川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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223長沢浄水場着水井(再構築後) (イ)濁度への対応 処理方法の選定に当たり、濁度処理方法としてろ過施設の検討を行った。ろ過施設としては「緩速ろ過方式」、「急速ろ過方式」及び「膜ろ過方式」を検討したが、検討の結果、浄水処理の基本プロセスは、イニシャル・ランニングコストの経済性、濁度・藻類への対応を考慮し、「凝集沈でん池−急速ろ過」とした。また、凝集不良の場合に備えて、現況と同様に後PAC注入設備を導入した。 (ウ)藻類への対応 水源で発生する藻類への対応としては、既存設備の「凝集沈でん処理及び複層ろ過」のほかに、「マイクロストレーナ等の前処理」を検討した。 マイクロストレーナ等の前処理を導入する対応は、一定の除去効果は認められているが、稼働率が低く、また用地の確保が必要となるため採用を見送った。 一方、凝集沈でん、ろ過における対応としては、藻類の種類によるが、凝集剤の注入率の増量及び後凝集、塩素処理(前・中注入)、複層ろ過による捕捉率の増強があげられる。特に複層ろ過としてアンスラサイトを導入し、ろ過速度をできるだけ抑えることで、除去効果は期待できる。また、珪藻類(シネドラ等)は塩素処理(前・中注入)による殺藻効果があるため、凝集沈でんによる除去対応が可能であり、濁度対策として前述した後凝集も藻類対策としての効果が期待できる。第6節各施設の工事

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