川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
309/810

2711.浄水処理工程の水質管理 浄水場が水質改善の施設であるという基本原則に従い、生産工程における品質管理を第一義的任務とする。2.中央試験所としての役割 川崎市の浄水施設は各所に散在しているので、各浄水場の試験室は浄水処理の水質管理にとどめ、高度な試験や統一的に行った方が便利な試験等はこの試験室で行うこととする。 また、水源、給水栓等の水質検査も同所で行うこととする。3.水質改善技術の研究機関としての役割 浄水技術の改善、向上等に必要な調査研究を行わせることとする。②潮見台浄水場 第7期拡張事業(昭和40年(1965)3月〜昭和46年(1971)3月)において潮見台浄水場が建設された。本浄水場は長沢浄水場で研究開発された浄水処理技術を導入し、二次混和池、傾斜板沈でん池、アンスラサイトと砂を用いた二層ろ過池等を採用した。 このため、試験室も浄水処理上必要な水質試験を行う部屋のほかに、マイクロなフロック処理を実施した場合、凝集剤注入率決定等を行うためのパイロットフィルタープラントを設置した。 マイクロなフロック処理方法は、低水温・低濁度時にろ過池直前で少量の凝集剤を注入、ろ過池に全負荷を掛ける処理方法である。実際にマイクロなフロック処理を行い一定の効果は見られたがろ過持続時間が短い、高濁度や植物性プランクトン発生時に適さない等から、マイクロなフロック処理は行われなくなり、パイロットフィルタープラント設備も使用されなくなった。 昭和63年(1988)には水質試験機器の増加等から試験室が手狭になり、拡張工事でパイロットフィルタープラント設備は撤去された。⑷ 水質課の変遷 水質管理の組織の主な変遷は以下のとおりである。昭和36年(1961)4月水源管理所に水質係を設置した。昭和41年(1966)1月管理課を設置し、管理課水質係に組織替えをした。昭和44年(1969)4月水源管理所水質課を設置した。組織は、事務係、水質第1係、水質第2係で構成され、浄水場の水質担当者は、長沢、生田、平間浄水場兼務となった。昭和46年(1971)10月各浄水場に水質係を設置し、兼務を廃止した。浄水本館1階の水質課試験室は、長沢浄水場水質係と水質課の共同使用になった。昭和62年(1987)1月水質課の事務室及び試験室を、浄水本館から前年7月に完成した鉄筋コンクリート造り、地上4階・地下1階である浄水管理棟の、2階の一部と3・4階に移転した。平成6年(1994)4月組織見直しで係を増設した。水質第1係が水源担当、水質第2係が浄水場担当、水質第3係が市内給水栓担当に、また主幹(調整担当)とその配下に三つの特命主査を設置し、水質管理体制の強化を図った。平間浄水場水質係を廃止した。第1節水質試験の変遷

元のページ  ../index.html#309

このブックを見る