川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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241 (イ)プロフィバス回路の導入 ろ過池運転のための受配電設備をはじめ、ろ過池の運転制御設備、運転制御に係る計装設備を対象とし、各ろ過池に複数附帯するバルブの制御回路について、プロフィバス回路を採用した。 プロフィバスとは、制御盤と各機器の信号のやり取りを、デジタル通信を用いて行うシステム(フィールドバス)の一つである。1本のケーブルで複数のデータを伝達可能であり、高精度、多機能であることから、制御盤から1本のケーブルで各機器と接続することが出来る。 工夫した点は、システムをループ化し、冗長化することにより、1か所で故障が生じても制御に影響のないシステムを構成したことである。 (ウ)毒物監視装置(バイオアッセイ)の導入 これまで長沢浄水場では原水及び配水池水の毒物監視は、目視により魚類監視を行ってきたが、毒物監視の更なる体制強化を目的として、今回はじめて毒物測定装置としてメダカのバイオアッセイを導入することにした。 一般的にメダカのバイオアッセイは、ヒメダカの挙動をカメラ画像で常時監視し、水中に毒物が混入した場合等の異常な挙動を自動検知するものであり、メダカの挙動が確認できる澄んだ水が条件となる。また、メダカの挙動がカメラ画像では検知できない濁度の高い水の場合には、メダカの活動電位から異常を検知できる電位測定方式がある。 今回は、原水用毒物監視については、電位測定方式を採用し、配水池水用毒物監視については、カメラ画像方式を採用した。②工事施行の経過 1期構築施設電気設備設置及び自家発電設備更新工事は、平成22年(2010)10月14日に開始し、平成25年(2013)3月14日に完了した。また、2期の南ろ過池電気設備設置工事は、平成24年(2012)8月10日に着工し、平成26年(2014)3月14日に完了した。⑽ 太陽光発電設備①工事の概要 平成18年(2006)度に策定した「水道事業の中長期展望」の目標の一つである「環境への貢献」に繋がる施策として、「環境にやさしい水づくり」をコンセプトとした長沢浄水場の場内整備の一環として、当初、ろ過池覆蓋上部に200kw規模の設備を導入する計画としていたが、東日本大震災以降の電力供給事情の変化等から計画を再検討し、1,000kW規模の太陽光発電設備を設置することとした。ろ過池上部、配水池上部、雨水調整池上部を利用した太陽光発電設備の設置と新設電気室に設置する昇圧設備及び蓄電設備等による「大規模太陽光発電と蓄電池第6節各施設の工事一般的なバルブ制御回路プロフィバス回路と2重化一般的なプロフィバス回路制御盤制御盤制御盤動力・信号ケーブルバルブ(今回採用)各種ろ過池バルブ制御回路図

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