川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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142⑷ 委託工事 三保ダム及び飯泉取水堰築造工事については、河川工作物の管理監督者という専門的立場に立つ県知事に、全面的に委託することが最も合理的であるということで、昭和45年(1970)3月25日企業団企業長と県知事との間で「酒匂川総合開発事業のうち酒匂ダム(仮称)及び飯泉取水施設の建設に関する基本協定」が締結された。この基本協定に基づき、同年4月1日に企業団企業長は県知事とともに、工事施行責任者である県公営企業管理者との間で、「工事委託協定」を締結した。この委託協定では、委託工事について公営企業管理者が責任を持って処理するように取り決められ、この中でダム工事及び取水工事に要する費用の事業者別委託費分担額は、以下のように決められた。ダム地点着工前全景洪水吐事業者別委託費分担額(単位:千円)工事別事業者別分担額ダム工事神奈川県8,012,470企業団75,603,357姫川電力376,000小計83,991,827取水工事企業団4,539,000合計88,530,827 昭和49年(1974)5月17日にダム施設の起工式が行われ8月末に着工した。まだ人家がある中で田ノ入堰堤付近から着工、続いて放水路トンネル、取水口、接合井、分水槽(常用放流設備)の順で進行した。昭和50年(1975)4月に酒匂ダム(仮称)は、三保ダムと命名された。こうして、昭和53年(1978)2月に待望の湛水が開始され、8月には80%が完了して、西丹沢に一大人造湖(丹沢湖)が誕生した。着工以来4年余りの歳月を費やしてダム築造工事を終えた。⑸ 企業団による直轄工事 企業団が直轄工事として施行したのは、飯泉取水施設の吸水井以下で、導水、浄水及び送水施設である。導水施設は、環状幹線を県下の水需要地域を包括するように形成し、路線に沿っ三保ダムの完成式第1編上水道第3章水道の拡張時代の到来

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