川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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222浄水処理フロー(再構築前)②再構築後の目標水質の設定 水源である相模川水系上流の水質や長沢浄水場及び潮見台浄水場の処理状況の実績から、処理フローの検討に影響を与える水質項目は、濁度、藻類、有機物(全有機炭素「TOC」の量、以下TOC)、カビ臭(ジェオスミン)と考えられ、これらについて目標水質を設定した。 濁度の処理目標値は、「水道におけるクリプトスポリジウム等対策指針(平成19年(2007)4月1日適用厚生労働省)」に準じて0.1度以下とした。TOCについては、厚生労働省おいしい水研究会で過マンガン酸カリウム消費量は3.0mg/L以下が望ましいとされているが、過マンガン酸カリウム消費量の測定は平成18年(2006)度よりTOCに置き換えられ、その値は1/2程度になるため、TOCの将来処理目標値を1.5mg/L以下とした。カビ臭については、原水水質の実績から2-MIBは検出頻度が低いため、将来処理目標の設定項目から除外した。また、ジェオスミンの閾値は水質基準値である10ng/L以下とされているが、臭気に敏感な人は、更に低い濃度でもカビ臭を感じるため、新設の粉末活性炭設備により、カビ臭の除去が最大限可能なレベルである3ng/L以下を処理目標値とした。 これら水質項目の将来処理目標を達成できるよう浄水処理フローを検討した。③浄水処理フローの検討 (ア)取水方法及び対象原水 相模川水系の第1導水ずい道の導水量は60万㎥/日であるため、上水用必要水量28万㎥/日は第1導水ずい道からの原水で補える。しかし、工事等で第1導水ずい道からの導水を停止した場合は、酒匂川水系を含む第2導水ずい道経由の原水1号連絡管からの原水も上水用として流入する可能性もあるため、浄水処理方法の検討における対象原水として酒匂川水系についても考慮するものとした。第1編上水道第5章全国に先駆けた水道の再構築

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