川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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135要とするものと推定され、現在の保有水源日量400万立方メートルに対し、約300万立方メートルの不足が生ずるものと予想されております。このうち、日量約100万立方メートルにつきましては、相模川の高度利用により確保される予定でありますが、残りの日量約200万立方メートルにつきましては、本県最後の水源ともいわれている酒匂川水系に依存せざるを得ない実情であります。(2)酒匂川水系の開発 酒匂川は、神奈川県西部に位置し、相模川に次ぐ本県第2の河川であります。 その開発計画の構想は、上流の足柄上郡山北町神尾田地点に貯水施設を、下流の小田原市飯泉地点に取水施設を設け、これより秦野、伊勢原、相模原を通る導水路をへて、県営水道および横浜、横須賀、川崎各市の需要地域に送水するため、日量約160万立方メートルにおよぶ大規模な水道施設の建設事業を施行しようとするものであります。(3)企業団の設立 水道事業にとって水源の遠隔化と施設の大規模化等に伴う巨額の財政負担は、その経営上重大な問題となっております。 しかしながら、緊迫した水事情を考えますと、酒匂川水系の早期開発を期するため抜本的な対策をもってこれに対処しなければなりませんのでア 水道用水の広域的な有効利用が図られることイ 重複投資の排除、効率的な施設の配置および管理運営が図られることウ 国の財政援助が期待されること などの観点から、各水道事業者が一つの組織体に結集した企業団方式により広域水道を経営することが最も適当であると考えられるのであります。 そこで、神奈川県および横浜、横須賀、川崎各市は、酒匂川の水源開発にかかる水道用水供給事業の経営を共同して行なうため「神奈川県内広域水道企業団」を設立しようとするものであります。2 神奈川県内広域水道企業団の事業計画(1)事業内容  水道用水供給事業(2)供給対象  県営水道および横浜、横須賀、川崎各市の水道事業者(3)水源 酒匂川の水源開発により生みだされる日量182万5,000立方メートルのうち、神奈川県および横浜、横須賀、川崎各市の配分水量日量156万4,300立方メートルを充てることとしております。 なお、配分水量は、下記のとおりであります。第14節酒匂川総合開発事業

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