川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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182猫三谷伏せ越し(上流部)高石伏せ越し(パイプインパイプ工法)② 接合部の形状 既設ずい道には、自由水面を有するずい道部分と満流となる伏せ越し管との接合部分に、鉄筋コンクリート造りの接続槽(水槽)が設けられている。今回、全線を鋼管化するため水理的見地から接合部の形状について検討の結果、次の理由からずい道と伏せ越し管は連続した鋼管構造とすることとした。(ア)鋼管構造とすることにより、断面変化を少なくすることができ、接続槽を設置することなく、発生する損失水頭を極めて小さくすることが可能となる。(イ)ずい道最大流量時のFroude数(F)は、0.076で常流であり、流れの支配断面は下流側ずい道となり、流量変化による上流接合部での波動の発生等の水位変化が少ないと考えられ、鋼管で一体接続すれば構造上も安全性が高く、施工も容易である。なお、接合部にはずい道の水位変化による管内空気の給排気用に、上向きに丁字管を設置して開口部と点検用入孔を設けた。③ 水路橋 水路橋は、昭和58年(1983)に道路拡幅工事に伴って架け替えられた長さ35m、鉄筋コンクリート造りの比較的新しい施設である。 この施設を「水道施設耐震工法指針・解説」(日本水道協会発行・1997年版)に基づき耐震診断を実施した結果、地震動レベル1、レベル2とも耐震性が確保されており、内部への鋼管布設後も問題のないことが確認されたことから、今回は水路橋自体の補強は必要ないものとした。⑵ 工事期間 起工 平成11年(1999)度 竣工 平成13年(2001)度⑶ 事業費及び財源 総事業費は、79億5,637万4,000円をもって完成した。財源は、13億4,637万4,000円を自己資金とし、残り66億1,000万円を起債に求めた。第1編上水道第4章水道の拡張から維持管理への転換

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