夏のイベント開催用 熱中症対策 気温が30℃以上になる日が多い夏季の屋外でのイベントでは特に熱中症が発生しやすい状況にあります。 川崎市では、イベント主催者の方々向けに安全にイベントを開催するための予防策をまとめましたので、ぜひご活用ください。 1 開催の検討段階に応じて、柔軟に対応しましょう 検討段階 開催時期 暑い時期を避けた開催の検討 実施時間 朝夕の時間帯の開催、時間の短縮など 開催場所 屋内の開催の検討など 開催時などにおける熱中症予防対策・発生時の対応策の策定 暑さ指数(WBGT)などを参考にした実施・中止基準の策定など ※暑さ指数(WBGT)とは熱中症に関連する気温、湿度、日射、輻射、風のデータを取り入れて数値化したもの 暑さ指数(WBGT)ごとの熱中症予防運動指針 31℃以上  注意すべき生活活動の目安 すべての生活活動でおこる危険性 日常生活における注意事項 高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きい。外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する。 熱中症予防運動指針 運動は原則中止 特別の場合以外は運動を中止する。特に子どもの場合には中止すべき。 28〜31℃  注意すべき生活活動の目安 すべての生活活動でおこる危険性 日常生活における注意事項 外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する。 熱中症予防運動指針 厳重警戒(激しい運動は中止)熱中症の危険性が高いので、激しい運動や持久走など体温が上昇しやすい運動は避ける。 10分から20分おきに休憩をとり水分・塩分の補給を行う。暑さに弱い人は運動を軽減または中止。 25〜28℃ 注意すべき生活活動の目安 中等度以上の生活活動でおこる危険性 日常生活における注意事項 運動や激しい作業をする際は定期的に充分に休息を取り入れる。 熱中症予防運動指針 警戒 積極的に休憩 熱中症の危険が増すので、積極的に休憩をとり適宜、水分・塩分を補給する。激しい運動では、30分おきくらいに休憩をとる。 21〜25℃  注意すべき生活活動の目安 強い生活活動でおこる危険性 日常生活における注意事項 一般に危険性は少ないが激しい運動や重労働時には発生する危険性がある。 熱中症予防運動指針 注意 積極的に水分補給 熱中症による死亡事故が発生する可能性がある。熱中症の兆候に注意するとともに、運動の合間に積極的に水分・塩分を補給する。 出典 環境省 夏季のイベントにおける熱中症ガイドライン2020 2 危機管理体制づくりや緊急時の対応マニュアルを作成し、スタッフ同士で事前に共有しておきましょう 危機管理体制づくりのポイント  気温などによるイベントの変更・中止の判断基準及び判断をする責任者を設定する  気温や湿度などの気象条件を把握し、熱中症発生リスクを含めて事前に共有できるようにする  熱中症患者に対応するために冷たい飲料や涼しい休息場所(救護所)を確保する  現場で初期対応をするか医療機関での治療が必要かどうかの判断を行えるよう、スタッフと熱中症に関する知識を共有する  イベントPRの際に、参加者に熱中症への注意を呼びかける マニュアル作成時のポイント  対応責任者、通報や搬送の担当者を設定し、明記する  熱中症が発生したときに、誰に連絡をするのか連絡系統を整理する  応急処置の対応(4参照)を記載する  熱中症発生時に責任者に伝達すべき事項を整理する  (発生場所、時間、発見時の状態、実施した応急処置の内容など)  非常事態発生時の対応を明確にする(緊急対応フロー例参照)  熱中症発生場所の特定方法、搬送者の搬送ルートを予め規定し、共有する 緊急対応フロー例  要救護者 熱中症 発生  状況確認・関係者等からの情報収集  軽度  応急対応  救護所などへの誘導  重度  責任者へ状況報告  応急措置・応援要請など  通報・搬送スタッフまたは責任者の指示により救急車などを要請  スタッフ・関係者への状況伝達 搬送ルートの確保など  搬送 3 会場づくりの工夫をしましょう    工夫1 待機列を作らないことと日陰への誘導  長時間待機をさせない工夫(整理券の配布など)  席確保のための待機を少なくする工夫(指定席の導入など)  待機列の環境への工夫(木陰や施設の影など直射日光にさらされない場所に誘導する、風通しを良くするため並列にならない列づくりをする)  