川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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194⑵ 大配水ブロック間の相互融通 生田系、鷺沼系、末吉系、臨海系の自然流下系4大配水ブロックに配水し、市域を縦断する1号から6号配水本管及び企業団送水管等の基幹配水管路は、生田系−鷺沼系間を除き、大配水ブロック境界で遮断されていた。そこで、より効率的な配水量コントロール、配水圧力の均等化、大口径管路の流速確保及び緊急時の水量応援等のリスク管理の強化を目的として、水量・水圧のデータ収集、バルブの遠隔制御等を可能とする路上局等を整備し次の8か所で大配水ブロック間の相互融通を実施することとなり、今日の川崎独自の水運用体制の礎が築かれた。大配水ブロック間の相互融通一覧表相互融通点 名称大配水ブロック大師河原、四谷上町、浜町臨海大配水ブロック⇒末吉大配水ブロック(※)上平間、市ノ坪鷺沼大配水ブロック⇒末吉大配水ブロック久地、溝口生田大配水ブロック⇒鷺沼大配水ブロック西生田高石大配水ブロック⇒細山大配水ブロック※大師河原・四谷上町・浜町は臨海大配水ブロックから末吉大配水ブロックへの融通を基本とするが、両大配水ブロックはともに末吉配水池を起点としているため、双方向への融通が可能である。⑶ 中配水ブロック 川崎市の地形の特徴を生かしながら、水圧の均等化を図るため、配水池・配水塔の系統を基本として、標高、道路、鉄道、地形(行政区域等)を分割基準とするとともに、1つの中配水ブロックの配水量は、日平均1〜2万㎥/日を目標とすることとした。ただし、当時の大配水ブロックを基準として中配水ブロック化を図ることとしたため、配水量として小規模な菅系、細山系、千代ヶ丘系、潮見台系、長尾系、百合丘系、久末系及び黒川高区系は、それ自身を1つの中配水ブロックとみなした。 また、注入点数は中配水ブロックごとに2〜4点程度を目安とし、当時の管網を最大限に有効利用することを念頭に置き、管網の地域性を十分に考慮したうえで、注入点の位置及び注入点数を決定することとした。なお、長尾系、百合丘系、久末系、黒川高区系は中配水ブロック内の幹となる管路に位置づけられる特定の配管が存在しないため、注入点を特定する作業は行わなかった。 その後、中配水ブロック化では、注入点1か所が停止した場合でも当該中配水ブロックの水圧を保てるよう注入点の位置・数を選定することを基本的コンセプトとして、今日の中配水ブロックに至ることとなった。⑷ 小配水ブロック 水圧の均等化を図りながら中配水ブロック化を実施しても、配水塔水位と同等レベルにある水頭差の少ない地域や標高差により水頭差が大幅に上昇してしまう地域が存在していた。第1編上水道第4章水道の拡張から維持管理への転換

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