川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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70認可条件1.工事完成ノ上ハ浄水ノ水質試験ノ結果ヲ報告スルコト2.新設鶴見、久末両配水池ニハ応急浄化用トシテ塩素滅菌機ヲ設備スルコト3.導水線路ハ調査ノ上可能ナルニ於テハ之ヲ北方山地ニ選定シ隧道及暗渠構造トナシ鉄材ノ節約ヲ図リ且ツ防空上ノ安全ヲ期スルヲ得策ト認メラルルニ付此際充分再調ヲ遂グルコト4.送水線路ノ内比較的低水圧ノ区間ハ鋼管ヲ廃シ鉄筋コンクリート管ヲ以テ代用スルコト5.沈澱池ノ容量ハ全計画水量ニ対シテハ過小ト認メラルルニ付再調ノコト6.急速濾過池ノ不完全浄水流出管ハ洗滌排水渠ト併用セシメ且ツ洗滌水用ノポンプ井戸ヲ設クルコト7.各種構造物ハ極力鉄材ノ節約ヲ図ルコト8.前第3項乃至第7項ニ依リ更メテ実施設計ノ認可ヲ受クルコト3 終戦前の工事⑴ 実施設計の概要①規模給水区域川崎一円計画給水人口46万1,150人1人1日最大配水量596.5L1日最大配水量27万5,079㎥②計画配水量 原設計においては、計画目標年度の昭和30年(1955)における1日最大配水量のうち工場用水について26万8,725㎥としていた。しかし、工業用水道事業で1日最大配水量10万6,000㎥の増強を別途計画し、施行しつつあったため、実施設計においては、工場用水について、この水量を差し引き16万2,725㎥とした。これに一般家庭用水11万2,354㎥を加え、実施設計の1日最大配水量を27万5,079㎥とした。したがって、実施設計においては、これから既設の1日最大配水量9万5,000㎥を差し引いた18万79㎥に対応する施設の増強を行うことに変更した。③工事計画 津久井分水池の起点から分水井までの川崎・横浜両市施行の区域を、高座郡相模原町下九沢までの4,200mに短縮し、ここに両市に向けた分水井を築造することとした。 分水井以降は前述したように川崎市の単独施行とし、北方山岳地帯をずい道によって原水を自然流下で浄水場へ導水することとした。また、浄水場は、生田東長沢地内の高地に建設することとした。 配水池及び配水管は、1日最大配水量18万79㎥に対応して計画を変更することとし、原設計における久末配水池を廃止し、鶴見配水池(現:末吉配水池)のみとした。⑵ 実施設計の認可の経過昭和17年(1942)3月10日事業認可申請6月19日事業認可(条件付)第1編上水道第3章水道の拡張時代の到来

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