくきれいになるんですね。その後、必ず炎症後の色素沈着、色素戻りをしてくる機会がでてきます。その間にいかにきれいにケアをするか、具体的にはハイドロキノンを塗ったり、ビタミンCを塗ったり、日焼け止めをしっかりしていただくというのが非常に重要になります。繰り返しになりますけれども、注意してほしいことはたった2つです。(1)こすらないことと(2)日焼けしないことです。日焼けしないために具体的に私たちの病院ではSPF50以上++++以上の日焼け止めを塗ってくださいとおすすめしています。実は皆さん知らないのですが、日焼け止めの効果は数時間で消えてしまいます。4時間ごとの塗り直しが理想的です。朝出勤前に塗って、昼休みにもう一回塗って、退勤時には日差しがあれば塗ったほうがよいですが、秋冬でなければ塗らなくてよいかなと思いますので塗り直しをしながら日焼けを防止していただきたいです。

井田病院のレーザー外来ではすべて自費診療となっておりまして、だいたい目安として1平方センチメートルあたり10,520円と考えてください。大きさに応じてお金が少しずつ変わります。あとはビタミンCローションやハイドロキノンやチュウシャバンは自費で買っていただくようになりますので価格を参考にしてください。

 

3つめ、シミと間違いやすい皮膚がん、これが皮膚科医として一番伝えたいメッセージになります。そのシミ、「シミ」と思っていたら実は違うかもしれません。なぜならシミと間違いやすい皮膚がんというのは非常に多いです。

みなさんこの写真を見ていただいて、ただのシミだと思いますよね。実はこれ日光角化症という皮膚のとても浅いところに収まった、がんではないのですけれども前癌病変というがんの元になるようなものです。とてもシミと間違えやすいです。後はこちらの鼻のてっぺんのところ。ボーエン病という病気なのですが、一見シミのように見えるのですが実は先ほどの日光角化症と同じ一連の流れ上にあるような病気でもう少し進んでいるのですが皮膚がんまでには至っていない前癌病変、もう少し進んだバージョンです。そういうものもこのようにシミに近く見えます。あとは基底細胞癌です。さすがにシミには見えないと思いますが、脂漏性角化症とは間違えやすいですが、皮膚がんの一種です。ただみなさん安心していただきたいのですけれども日光角化症やボーエン病、基底細胞癌はちゃんと手術をしたり塗り薬を塗ったりすれば治るものなのであまり怖がらずに早めにシミの治療をしたいけど皮膚がんだったらどうしようと怖がらずに来ていただきたいです。早めの治療で必ず治ります。最後に悪性黒色腫、ホクロのがんなんですけれども、これもすごくシミと間違えやすいのですね。シミと思って放置していたら実は悪性黒色腫、メラノーマだったということがあって、今まで紹介した皮膚がんに比べてかなり悪性度が高くて性格の悪い癌ですのでかなり注意が必要です。ただ、きちんとした皮膚科に受診していただいて診ていただければ早く、早期発見して早期診断、早期治療につなげていければ最近では治ることが期待できるがんになってきているので是非みなさん怖がらずに早めに受診してください。

『シミ』の中には悪性のものも混じっています。シミの治療を始める前に皮膚科医に診断してもらうことをおすすめします。井田病院皮膚科の最大のポイントとしては、シミの治療をレーザーでできるだけではなくて、シミの良悪性の病理診断ができて、良性ではレーザー治療、悪性では手術加療でちゃんと治すということも一貫してできるので是非井田病院の皮膚科を受診してみてください。それ以外の皮膚疾患でお困りの際はお気軽に井田病院の皮膚科にご相談ください。

 

ご清聴ありがとうございました。

このページに対してご意見をお聞かせください

このページは役に立ちましたか?
このページは見つけやすかったですか?

いただいたご意見は、今後の当ホームページ運営の参考といたします。

お問い合わせ先

市立井田病院 地域医療部
〒211-0035 川崎市中原区井田2-27-1
電話:044-766-2188(代表)
ファクス:044-788-0231
メールアドレス:83idachi@city.kawasaki.jp