川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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226⑵ 更新工事の概要 長沢浄水場の更新工事は、再構築事業における施設整備の大半を占める大規模工事となっており、浄水場敷地北側の空き用地と移転した第3配水工事事務所跡地を活用し、着水井から配水池まで、自然流下による処理が行えるよう施設を配置した。具体的に整備する主な施設は、導水開きょ・第3着水井、活性炭接触池、沈でん池、ろ過池、配水池等の構造物やこれらに附帯する管路、管理棟、設備棟等の建築物、機械設備、電気設備等である。平成20年(2008)12月に工事着手し、平成28年(2016)3月に全量通水完了を目標とし施設整備を進めた。①施行計画 既設第3沈でん池を稼働しながら工事を行うため、残りの用地で新設施設寸法及び配置レイアウトを検討した結果、新設沈でん池を二つに分割して構築することとなった。そのため、浄水場の運用計画とそれに則る建設計画を以下のように決定した。1.既設第3沈でん池を稼働した状態で、第4沈でん池、急速ろ過池、配水池を構築する。(以下「第1期工事」という。)【施設能力14万㎥/日】2.第4沈でん池、急速ろ過池、配水池が完成した時点で浄水フローを切り替え(1期通水)、既設第3沈でん池を取り壊す。3.活性炭接触池、第3沈でん池を構築(以下「第2期工事」という。)し、最終浄水システムとする。(全量給水)【施設能力28万㎥/日】⑶ 導水開きょ・第3着水井①工事の概要 新設浄水処理施設へ流入する原水水位の安定及び浄水薬品注入のために、第1導水ずい道から直接取水できる位置に第3着水井を新設することとした。しかし、既設導水管、第1導水ずい道坑門口等が支障となるため、導水開きょを設置し、その先に第3着水井を設置することとした。着水井の容量については、新設導水開きょと第3着水井を合わせた滞留時間を1.5分と設定し、東京分水井との離隔や洗砂水槽側の法面、既設導水管等を考慮し、配置及び断面(容量)を決定した。 また、取水ゲートの設置については、使用頻度や下流に原水流量調整弁を設置すること等から角落し堰のみとし、除塵設備としてスクリーン(目幅10㎝)を設置した。配水池急速ろ過池第4沈でん池第3沈でん池設備棟管理棟着水井雨水調整池活性炭接触池主な工事範囲第1編上水道第5章全国に先駆けた水道の再構築

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