川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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263②安定性・操作性の向上 新監視制御システムは、各浄水場、配水所間の通信をリッチクライアント方式とすることにより、遠方監視制御用端末でも各浄水場、配水所に設置した場内用端末と同様の監視制御操作を可能とした。また、監視制御用データサーバからアプリケーションをダウンロードし実行できるため、監視制御用端末を増設する際には、手間と費用を削減することも可能となった。③水運用機能の統合 新システムでは、監視制御システムの一部として水運用機能を統合した。水運用計画の策定方法は、水需要予測機能により、自動で受信した天候情報等をもとにして各配水ブロックの配水量を予測する。予測手法には、ニューラルネットワーク及び多変量解析手法の一つであるGMDHによる数学的モデルを構築した需要予測、日種及び天候情報をもとに過去の類似する日による需要予測、同一日の過去データによる需要予測と3通りの方法を使用する。 水運用計画は、これまで長年の運用ノウハウや安心・安全な運転を加味しつつ、遺伝的アルゴリズム手法(GA)を使用して最適化し、需要予測値から配水池上下限水位内で配水池水位が収まり、かつ送水量の上下限等の制約を満足する送水計画を計算し、自動補正する。これにより得た水需要予測、水運用計画値は、広域ネットワークを介して各浄水場及び配水所の監視制御システムへ自動配信する。各監視システムによって受信した計画値をもとにバルブやポンプを自動制御することで、水運用の自動化が可能となった。 また、計画監視機能により、各浄水場、配水所へ配信した水運用の計画値と実績値を60分間隔で監視し、その差が一定以上になったとき、職員へアラーム通知する偏差監視機能を有している。第6節各施設の工事場内・遠方監視制御装置(鷺沼・生田用)情報系LANルータルータ情報系LAN制御系LAN監視制御用データサーバ場内用遠方監視制御装置(鷺沼)伝送回線場内・遠方監視制御装置(長沢・生田用)同じ画面が表示されるため、違和感なく安定した監視制御が出来ます。ダウンロードして同期を取るため、データサーバの機能増設時には、遠方監視端末の変更作業はありません。長沢浄水場鷺沼配水所リッチクライアント方式概略図

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