川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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2064 末吉配水池更新工事⑴ 工事の概要 末吉配水池は、市の中心市街地である川崎区、幸区へ配水する市内で2番目に大きい、鉄筋コンクリート造りからなる配水池である。第4期拡張事業において昭和30年(1955)に完成、その後、京浜工業地帯の諸産業の発展に伴う給水量の増加に対応するため、昭和39年(1964)に増設が実施された。 平成9年(1997)度に耐震診断を実施し、レベル1及びレベル2地震動に対して耐震性能を満たしていないことが確認され、頂版と底版の一部に補強が必要であった。また、計画策定時にはすでに耐用年数の60年を目前としており、老朽化も進行していたことから、全面的な更新工事によって耐震化を図ることとした。発注に当たっては、受注者の技術力の活用や創意工夫等により工期の短縮やコストの削減が見込まれ、品質の向上も期待できる、設計施工一括発注方式を採用した。 詳細設計に当たっては、末吉配水所が狭隘な敷地であるとともに、片池を運用しながら配水池と配水池周りの配管と設備も併せて更新することから、水運用を考慮した更新ステップと作業ヤードを確保した更新計画が求められた。更新時や完成後の維持管理に必要なスペースを確保しやすく、経済性に優れた構造や配置の検討も行った。 設計と施工を一括で発注することにより、詳細設計の期間中に先行して準備等に係る工種に着手することができ、従来の基本設計委託、詳細設計委託、局の発注設計と段階を踏む発注形態と比べ大幅に工期の短縮が可能となった。また、企業ノウハウを最大限に活用し、周辺環境への配慮や水運用に支障をきたさぬよう更新を進めることができ、建築や電気及び機械設備の更新を含んだ工事であったが、工期中も施設全体をトータルで管理し、実施工において手戻りもなく発注者の統合調整業務が軽減できる等の効果が得られた。⑵ 工事期間 起工 平成26年(2014)9月 竣工 令和元年(2019)6月⑶ 事業費 58億9,086万1,080円着手前写真(全景)完成後写真(新設配水池)第1編上水道第4章水道の拡張から維持管理への転換

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