工夫2 開場・終了時の混雑緩和  入退場するゲートの数を増やす、幅を広くする  特定の場所や時間帯に観客が集中しないようにイベントのプログラムを考える  待機のために広い空間を確保する  工夫3 休憩場所、飲料の確保  イベント参加者が休憩できる場所を設ける  自動販売機などの欠品を防止する  給水場を設置する  工夫4 施設などの分かりやすい表示、注意の呼びかけ  自動販売機、日陰の場所、救護所、トイレなどの場所を分かりやすく案内する  スタッフを目立たせ、参加者が声をかけやすくする  参加者に水分補給を促し、熱中症への注意を呼びかける放送や掲示をする 4 熱中症が疑われる場合は、症状に応じた対応をしましょう  落ち着いて、状況を確かめて対処しましょう  熱中症の応急措置  チェック1 熱中症を疑う症状がありますか?  めまい・失神・筋肉痛・筋肉の硬直・大量の発汗・頭痛・不快感・吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感・意識障害・けいれん・手足の運動障害・高体温  はい    チェック2 呼びかけに応えますか?  はい  涼しい場所へ避難し、服をゆるめ体を冷やす                いいえ  救急車を呼ぶ  救急車が到着するまでの間に応急措置を始めましょう。  呼びかけへの反応が悪い場合には無理に水を飲ませてはいけません  涼しい場所へ避難し、服をゆるめ体を冷やす  氷のう等があれば、首、腋の下、太腿のつけ根を集中的に冷やしましょう  医療機関へ  本人が倒れたときの状況を知っている人が付き添って、発症時の状態を伝えましょう  チェック3 水分を自力で摂取できますか?  はい 水分・塩分を補給する  大量に汗をかいている場合には、塩分の入った  スポーツドリンクや経口補水液、食塩水がよいでしょう  いいえ  医療機関へ  本人が倒れたときの状況を知っている人が付き添って、発症時の状態を伝えましょう  チェック4 症状がよくなりましたか?  はい  そのまま安静にして十分に休息をとり、  回復したら帰宅しましょう  いいえ  医療機関へ  本人が倒れたときの状況を知っている人が付き添って、発症時の状態を伝えましょう    迷ったら・・・  川崎市救急受診ガイド  質問に対して「はい」「いいえ」を選択していただくと、「救急車を呼びましょう」や「医療機関を受診しましょう」  などの4段階に分類されますので参考にしてください。  救急医療情報センター  医療機関案内 24時間365日対応しています。  急な病気やけがをした場合、電話により、これから受診できる川崎市内の医療機関(歯科を除く。)をご案内しています。  医療相談や歯科の案内は行っていません。  オペレーターによる医療機関案内  これから受診できる医療機関(歯科を除く)をご案内します  044―739―1919  コンピューターの音声ガイダンス  現在診療を行っている医療機関(歯科を除く)を音声ガイダンスによりご案内します。  044―739―3399  イベント参加者への注意の呼びかけ例  イベント開催前  帽子や日傘などを用意しましょう  ゆったりとした、汗を吸収しやすい服装を選びましょう  イベント前日は休息をしっかりとり、睡眠不足のまま参加しないようにしましょう  朝食は必ず食べましょう  緊急連絡先として家族やかかりつけ医の電話番号を携帯しましょう  イベント開催中  こまめに水分・塩分を補給しましょう  日陰の場所や自動販売機などの場所を把握しましょう  涼しい場所でこまめに休憩しましょう  帽子や日傘などをつかいましょう  体調不良時はすぐにスタッフに声をかけましょう  マスクを着用している場合には、のどが渇いていなくてもこまめに水分補給を  心掛けるようにしましょう。また、周囲の人との距離を十分にとれる場所では、  適宜マスクを外して休憩しましょう。  特に高齢者、乳幼児、車いすで移動する人やからだに障害のある人などは、熱中症のリスクが  高いことから、周囲が体調の変化に気を配り、決してむりをさせないようにしましょう  暑さ指数 WBGT の情報は環境省のホームページでご覧いただけます  熱中症予防情報サイト 検索  パンフレットに関するお問い合わせ  川崎市健康福祉局保健医療政策部健康増進担当 044―200―2438