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川崎市立井田病院 令和3年度 市民公開講座動画「大腸がん検診の勧め」(目が不自由な方へのテキスト情報)

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2021年10月28日

コンテンツ番号133660

川崎市立井田病院 令和3年度 市民公開講座動画「大腸がん検診の勧め」(目が不自由な方へのテキスト情報)

みなさんこんにちは。川崎市立井田病院消化器外科の有澤です。

今日は「大腸がん検診の勧め」という題でお話ししたいと思います。

 

 そもそも日本ではがんが増えているのですけれども、大雑把にいって2人に1人が生涯でがんになることが知られています。生涯でがんに罹患する確率が男性で55%、女性で41%、2人に1人ががんになるということです。そして3人に1人はがんで亡くなるという現状があります。1981年にがんが死亡の原因の第1位になりました。年間で日本のがんの死亡者は約40万人とされています。COVIDがこれだけ流行って2021年9月の時点で2年間で170万人の方がCOVIDに罹られて1万7千人の方が亡くなられているわけなのですけれども、それと比べるとやはりがんのインパクトの大きさがわかると思います。がんの中でも大腸に関して言えば男性では3位、女性では2位、男女合わせると大腸が実はがんの罹患部位としては第1位となります。そして死亡者の面から見ても男性では第3位、女性では第1位、男女合わせると肺がんに次いで大腸がんは第2位ということになります。非常に多くの方が大腸がんにも罹りますし、大腸がんが死亡の原因となっているということです。そのデータがこちらです。これは2018年のがん登録のデータなのですけれども、肺がんが7万5千人程度、大腸がんが5万人程度と非常に多くの方が1年間で亡くなられていることがわかります。

 昔は大腸がんになると治療をして、診断されてから5年経って生存されている、一応そこを目標とするわけですけれども1960年代にはそれがたかだか30%から40%の方しか達成できませんでしたが、最近では70%以上の方が全体でも5年生存率はアップしていまして、大きく改善していることがわかります。ただしこれは大腸がんの臨床病期で大きく異なります。すなわち大雑把に分けて大腸がんの臨床病期は0期から4期まで分かれているのですけれども4期というのは大腸以外の臓器にがんの転移がある状態で一番進んだ状態です。そうなると5年生存率は22%とかなり下がってしまいます。ですが特に臨床病期0から1期のような早期ですと、ほとんどの方が治療で5年生存を達成することができることがわかっています。すなわち早期発見が最も大事だということがどんながんでもそうですけれども、大腸がんの場合は特にはっきり病期と5年生存率と相関がありますので大事だなということがこれでもわかると思います。早期発見が大事だということですから、大腸がんの検診がどうなっているのかということなのですけれども、最近のデータでこれは2017年のデータですが全国でがん協会が行っている便潜血反応の検査を受けられた方が253万人程度いらっしゃいます。そしてそのうち大腸内視鏡検査を受けましょうという精密検査を勧められた人が15万人、実際に受けた人が10万人、そしてそのうち大腸がんが発見された人が4400人います。ですからだいたい受診者1万人あたり607人の人が精密検査、内視鏡検査を受けなさいと言われて結局大腸がんが発見された人は1万人あたり17人いるということです。これはだいたいどこの国でも同じようなデータがでています。そして最も大事なのは検診で発見される大腸がんはまずほぼ早期がんで、要するに治療で治るチャンスが非常に高いということです。症状がでてから検査を受けて大腸がんと発見されるのに比べると検診の時点で発見されたがんは早期のがんであることがほとんどなので治療によって大腸がんで死ぬようなことはなくなるということ、ここが一番大事なところです。ですから早期発見、早期治療そして予防もできるようなことを考えるとまずは大腸がんの検査を受けましょうということになります。そして現在、大腸がんの検診は50歳以上であれば集団検診として公的補助を受けてまずは問診及び便潜血反応が受けられます。そしてそこで異常があれば精密検査として大腸の内視鏡検査をしましょうという流れになります。あるいは個人の大腸がんの死亡リスクを下げる目的の任意型検診、それは便潜血反応を入口にしてもよいですし、最初から大腸内視鏡検査を受けてみることも可能です。大腸内視鏡検査はがんの発見のみならず、その前癌状態とも言えるようなポリープ診断を含みますからそれの発見、治療にもつながりますし早期のがんであれば内視鏡治療によってがんを根治せしめることができることもあるのです。1度大腸内視鏡検査をお受けになるということが非常に大事だということです。実際井田病院で2019年のデータですけれども、大腸がんで手術となった症例は70症例、内視鏡的治療をおこなった症例が45症例あります。合わせると115症例ですけれどもかなりのボリュームを内視鏡治療で治療せしめているということが言えます。そして内視鏡治療で行うようなのはもちろんステージ0あるいはステージ1のような早期のがんでありますから内視鏡治療によって治療が完結できて治癒せしめることができる可能性が非常に高いことが言えます。手術となった症例の中にはステージ4が含まれますので予後という意味では早期発見が大事だということがここでも言えると思います。

 実際に大腸がん内視鏡治療の写真をお見せします。この方は83歳の男性でS状結腸にご覧のようなポリープ状の病変が見えています。これを内視鏡で取っていこうとするわけですけれども、しかるべくその病変をグリセオールなどの溶液で浮かせて内視鏡治療にふさわしいか判断したうえで正常な部位を含めて病変を内視鏡的に完全に切除していきます。内視鏡を通じて使える電気メスなどを使用して切除していきます。これが一括切除した状態です。そして術後の出血を防ぐ意味で一時的にクリップなどで内視鏡の傷を補強しています。

 別の症例では、この方は85歳の男性で直腸にできたこのような病変ですけれども、これも内視鏡治療可能であると判断して治療しています。やはり病変を溶液を注入することによって浮かせて正常な部分で切っていきます。そして一括して切除することができました。

 次のこのような症例ではさすがに内視鏡で治療していくことはできませんし、このような状況になってしまえばやはりある意味大がかりな手術になってくるということです。ですから内視鏡治療という患者さんの体に優しいような治療方法で対応できるためにも早期発見が大事だということです。

 この症例は82歳男性、横行結腸にできた病変ですけれども、一見内視鏡治療が可能なくらいの大きさに見えますが、やはり検査していくと表面構造がかなり不整な状態で病変を浮かそうとしても浮かない、こんな状態になってしまっているとやはり内視鏡治療はふさわしくないということです。ですから内視鏡治療が間に合う段階で発見できるということが多くのメリットをもたらすと思います。

 まとめですけれども50歳を超えたら一度は内視鏡検査を受けていただきたいと思います。そしてそこで問題がなければその後は元に戻って便潜血反応とかあるいは内視鏡検査を組み合せてフォローしていくということで大腸がんの予防は十分可能だと思います。

 ご清聴ありがとうございました。

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