川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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230⑸ 沈でん池①工事の概要 第4沈でん池は、第1期工事として第3着水井からの導水管(バイパス管)及び沈でん池・ろ過池連絡管の整備と併せて築造し、第3沈でん池は、第2期工事として第1期施設の供用開始後、既設第3沈でん池を取り壊し、その跡地に活性炭接触池と併せて築造することとした。 沈でん池の処理工程は、原水水質、運転実績等から既設第3沈でん池と同様、凝集剤混和、フロック形成、沈でんという三つのプロセスの薬品凝集沈でん処理を採用しており、構造物は電気設備等を格納する用途も備える2階層に分割した管廊を中央部に配し、その左右にそれぞれ混和池・フロック形成池・傾斜板沈でん池を配し一体構造とした。 沈でん方式は、潮見台浄水場において運転実績があり、沈でん池の容量を十分に確保することで安定した沈でん効果が期待できる傾斜板方式を採用した。なお、傾斜板の材質はリサイクルのしやすさから主流となっているPET製とした。傾斜板(側面)傾斜板 フロック形成池におけるかくはん方式は、既設第3沈でん池と同様、機械(フロキュレーター)によるかくはん方式とした。設置方式は、従来どおり横軸型とし、軸受の負担を軽減し長寿命化を図るため、中空フロート式を採用し、材質についても長寿命・メンテナンスフリーを目的としてすべてSUS304とした。また、良好なフロックを形成するためには、かくはん速度を池後段へ行くに従い遅くする必要があるため、フロキュレーターを1池につき3段設置し、段ごとに整流壁を設け、減速機はインバーター制御で回転速度を変更できるようにした。 汚泥かき寄せ機の選定においては、維持管理性、イニシャル及びランニングコスト等から比較検討し、また、高濁度時の汚泥量も確実にかき寄せが可能なものを検討し、耐震性が確保でき、かつ汚泥かき寄せ能力が高いノッチチェーン式を採用した。②工事施行の経過第4沈でん池:平成20年(2009)10月着工、平成25年(2013)3月完成第3沈でん池:平成25年(2013)7月着工、平成28年(2016)3月完成汚泥かき寄せ機第1編上水道第5章全国に先駆けた水道の再構築

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