川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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82 長沢浄水場構内に殉難者追悼碑がある。これは、昭和24年(1949)12月19日から昭和26年(1951)11月26日までの間に起こった7回もの土砂崩れで失われた8人の尊い人命を悼む碑である。⑵ 国内初のオートメーション化 水道施設のオートメーション化は、我が国では長沢浄水場が初めてであった。 本拡張事業によって相模川系の水源が加わり、従来の多摩川系水源との相互の連携が必要となったほか、将来の水需要増加を踏まえ、今後、全系統の統括、指令、管理を集中的に行っていくという方針に基づき、長沢浄水場に精度・信頼性の高い電子管計器を導入し、更に他の水道施設を含み包括的に管理するため、集中計測管理方式を採用したのである。 その特長は、①精度・信頼性の高い電子管計器の導入によって、質・量ともに連続的に、しかも確実に計測できるようになったこと、②集中計測管理方式により、指令、操作を管理室で集中して行えるようにしたことである。 その効果として、①現場に設置した指示計器による計測や極端な場合には職員の勘に頼った操作が必要なくなったこと、②長沢浄水場内だけでなく、末吉配水所や生田浄水場相互間の配水池水位、配水流量も長沢浄水場の管理室において把握し、浄・配水操作をより効率的に行えるようになったことがあげられる。 本拡張事業以降、電子工学は目覚ましく進歩し、導入した電子管計器がトランジスタ式に置き換えられる等、本格的なオートメーションの浄水場が全国各地に建設されるようになった。急速ろ過池操作廊配電盤第1編上水道第3章水道の拡張時代の到来殉難者追悼碑

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