表紙 川崎市地域包括ケアシステム推進ビジョン 一生住み続けたい「さいこう」のまち・川崎をめざして 川崎を一歩先へ、もっと先へ 平成27年3月 川崎市長 福田紀彦 私の市政運営の基本姿勢は、「市民が主役」であり、川崎を日本一 幸せあふれるまち、最も幸福という意味の「さいこう」のまちにするために、市の組織全体をあげて、市民の方々の笑顔あふれる持続可能な社会をつくっていきたいと考えております。地域包括ケアシステムは、まさにそういった地域社会を実現するための、言い換えれば、「地域づくり」そのものです。 こうしたことから、本市では、誰もが安心して暮らし続けることができるよう、保健医療福祉分野に限らず、まちづくりや教育、経済分野など、あらゆる行政施策に関わりがあるという認識で、これまで検討を進めるとともに、田中滋先生をはじめとした有識者や市内の様々な関係機関・団体の方々と議論を重ねてまいりました。 この「川崎市地域包括ケアシステム推進ビジョン」は、川崎らしい地域づくりを進めていくために、本市としての基本的な考え方を示したものでございますが、私は、「川崎らしさ」とは挑戦し続ける精神、チャレンジスピリットであると考えております。 国際的にも前例のない超高齢社会が到来する中にあっても、市民・地域・事業者・団体・行政が一致団結し、川崎のチャレンジスピリットを最大限に発揮しながら、「日本一の地域づくり」を進めてまいりたいと考えております。 私も、市長としての「覚悟」をもって取り組んでまいりますので、より一層の御理解と御協力をいただきますようお願い申し上げます。 地域包括ケアを先導する 平成27年3月 川崎市地域包括ケアシステム検討協議委員会委員長 慶應義塾大学名誉教授 田中滋 この分野の研究を行っていると、さまざまな方面から「地域包括ケアシステムは本当にできるのでしょうか」と時折尋ねられます。その際は「できるかどうかではなく、つくるかどうかだと思います」とお答えすることにしています。とはいえ実際のところは、日本中どの地域でも2025年までには地域包括ケア体制がつくられるでしょう。 ただしそれが「かろうじての合格」なのか、「きわめて優秀な水準」なのかは、ちょうど学校で、ある科目の成績がたとえ合格であったとしても、「Cレベルで何とか合格」「まあまあのBレベル」「文句なしのAレベル」のように分布するのと同様、自治体によって違いが生まれる事態はやむを得ないと考えています。 そうした理解に基づいてたくさんの地域を視察してきましたが、川崎市の取組が大都市の先陣を切り、住民参加の点でも、関係者による関係づくりの進展でも、市役所内の体制の点でも、日本のトップを走ろうとする姿勢に深く敬意を表します。 地域包括ケアシステム概念は、何らかの支援を得つつ生活を継続していこうとするすべての住民にあてはまります。多世代交流によって、障害者、高齢者世代、そして子育て世代と児童も共に生きる街づくりが目標なのです。そのための方法論としての地域包括ケアは、ニーズ把握を元に、地域にもともと存在する資源を隙間なく組み合わせるネットワーキング技法に他なりません。 川崎市がこれまでの努力を活かし、市長のリーダーシップの下、わが国のトップランナーであり続けることを信じています。 目次 第1章 推進ビジョン策定の背景と趣旨 1 地域包括ケアをめぐる背景 2 これまでの川崎市の取組 3 推進ビジョンの位置付け 4 地域包括ケアシステムの構築に向けた取組の推進 5 各主体に期待される役割 6 【補足】地域包括ケアシステムの全体像 第2章 川崎市の状況 1 地理的・社会的特徴の概観 2 データ分析からみる本市の特徴 3 川崎らしい都市型の地域包括ケアシステムの構築に向けて 第3章 川崎市地域包括ケアシステム推進ビジョン 1 意識の醸成と参加・活動の促進 2 住まいと住まい方 3 多様な主体の活躍 4 一体的なケアの提供 5 地域マネジメント 資料編1 地域包括ケアをめぐる動向 1 地域包括ケアシステムの議論に至るまでの経緯 2 地域包括ケアシステムの構築に向けた制度改革 資料編2 川崎市の状況 1 大都市比較からみた特徴. 2 人口・世帯 3 要介護認定者数・障害者数 4 介護保険給付費・医療給付費(後期高齢者医療制度) 5 介護予防 6 生活 7 居住環境 8 疾病構造 9 終末期の療養場所 資料編3 その他